母動物への影響(実験1)
妊娠および授乳期間中ともに体重に有意な差は認められなかった(Fig. 2-3)。摂餌量では妊 娠期間中は有意な差はみられなかった
(Fig. 2-3)
。授乳期間では分娩後11
日に160
および800
ppm, 14
日に800 ppm, 17
日に160 ppm
で有意な差が認められたが,
いずれも軽微な変動であった
(Fig. 2-3)
。投与期間中(妊娠10
日から分娩後21
日まで)の母動物のMnCl
2·4H
2O
摂取 量は, 32 ppm
で4.05 mg/kg body weight/day, 160 ppm
で20.62 mg/kg body weight/day, 800 ppm
で105.14 mg/kg body weight/day
であった。なお, 実験2
におけるそれらは, 800 ppmで100.84 mg/kg body weight/day, 1600 ppm
で210.04 mg/kg body weight/day
であった。子動物の体重, 摂餌量, 外表分化および器官重量(実験
1)
子動物の体重
(Fig. 2-3),
摂餌量(Fig. 2-4),
外表分化(Table 2-3)
び生後21
ならびに77
日 の器官重量(Table 2-4)
のいずれにおいても影響は認められなかった。母動物および子動物の脳内
Mn
濃度(実験1)
暴露終了時(分娩後
21
日)の母動物の小脳中Mn
濃度では, 対照群と投与群の間に差は みられなかった(Fig. 2-5)
。生後21
日の子動物では, 160
および800 ppm
の小脳中Mn
濃度 が有意な高値を示した(Fig. 2-5)
。しかし,
生後77
日の子動物の小脳中Mn
濃度では,
対照 群と投与群の間に差はみられなかった(Fig. 2-5)
。血清中甲状腺関連ホルモン濃度(実験
2)
母動物では, T3
, T
4およびTSH
のいずれにおいても対照群と投与群の間に差はみられなか った (Fig. 2-6)。生後21
日の子動物では, 800および1600 ppm
のT
3およびT
4が有意な低値 がみられた。800 ppm
のTSH
は有意な高値を示したが1600 ppm
では差はみられなかった31
(Fig. 2-6)
。生後77
日の子動物では, T
3, T
4およびTSH
のいずれにおいても対照群と投与群の 間に差はみられなかった (Fig. 2-6)。行動学的解析(実験
1)
初期行動発達検査では
,
平面正向反射において雄の32 ppm
で有意な短縮が認められたが,
雌雄の
160
および800 ppm
ならびに雌の32 ppm
では差はみられなかった。空中正向反射では有意な低値が雄の
160 ppm
および雌雄の800 ppm
に認められた。瞳孔反射, Preyer
反射お よび疼痛反射に差はみられなかった(Table 2-5)
。握力測定では, 雄の
32
および160 ppm
で前肢の握力の低値がみられたが, 800 ppmでは差 はみられなかった。雌では, いずれにも差はみられなかった (Table 2-6)。複式水
T
迷路検査では, 800 ppm
において雄の1
日目の第1
試行の遊泳時間の有意な短縮,
雌の1
日目の第1
試行の遊泳時間およびエラー回数が有意な延長あるいは増加が認められ た(Fig. 2-7)
。詳細な一般状態観察
(Table 2-7, 2-8, 2-9),
機能検査(Table 2-10)
および自発運動量(Table
2-11)では,
対照群と投与群の間に差はみられなかった。SGZ
における免疫組織化学的解析(実験1)Dcx
の発現はSGZ
の多数の細胞質中に観察された(Fig. 2-8A)
。Tbr2
の発現はSGZ
の少数 の細胞核中に観察された(Fig. 2-8B)
。GFAP
の発現はSGZ
の少数の細胞質中に観察された(Fig. 2-8C)
。また, GFAP
はアストロサイトにも観察された。生後
21
日では, SGZのDcx
陽性細胞数の有意な増加が800 ppm
にみられた。Tbr2およびGFAP
陽性細胞数については, 対照群と投与群の間に差はみられなかった (Fig. 2-8)。生後
77
日では, SGZのDcx, Tbr2
およびGFAP
陽性細胞数のいずれにおいても対照群と投 与群の間に差はみられなかった (Fig. 2-8)。32
海馬歯状回門における免疫組織化学的解析(実験1)
Reelin
の発現は海馬歯状回門中のニューロンの細胞質中に観察された (Fig. 2-9A)。NeuNの発現は海馬歯状回門中のニューロンの細胞核中に観察された (Fig. 2-9B)。また, 顆粒細胞 の核と細胞質の両方にも発現がみられた。GAD67の発現は海馬歯状回門および顆粒細胞層 に散在するニューロンの細胞質中に観察された
(Fig. 2-9C)
。生後
21
日では,
海馬歯状回門中のReelin
陽性細胞数の有意な増加が800 ppm
にみられた。NeuN
およびGAD67
陽性細胞数については,
対照群と投与群の間に差はみられなかった(Fig. 2-9)
。生後
77
日では, 海馬歯状回門中のReelin, NeuN
およびGAD67
陽性細胞数のいずれにおい ても対照群と投与群の間に差はみられなかった (Fig. 2-9)。SGZ
におけるアポトーシスおよび細胞増殖(実験1)生後
21
および77
日のいずれにおいても, SGZ
のTUNEL
陽性アポトーシス細胞およびPCNA
陽性細胞では対照群と投与群の間に差はみられなかった(Fig. 2-10)
。Real-time RT-PCR
解析(実験1)ニューロン発達関連分子の転写産物レベルを調べるために, 生後
21
日における子動物の 海馬のDcx, Neurod1, Pax6およびDpysl3のmRNA
レベルをreal-time RT-PCR
により解析し たが,
いずれも転写産物レベルの変動はみられなかった(Table 2-12)
。さらに, Reelin
関連分 子の転写産物レベルを調べるために,
生後21
日における子動物の海馬のReln, Vldlr, Lrp8 お よびDab1のmRNA
レベルを解析したが, いずれも転写産物レベルの変動はみられなかった(Table 2-12)。
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ドキュメント内
ニューロン新生に着目した化学物質の発達期神経毒性評価法の確立に関する研究
(ページ 31-34)