第 6 章 実規模における DEM 解析
6.2 実規模における鏡吹付けモデルの DEM 解析
6.2.3 解析結果 (DⅡ地山)
図 6.16に全断面掘削工法である直壁型切羽,曲面切羽(円型切羽,楕円型切羽,円弧型 切羽)の4ケースの変位図を示す.変位図のカラースケールは最小値0mm,最大値20mm とした.なお,表示の変位量は0ステップからの変位増分を示す.
図 6.17に全断面掘削工法である直壁型切羽,曲面切羽(円型切羽,楕円型切羽,円弧型 切羽)の 4 ケースの接触圧図を示す.接触圧図は,地山の応力状態を示している.接触圧 図のカラースケールは最小値0N/mm2,最大値0.5N/mm2とした.
直壁型切羽では,切羽中央付近で切羽近傍地山が鏡吹付けを押し出すように変位する.
また接触圧図をみると,変位が生じている中央付近で鏡吹付けに引張がでており,その背 面の地山は接触圧が0N/mm2以下になっており,地山内の力が抜け,緩み領域が発生してい る.切羽面に変位は生じているが,地山を掘り込んでいないため,鉛直方向への変位は少 なく,地山内は地表面に達するほどの変位は生じていない.最大切羽面変位量は,13.18mm となっている.
円型切羽では,鏡吹付けのアーチ効果による耐力で地山からの押し出しに耐えたと考え られ,直壁型切羽に比べ鏡吹付けモデルが機能していることがわかる.これは接触圧図を みても,鏡吹付けに大きな接触圧が作用しており,アーチ効果が確認できる.他の形状と 比較して,切羽面の変位は最も小さく,最大切羽面変位量は10.05mmである.オーバーハ ング状態になる部分が広いため,鉛直方向変位は大きく,地表面まで広い範囲で変位は進 行する.
楕円型切羽では,円型切羽と同様に鏡吹付けモデルがアーチ効果による耐力で地山から の押し出しに耐えたと考えられ,鏡吹付けモデルが機能していることがわかる.しかし,
弱部となる中央付近で円型切羽より大きな変形が生じる.最大切羽面変位量は12.95mmで ある.
円弧型切羽では,円型切羽,楕円型切羽と同様に鏡吹付けモデルのアーチ効果による耐 力で地山からの押し出しに耐えたと考えられ,鏡吹付けモデルが機能していることがわか る. しかし,円型切羽と比較して,曲率が小さいため,切羽面で大きな変位が生じる.そ の範囲は楕円型切羽より小さい.最大切羽面変位量は12.47mmである.
118
図 6.16 実規模の鏡吹付けモデル(地山等級 DⅡ) 変位図 左図:初期状態,右図:最終ステップ時(t=2.0sec)
a) 直壁
b) 円
c) 惰円
d) 円弧
119
図 6.17 実規模の鏡吹付けモデル(地山等級 DⅡ) 接触圧図 左図:初期状態,右図:最終ステップ時(t=2.0sec)
a) 直壁
b) 円
c) 惰円
d) 円弧
120