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設計方針

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第 3 章 関連研究

M- TRAN

5.3 設計方針

ヒューマノイドロボットの動作は,複数の機能が並列に動作していることが考察できた.

モジュールロボットは,複数のモジュールを組み合わせてシステムを構成することで,環 境や用途に応じてシステムの状態を変化できる機能をロボットへ付加するアプローチを通 して,柔軟性や拡張性の向上を実現していることが考察できた.

以上より,ヒューマノイドロボットの各機能の機械構造,電気・電子ハードウェア,ソ フトウェアをモジュール化し,それらモジュールを組み合せることでシステムを構築する モジュール型のヒューマノイドロボットを実現することができれば,情報処理能力の向上 と,ヒューマノイドロボットもモジュールロボットと同等の柔軟性や拡張性の向上を実現 できるのではないかと考えられる.

一方で,図2.6に示したロボット技術に着目すると,図5.3に示すように移動ロボット,頭 ロボット,マニピュレータなどの単機能を持つロボット毎の開発が最も盛んに進められてお り,それら単機能ロボットを構成する電気・電子ハードウェア設計[鏡 他 03][前野 他98]や ソフトウェア[Breazeal 99][Nakadai et al. 02],アルゴリズム[加賀美聡 他 02][小林 他03]

などの研究が十分な成果を挙げている.これらの要素技術は,先に述べたヒューマノイド ロボットの並列して動作している機能と一致していることがわかる.そこで,ヒューマノ イドロボットを複数のモジュールに分割する際の粒度は,要素研究の粒度で分割するのが 適していると考えられる.

以上のことから,本研究では,図5.4,図5.5に示すように,「通常は,単体の要素技術ロ ボットとして動作し,ヒューマノイドロボットに統合化された際には,ヒューマノイドロ ボットの部品として動作する」という設計概念を持つ再構成可能なモジュール型ヒューマ ノイドロボットのシステムアーキテクチャを提案する.

5. 提案・設計方針 5.3. 設計方針

Functional Robots

Reconfigurable Robot Systems Wheel Robot

Biped Robot Arm Robot

Head Robot

Humanoid Robots Head Robot

Body

図 5.4: 再構成可能なモジュール型ヒューマノイドロボット

Communication Line Signal Line Controller Arm Module

Brain Module

Head Module

Mobile Module

図 5.5: 再構成可能なモジュール型ヒューマノイドロボットの構成図

5. 提案・設計方針 5.3. 設計方針

表 5.3: 再構成可能なモジュール型ヒューマノイドロボットの位置付け 再構成可能なモジュー

ルシステム

集中制御システム 分散制御システム

処理できるタスク量 ◎多量 少量 集中制御より向上

動作環境 ◎広範囲 少範囲 集中制御より向上

システムの拡張性・柔 軟性

◎再構成機構により実 現

難しい 集中制御より向上 メンテナンス性 ◎モジュール毎に行え

難しい 集中制御より向上 耐故障性 ○分散制御より向上 低い 集中制御より向上

信頼性 ○分散制御より向上 低い 集中制御より向上

プロセッサの種類と個 数

○要素技術の処理に必 要な計算機分

1つの高速なプロセ ッサ

複数のプロセッサ プロセッサの消費電力 ○要素技術の処理に必

要な計算機分

大きい 集中制御より向上 プロセッサの配置場所 ◎モジュール毎 胴体 胴体と各関節 プロセッサ間通信 ×考慮する必要あり 必要なし 考慮する必要あり ソフトウェア設計 ×複雑 比較的シンプル 複雑

ロボットの重量 ×増加 -

-本システムアーキテクチャに基づいたヒューマノイドロボットと従来のヒューマノイド ロボットとの違いは,腕ロボット,移動ロボット,頭ロボットなどの複数の要素技術からシ ステムを構成する点である.本アーキテクチャに基づく要素技術は,単体の自律ロボット として動作するために専用の機械部,電子部,ソフトウェア部を備え,ヒューマノイドロ ボットの一部としても動作する可能である.このような機能別ロボットの組み合わせでシ ステムを構成するモジュール型ヒューマノイドロボットは,ユーザに対して自動車やパー ソナルコンピュータのように使用用途や環境に応じてシステムの構成や機能を変更できる 再構成機構を提供する.さらには,モジュール型ヒューマノイドロボットは,新たに開発 した機能・アルゴリズム・デバイスを備えた機能別ロボットをシステムへ容易に組み込む ことができ,従来のヒューマノイドロボットと比較して拡張性と柔軟性の高いシステムを 実現する.表5.3と表5.4は,提案する再構成可能なモジュール型ヒューマノイドロボット システムの特徴を示している.

しかしながら,モジュール型ヒューマノイドロボットを実現するためには,下記に挙げ る問題点を解決する必要がある.

5. 提案・設計方針 5.4. 前提条件

問題点(1):制御アルゴリズムのモジュール型ヒューマノイドロボットへの適用

全身運動

モジュール間通信(体内LAN)

問題点(2):ヒューマノイドロボットの再構成機構

制御ソフトウェアの管理 モジュールの管理

モジュールロボットの欠点である重量の増加への対応

そこでまず初めに,問題点(1)を解決する手法を提案し,ヒューマノイドロボットの制 御アルゴリズムを並列分散処理化することが可能なのか検討する.その検討結果上に再構 成機構を設計することで,再構成可能なモジュール型ヒューマノイドロボットを実現する.

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