62
63
結 果
母動物への影響
体重では
50 ppm
で妊娠19
日から分娩後21
日まで有意な低値がみられた (Fig. 4-1)。摂餌量では
50 ppm
で妊娠7
日から分娩後21
日まで低値を示し,
多くの時点で有意差も認められた。なお
, 2 ppm
で分娩後1
日に有意な低値がみられたが,
用量反応性のない変化であり,
一過性の変動であった
(Fig. 4-1)
。摂水量では10
および50 ppm
で妊娠7
日から分娩後21
日ま で低値を示し, 50 ppm
では多くの時点で, 10 ppm
では散発性に有意差が認められた(Fig.
4-1)。
投与期間中(妊娠
6
日から分娩後21
日まで)の母動物のニコチン塩摂取量は2 ppm
で0.26 mg/kg body weight/day, 10 ppm
で1.31 mg/kg body weight/day, 50 ppm
で5.66 mg/kg body weight/day
であり,
ニコチンフリー体に換算した摂取量は2 ppm
で0.091 mg/kg body
weight/day, 10 ppm
で0.46 mg/kg body weight/day, 50 ppm
で1.98 mg/kg body weight/day
であっ た。子動物の体重, 摂餌量および脳重量
体重では
50 ppm
の雌雄で生後からほとんどの時点で有意な低値がみられた。2および10
ppm
では雄で有意な低値が散見された(Fig. 4-2)
。摂餌量では
2 ppm
以上の投与群で低値がみられ,
雄では多くの測定時点,
雌では散発性に 有意差も認められた(Fig. 4-2)
。脳重量では生後
21
日に絶対重量の有意な低値と相対重量の有意な高値が50 ppm
の雌雄 にみられた。生後77日では絶対重量の有意な低値が50 ppmの雌雄にみられた (Table 4-3)。母動物および子動物の尿中コチニン濃度
分娩後
19
日(生後19
日)における母動物および子動物の尿中コチニン濃度は,
用量に応64
じた有意な増加が各ニコチン投与群で認められた
(Table 4-4)
。血清中甲状腺関連ホルモン濃度
母動物では
T
3, T
4およびTSH
のいずれにも有意な差はみられなかった (Fig. 4-3)。子動物 では,
生後77
日において血清中T
4濃度の有意な増加が2 ppm
以上の投与群にみられた。他 に, T
3濃度の有意な増加が10 ppm
でみられたが, 50
および2 ppm
では変化はみられなかった(Fig. 4-3)
。SGZ
における顆粒細胞の分化系譜生後
21
日ではSGZ
のDcx
陽性細胞数の有意な増加が10
および50 ppm
にみられた。TUC4
陽性細胞数では2 ppm
で有意な減少がみられた。10
および50 ppm
では減少傾向がみられた が,
有意差は認められなかった。Tbr2
およびGFAP
陽性細胞数については,
対照群と投与群 の間に差はみられなかった(Fig. 4-4)
。生後
77
日ではSGZ
のDcx, TUC4, Tbr2
およびGFAP
陽性細胞数のいずれにおいても対照群と投与群の間に差はみられなかった (Fig. 4-4)。
さらに, これらの変動をより詳細に検索するために実施した二重染色では, TUC4と
Dcx
の二重染色においてTUC4
陽性/Dcx陽性細胞およびTUC4
陽性/Dcx陰性細胞の有意な減少 とTUC4
陰性/Dcx
陽性細胞の有意な増加が2
および10 ppm
にみられた。50 ppm
でも同様 の傾向がみられたが,
有意差は認められなかった。Tbr2
とDcx
の二重染色では, Tbr24
陰性/Dcx
陽性細胞の有意な増加が50 ppm
にみられた(Fig. 4-5)
。SGZ
におけるアポトーシスおよび細胞増殖と顆粒細胞層の成熟ニューロン生後
21
および77
日のいずれにおいても, SGZのTUNEL
陽性アポトーシス細胞およびPCNA
陽性細胞に変動はみられず, 顆粒細胞層のNeuN
陽性成熟ニューロンについても変化 はみられなかった(Fig. 4-6)
。65
ドキュメント内
ニューロン新生に着目した化学物質の発達期神経毒性評価法の確立に関する研究
(ページ 63-66)