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1.6 優先度評価

1.6.3 評価結果の感度分析

優先度評価結果は㧘評価の視点を変えるなど㧘感度分析を行い結果の妥当性を検証す ることが望ましい。

【解説】

総合点得点型による評価は,評価項目及び配点が 評 価 者 の 主 観 に よ る 影 響 が 大 き い こ と が デ メ リ ッ トでもある。

そこで先の例では「護岸の安全度」に重点をおい た場合の考え方を示したが,ここでは健全度,社会 へ の 影 響 や 事 業 実 現 度 に 対 す る 配 点 割 合 を 下 図 の ようなケースを設定し感度分析を行い,護岸整備の 優先順位の妥当性を検証した一例を示す。

図 1.6.3 優先順位の評価指標の配点バランス(均等案)

評価項目の配点バランスを変 更した 2ケースの結果を以下に 示すが,参考例では概ね当初の 評価と同じような結果となる。

このように,優先順位の設定 にあたっては,可能な限り評価 者の主観を除いた評価を行うこ とが望ましい。

図 1.6.5 優先順位の評価指標の配点結果(均等案)

図 1.6.6 優先順位の評価指標の配点結果(社会的影響を重点案)

優先度 高 優先度 高

優先度 高 優先度 高

様 式

(付録-1~3)

点検結果は,以下に示す点検シートに示すこととする。次頁以降に各点検シートを示 す。

表-付.1 点検シート一覧表 シートの名称 シートの主な記入内容

全体図記入シート(案)

調査を実施した箇所の概要を把握するため,全体平 面図と,展開図,断面図を示すものであり,点検結果 と変状を記入(図-付.1参照)

変状写真シート(案) 変状写真の一覧(図-付.2参照)

健全度評価シート(案) 点検結果の一覧(図-付.3参照)

図-付.1 全体図記入シート(案)

河川名: 場 所: km~ km 点検年月日:

場 所:右岸・左岸 管理者: 調査者:

全体平面図

展開図,断面図等

備考

図-付.2 変状写真シート(案)

河川名: 場 所: km~ km 点検年月日:

場 所:右岸・左岸 管理者: 調査者:

損傷状況写真(点検位置にチェックを入れる。)変状,写真№,判定結果を( )に記入する。

□根固工 □高水敷 □護岸 □天端 □根固工 □高水敷 □護岸 □天端 変 状( )

写真№( )

変 状( ) 写真№( )

写真 写真

□根固工 □高水敷 □護岸 □天端 □根固工 □高水敷 □護岸 □天端 変 状( )

写真№( )

変 状( ) 写真№( )

写真 写真

□根固工 □高水敷 □護岸 □天端 □根固工 □高水敷 □護岸 □天端 変 状( )

写真№( )

変 状( ) 写真№( )

写真 写真

図-付.3 健全度評価シート(案)

河川名: 場 所: km~ km 点検年月日:

場 所:右岸・左岸 管理者: 調査者:

調査位置 変状の有無 写真№ 判 定

ランク 備考 河床低下 □ 近傍の最深河床高

河床 その他 □ 深 掘 れ , 樹 木 の 繁 茂 , 土 砂等の堆積状況

移動・散乱 □ 構 造 物 前 面 の 根 固 工 平 坦

沈下 □ 根 固 工 の 移 動 ・ 散 乱 及 び 沈下

根固め工

ブ ロ ッ ク 等 の

破損 □ ブロック破損

高水敷 侵食・堆積 □ 侵食・堆積

ひび割れ

沈下・陥没

剥離・損傷

目地の状況 基礎工,コンク

リ ー ト 表 面 の 変状

鉄筋の腐食

ひび割れ

(横クラック)

ひび割れ

(縦,斜めクラック)

水平移動

不同沈下(目地開き)

ふくらみ

傾斜・折損 護岸

護岸の変状(ブ ロ ッ ク 及 び 石 積みの変状)

その他( )

天端 天端の変状,陥

陥 没 の 有 無・沈 下 量・不 陸 の

点検シート記入例

図-付.1 全体図記入シート(案)の記入例

河川名:○○川 場 所:○○km~○○km 付近 点検年月日:H○.○.○

場 所:左岸 管理者:○○県○○事務所 調査者:○○ ○○

全体平面図

展開図,断面図等

備考

図-付.2 変状写真シート(案)の記入例

河川名:○○川 場 所:○○km~○○km 付近 点検年月日:H○.○.○

場 所:左岸 管理者:○○県○○事務所 調査者:○○ ○○

損傷状況写真(点検位置にチェックを入れる。)変状,写真№,判定結果を( )に記入する。

□根固工 □高水敷 □護岸 ■天端 □根固工 □高水敷 □護岸 ■天端 変 状(天端の陥没)

写真№(L1/449),変状ランク( d )

変 状(天端の陥没)

写真№(L1/476),変状ランク( c )

□根固工 □高水敷 ■護岸 □天端 □根固工 □高水敷 ■護岸 □天端 変 状(ひび割れ:斜めクラック)

写真№(L1/485-1),変状ランク( c )

変 状(ひび割れ:斜めクラック)

写真№(L1/485-2),変状ランク( c )

□根固工 □高水敷 ■護岸 □天端 □根固工 □高水敷 ■護岸 □天端 変 状(ブロックの損傷)

写真№(L1/500),変状ランク( b )

変 状(目地開き)

写真№(L1/522),変状ランク( c )

図-付.3 健全度評価シートの記入例

河川名:○○川 場 所:○○km~○○km 付近 点検年月日:H○.○.○

場 所:左岸 管理者:○○県○○事務所 調査者:○○ ○○

調査位置 変状の有無 写真№ 判 定

ランク 備考 河床低下 □ 近傍の最深河床高

河床 その他 □ 深掘れ,樹木の繁茂,土砂

等の堆積状況

移動・散乱 □ 構 造 物 前 面 の 根 固 工 平 坦

沈下 □ 根固工の移動・散乱及び沈

根固め工

ブ ロ ッ ク 等 の

破損 □ ブロック破損

高水敷 侵食・堆積 □ 侵食・堆積

ひび割れ

沈下・陥没

剥離・損傷

目地の状況 基礎工,コンク

リ ー ト 表 面 の 変状

鉄筋の腐食

ひび割れ

(横クラック)

ひび割れ

(縦,斜めクラック) L1/485

水平移動

不同沈下(目地開き) L1/522

ふくらみ

傾斜・折損 護岸

護岸の変状(ブ ロ ッ ク 及 び 石 積みの変状)

その他(ブロックの損傷) L1/500 天端 天端の変状,陥

陥 没 の 有 無 ・ 沈 下 量 ・ 不 陸 の L1/449 L=22.0m

巻末資料

(マルコフ連鎖モデルを用いた劣化予測の検証例)

1. 劣化予測の概要

日常及び出水時の維持管理では,点検並びに健全度評価により施設の現状把握や早急 な対策実施の必要性を判断する。一方,将来を考える維持管理計画では,今後予想され る維持管理費の最小化を目的として,補修時期や補修工法を適切に設定し中長期的な補 修・更新費(LCC)を算定する。LCC算定で事後保全的対策・予防保全的対策など複数 のシナリオを検討するためには,精度よく劣化予測を行うことが重要となる。

劣化予測では,それぞれの特徴及び課題を理解し,検討対象とする劣化現象に合った 予測手法を選定する。

予測手法の例を次頁以降の表 1 ,表 2 に示す。精度等の課題解決も含めて各分野(道 路・河川海岸砂防・上下水・農水・港湾漁港・等々)で研究が実施されている。現時点 では予測が困難または不十分であっても,点検履歴の蓄積・研究の進展に伴って段階的 に精度を向上させていくことを前提として計画する。

対象とする河川護岸は延長が長く,場所によって環境条件・構造・建設年次等が異な ることから,条件を細分して個々の劣化予測を行うことは労力的にも非現実的であると 考える。よって,河川護岸の劣化予測では,遷移確率による手法を選定し,施設構造や 建設年次の一致する区間内の部材群を対象として劣化予測する方法を提案する。

防災上重要な地点や劣化が隣接する重要施設(樋門等)に影響を及ぼす地点について は,必要に応じて劣化予測式(理論式)や点検結果の統計分析により特定の部材の劣化 予測を行うことで,詳細な維持管理計画を策定できると考える。

ただし,点検結果の統計分析による劣化予測を行うためには,膨大(理想は全国的)

な点検結果を統計処理し,標準的な性能低下曲線を設定する作業が必要となるため,今 後の研究の進展に委ねることとし,ここでは検証を省略する。

ここでは遷移確率(マルコフ)による劣化予測の考え方と,ブロック及び石積み護岸 の劣化予測の検証例を示す。

表 1 劣化予測手法の比較 1)

手法 概要 特徴及び課題 適用例

寿命設定 (※)

個 別 施 設 の 部 材 毎 に 寿 命 を 設定し,建設辞典あるいは補 修 時 点 を 「 健 全 」, 寿 命 時 点 を「要補修」段階として,予 測直線又は曲線を作成

・個 別施 設 の 部材 毎に 補 修 時期 が 確定的に算定できる

・寿命設定の根拠付けが課題

・寿 命に 至 る まで の劣 化 進 行速 度 の設定が課題

定 期 的 交 換 を 前 提 と した部材

・ 支 承 , 伸 縮 装 置 の 劣化

・機械設備等の劣化

劣化 予測式

(理論式)

劣 化 メ カ ニ ズ ム に 応 じ た 理 論的予測式を使用。

・個 別施 設 の 部材 毎に 補 修 時期 が 確定的に算定できる

・予 測式 の 理 論的 根拠 が 明 確で あ

・現 時点 で は ,適 用で き る 劣化 要 因が限定される

・劣化予測のための調査データ(コ ンクリートコア採取・試験等)が必

劣 化 要 因 が 比 較 的 明 白な部材

・ 塩 害 に よ る コ ン ク リ ー ト 内 の 鉄 筋 腐 食

( 塩 化 物 イ オ ン 量 の 浸透速度の予測)

・ 中 性 化 に よ る コ ン ク リ ー ト 内 の 鉄 筋 腐 食 ( 中 性 化 速 度 の 予 測)

点検結果 統計分析

点 検 結 果 に 対 応 す る 健 全 度 と 経 過 年 の 関 係 を 統 計 分 析 することで,予測直線又は曲 線を作成。

部材毎,劣化要因毎に,環境 条件,建設年次等でカテゴリ ー区分し,予測式を作成。

・個 別施 設 の 部材 毎に 補 修 時期 が 確定的に算定できる

・点 検結 果 に 基づ く分 析 で あり , 設定根拠が明確である

・劣 化要 因 や 核施 設の 環 境 条件 , 利用 条件 等 に より ,点 検 デ ータ を 分類 する こ と で, 予測 精 度 の向 上 が可能

統 計 デ ー タ が 多 く 傾 向を分析できる部材

(橋梁)鋼部材の腐食

(橋梁)防食機能の劣

遷移確率

各 健 全 度 ラ ン ク 間 の 遷 移 確 率を用いて,各健全度ランク の 比 率 の 推 移 を マ ル コ フ 過 程により計算。

遷移確率は,部材毎,劣化要 因 毎 に 複 数 の 点 検 結 果 を 用 いて算定。

・施 設群 や 部 材群 を対 象 に 補修 時 期を算定できる

・点 検結 果 等 によ り遷 移 確 率を 設 定するため,根拠が明確である

・個 別施 設 の 部材 毎に は 補 修時 期 が算 定で き ず ,短 期計 画 へ の反 映 が困難

施 設 群 や 部 材 群 の 健 全 度 の 比 率 ・ 推 移 を 求 め る 部 材(特 定 の 施 設 の 部 材 の 予 測 に は適用不可)

・舗装の劣化

※寿命とは,建設後あるいは補修後から「要補修」の時期に至るまでの期間をいう。

関連したドキュメント