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曝露を行い海馬
SGZ
における細胞増殖とアポトーシスならびに顆粒細胞の系譜の検索と歯 状回門におけるReelin
産生介在ニューロンの分布の検索を行った。その結果, マンガンの発 達期曝露はSGZ
のtype-3
細胞または未熟顆粒細胞の増加を示唆するDcx
陽性細胞の増加が 生後21
日で確認された。海馬歯状回門ではGABA
性介在ニューロンにおけるReelin
の上方 制御を反映したReelin
陽性細胞の増加が生後21
日で確認され,
これが顆粒細胞の分化異常 を示唆するDcx
陽性細胞の増加を引き起こしているものと推測された。いずれの影響も生 後77
日目には認められなかった。以上より,
マンガンの発達期曝露は子動物の海馬歯状回 の後期分化を標的としたニューロン新生への可逆的の影響を示すことが明らかとなった。第
3
章では, コリンエステラーゼ阻害作用のあるクロルピリフォスの神経発達毒性の有 無を明らかにし, その病理発生を基盤とした評価系を確立することを目的に, クロルピリ フォスの発達期曝露を行い,
海馬SGZ
における細胞増殖とアポトーシスならびに顆粒細胞 の系譜の検索と歯状回門におけるReelin
産生介在ニューロンの分布の検索を行った。その 結果,
クロルピリフォスの発達期曝露は生後21
日にSGZ
において増殖性のType-2
前駆細胞 の減少を示唆するPCNA
およびTbr2
陽性細胞の減少を引き起こした。いずれの影響も生後77
日目には認められなかった。したがって, クロルピリフォスの発達期曝露は子動物の海 馬歯状回の中期分化を標的としたニューロン新生への可逆的の影響を示すことが明らかと なった。第
4
章では,
コリン作動性神経毒であるニコチンの神経発達毒性の有無を明らかにし,
そ の病理発生を基盤とした評価系を確立することを目的に,
ニコチンの発達期曝露を行い,
SGZ
における顆粒細胞系譜の分布,
増殖およびアポトーシスならびに海馬歯状回門におけ るGABA
性介在ニューロンを検索した。その結果, 生後21
日にDcx
陽性細胞の増加とTUC4
陽性細胞の減少, さらに二重染色では, TUC4陽性/ Dcx陽性または陰性細胞の減少とTUC4
陰性/Dcx陽性細胞の増加ならびにTbr2
陰性/ Dcx陽性細胞の増加がみられたが, Tbr2陽性細 胞に変動はみられなかった。これら変化はtype-3
前駆細胞の増加と未成熟ニューロンの減 少を示唆する変化であった。また,SGZ
におけるTUNEL
陽性アポトーシス細胞およびPCNA
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陽性増殖細胞に変動はなく
,
顆粒細胞層のNeuN
陽性細胞数にも変動はなかったことから,
type-3
前駆細胞の増加および未成熟ニューロンの減少は, type-3前駆細胞から未成熟ニューロンへの分化の遅延による変化であると考えられた。歯状回門のニューロンでは成熟型の
GABA
性介在ニューロンの増加を示唆するGAD67
陽性GABA
性介在ニューロンとNeuN
陽 性ニューロンの増加が生後21
日にみられた。いずれの影響も生後77
日目には認められな かった。したがって,
ニコチンの発達期曝露は, type-3
前駆細胞から未成熟ニューロンへの 分化の遅延とそれに関連した成熟型のGABA
性介在ニューロンの増加を引き起こし,
いず れも可逆的であることが明らかとなった。以上, SGZにおける顆粒細胞系譜の分布, 増殖およびアポトーシスならびに海馬歯状回門 における
GABA
性介在ニューロンの分布の検索により, 発達神経毒性物質の標的細胞およ びその分化時期を明らかにすることが可能となった。また,
これらのエンドポイントは非特 異的な全身性の低栄養性脳発達遅延の影響は受けないものであった。今回の検討により,
メ カニズムの異なる神経毒性物質による新たな発達神経毒性が見出されたことで,神経毒性 物質はニューロン新生を標的とした発達神経毒性物質になりうると考えられた。さらに,
行 動学的な解析ではMn
およびCPF
曝露の影響を明らかにすることはできなかったが, 海馬歯 状回のSGZ
の観察ではニューロン新生への影響が検出され, 感度の高い有用な解析手段で あると考えられた。したがって, ニューロン新生評価手法は短期スクリーニングに適う発達 神経毒の新たなスクリーニング手法になり得ることが期待される。89
ドキュメント内
ニューロン新生に着目した化学物質の発達期神経毒性評価法の確立に関する研究
(ページ 87-90)