生後
21
および77
日のいずれの剖検においても, 脳重量を測定した。全ての動物はエーテ ル麻酔下で腹大動脈切断による放血致死により安楽死させた。尿中コチニン濃度測定
尿中のコチニン濃度を測定するために分娩後
19
日(生後19
日)に母動物および子動物 から新鮮尿サンプルを採取した。解析は,
母動物およびその子動物の両方からサンプルを採 取できた各群5
例を対象とした。10 μL
の尿サンプルをcotinine direct ELISA kit (Calbiotech Inc., Spring Valley, CA, USA)を用いて反応させ,
マイクロプレートリーダーSynergy™ HT(Bio-Tek Instruments Inc., Winooski, VT, USA)を用いて 450 nm
の波長で吸光度を測定した。ホルモン測定
全ての母動物および各群
8
例の雄子動物(各腹1
匹の雄)について生後21
および77
日 にエーテル麻酔下で開腹し,
腹大動脈から血液を採取した。遠心分離(1,600 × g, 10
分)に より, 血清試料を採取し, thyroid-stimulating hormone (TSH), triiodothyronine (T3)および thyroxine (T
4)を DPC IMMULYZE (Siemens Healthcare Diagnostics Inc., Deerfield, IL, USA)を用
いて化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法, chemiluminescent enzyme immunoassay method)に より測定した。免疫組織化学的解析およびアポトーシスの検索
生後
21
日および77
日の各ステージ各群10
または12
匹の雄子動物(各腹1
または2
匹 の雄)の脳をブアン液に固定した。大脳のBregma
の後方約-3.0 mm(生後21
日)および3.5 mm
(生後77
日)の1
カ所で冠状割面を作製してパラフィン包埋し, 3 μm厚の連続切片を 作製した。抗ウサギ
Dcx
抗体(doublecortin, rabbit IgG, 1:1000, Abcam),
抗ウサギTbr2
抗体(T box
60
brain 2, rabbit IgG, 1:500, Abcam),
抗マウスGFAP
抗体(glial fibrillary acidic protein, clone GA5, mouse IgG1, 1:200, Millipore Corporation),
抗ウサギTUC4
抗体 (Dihydropyrimidinase like 3,rabbit IgG, 1:1000, Millipore Corporation, Temecula),
抗マウスReelin
抗体(clone G10, mouseIgG1, 1:1,000; Novus Biologicals, Inc.),
抗マウスNeuN
抗体(neuron-specific nuclear protein,clone A60, mouse IgG1, 1:100, Millipore Corporation, Temecula
),
抗マウスGAD67
抗体(
glutamic acid decarboxylase 67, clone 1G10.2, mouse IgG2a, 1:50, Millipore Corporation
)およ び抗マウスproliferating cell nuclear antigen
抗体(PCNA, clone PC10, mouse IgG2a, 1:200, Dako
) と一晩(4
℃)反応させ, 3,3’-diaminobenzidine/H
2O
2発色を用いてABC
法(Vector Laboratories
Inc.)による免疫染色を行った。なお, Tbr2
についてはクエン酸緩衝液(10 mM, pH 6.0)を用いたオートクレーブ処理(121 ◦C, 15分)により抗原の賦活化処理を行った。
生後
21
日の子動物について抗ウサギDcx
抗体と抗ウサギTbr2
抗体,
抗ウサギDcx
抗体 と抗ウサギTUC4
抗体および抗ウサギNAChRα7
抗体(nicotinic acetylcholine receptor alpha 7;
rabbit IgG, 1:200; Abcam)
と抗マウスNeuN
抗体による二重染色を実施した。なお, NAChRα7
はクエン酸緩衝液(10 mM, pH 6.0
)を用いたマイクロウェーブ処理(90 ◦C, 20
分)により 抗原の賦活化処理を行った。Tbr2, TUC4
およびNAChRα7
は3,3’-diaminobenzidine/H
2O
2発色 を用いてABC
法(Elite ABC kit, Vector Laboratories Inc.)により, DcxおよびNeuN
はVector RedAlkaline Phosphate Substrate Kit I (Vector Laboratories)の発色で ABC
法(ABC-AP kit, VectorLaboratories Inc.
)により行った。海馬歯状回の
SGZ
におけるアポトーシスの評価については, TUNEL
法(Apop Tag
®in situ apoptosis detection kit, Millipore Corporation
)による検出を行った。標本はヘマトキシリンにより対比染色を施した。
顆粒細胞の系譜である
Dcx, TUC4, Tbr2
およびGFAP
陽性細胞数, TUNEL陽性アポトーシ ス細胞数ならびに増殖細胞の指標であるPCNA
陽性細胞数についてはSGZ
における陽性細 胞数の検索を行った (Fig. 1-2)。成熟後の顆粒細胞の検索については顆粒細胞層における陽性細胞数の検索を行った。
61
GABA
性介在ニューロンに発現する分子のReelin
および成熟ニューロンの指標であるNeuN
およびGAD67
については, 海馬歯状回門における陽性細胞数の検索を行った。NAChRα7
はニコチンの標的となることが報告されている(73)。したがって, SGZにおけるニューロン前駆細胞に対するコリン性の刺激の影響を検討するために, NAChRα7陽性 かつ
NeuN
陰性の細胞の検索を行った。顆粒細胞層におけるNeuN
陽性細胞はpostmitotic
の 顆粒細胞を示しており, SGZ
におけるNeuN
陰性細胞はニューロン前駆細胞を示している(
44
)。細胞数の計測は両側の海馬について100
倍の倍率で行った。これらの解析は
,
同じ個体(各ステージ各群10-12
匹の雄子動物,
各腹1
または2
匹の雄)の標本を用いて実施した。
Real-time RT-PCR
解析生後
21
日の剖検で得られた雄子動物(各群6
例)の海馬歯状回をメタカン固定液で固定 した(4 ◦C, 8
時間)(71
)後,
海馬を摘出し, −80 ◦C
でエタノール中に保存した。Table 4-2
に示した遺伝子について,
海馬組織中のmRNA
発現の定量解析を実施した。Chrna7およびChrnb2はニコチン性アセチルコリン受容体のサブタイプをコードする遺伝子, Dcxおよび
Dpysl3はニューロンの分化ステージ指標分子をコードする遺伝子, Pcnaは細胞増殖指標分
子をコードする遺伝子, Relnは
Reelin
をコードする遺伝子である。海馬組織から
RNeasy Mini Kit (Qiagen, Hilden, Germany)
を用いてtotal RNA
を抽出した。得られた
2
μg total RNA
についてcDNA
を合成した。PCR
反応はSYBR
®Green PCR Master
Mix (Applied Biosystems Inc., Foster City, CA, USA)
を用い, Prism 7000 Sequence Detection
System (Applied Biosystems Inc.)
にて, 製造元のプロトコールに従って実施した。用いたプラ イマー(Table 4-2)は, Primer Express software (Version 3.0; Applied Biosystems Japan Ltd.)を用 いて設計した。各遺伝子のmRNA
発現量は対照群での発現値に対する相対値として求め, 内 因性コントロールとしてbeta actin (Actb) gene
の検量線を求め, 2–ΔΔCTmethod
(48)にて算出 した。62
ドキュメント内
ニューロン新生に着目した化学物質の発達期神経毒性評価法の確立に関する研究
(ページ 60-63)