新たな遺伝子組換え作物の野外実験などのためのUSDAに対する環境への放出の許 可・届出は1998年まで一貫して増加した後、99年、2000年とわずかに減少したが、2001 年は再び上昇に転じ、1,189件に達した。2002年はほとんど前年と変わらなかったが、2003 年は前年に比べ 200 件ほど減少している(最終値ではないため、865 件よりは若干増加す る見込みである。)。
(表Ⅲ-1) 環境への放出の許可・届出件数の推移(2004年1月27日現在)
9 18 38 58 107 161 374
608
706 654 808
1206
10611012
1189 1185
865
0 200 400 600 800 1000 1200 1400
87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 年
件
(出所)USDA
2002年、2003年の環境への放出の申請件数を作物別に見ると、トウモロコシが圧倒的に 多く、全体の約6割を占めている。トウモロコシに次いで多いのは、変動があるが、綿花、
大豆、アルファルファ、小麦である。2001 年と比較すると、作物の種類数が 13 種から、
2002年、2003年はそれぞれ20種と増加しており、ある作物で定着した技術を他の作物に 応用するなど、遺伝子組換えの裾野が広がってきている様子がうかがえる。
特性別に見ると、トウモロコシでは、2001年には害虫抵抗力のものが半分近くを占めて いたが、2002年、2003年は、除草剤耐性や品質改善のものが増加してきている。大豆でも、
以前は除草剤耐性のものが多かったが、2002年、2003年ともに、品質改善のものが最も多
くなっている。小麦、アルファルファでは除草剤耐性のものが多いが、小麦については、
品質改善のものも増えてきている。遺伝子組換え技術の進展に伴い、害虫抵抗性や除草剤 耐性といったいわゆるインプット面の改良から、例えば有用な成分を多く含んだ品種など いわゆるアウトプット面の改良が進み始めていることがうかがえる。
(表Ⅲ-2)2002 年の作物・特性別環境への放出申請件数 害虫
抵抗力 除草 剤耐性
品質 改善
作 物 栽 培特性
マーカー ジーン
菌類 抵抗力
ウイルス 抵抗力
バクテリア 抵抗力
その他 合計 トウモロコシ 344 184 136 70 35 6 1 30 654
綿花 56 32 5 2 93
大豆 10 13 29 8 12 1 7 64
アルファルファ 61 1 1 1 64
コヌカグサ 35 2 5 41
小麦 21 7 4 1 6 3 41
トマト 4 3 13 5 4 1 2 24
コメ 1 12 3 1 1 1 1 18
タバコ 3 8 1 4 2 18
ジャガイモ 1 7 1 1 8 15
ナタネ 1 5 4 2 12
ポプラ 3 5 1 2 2 1 11
サトウキビ 4 4 1 2 6 10
ビート 8 1 9
エンドウ 3 5 6
大麦 1 3 1 3 6
レタス 2 1 2 5
リンゴ 1 4 4
パパイヤ 1 3 1 3
ピーナッツ 1 1 2 4
合計 427 387 217 102 48 42 32 2 43 1,102
(注)1 重複した特性を有するものもあるため、合計欄の数字と個々の欄の合計は一致 しないことがある。
2 当該年の申請案件のうち、取り下げられたか、不許可になったものは除いてる。
(出所)USDA
(表Ⅲ-3)2003 年の作物・特性別環境への放出申請件数
害虫 抵抗力
除草 剤耐性
品質 改善
作物栽 培特性
マーカー ジーン
菌類 抵抗力
ウイルス 抵抗力
バクテリア 抵抗力
線虫 抵抗力
その他 合計
トウモロコシ 136 105 128 42 34 4 21 365
大豆 12 30 37 18 2 6 2 1 9 80
綿花 18 35 1 2 67
アルファルファ 51 1 52
小麦 26 10 6 12 54
コメ 1 4 15 1 2 1 1 26
ビート 17 2 19
ジャガイモ 7 3 1 1 7 15
ナタネ 1 5 6 12
トマト 2 5 2 1 2 12
コヌカグサ 12 2 1 12
タバコ 1 2 1 3 2 1 2 12
大麦 3 1 3 6
モミジバフウ 1 3 4 6
ポプラ 4 3 1 5
ケンタッキー ブルー グラス
5 4 5
パパイヤ 4 1 5
サトウキビ 2 1 3
レタス 2 2
サフラワー 2 1
合計 177 288 203 98 47 42 19 3 1 36 1,102
(注)1 重複した特性を有するものもあるため、合計欄の数字と個々の欄の合計は一致 しないことがある。
2 当該年の申請案件のうち、取り下げられたか、不許可になったものは除いてる。
(出所)USDA
また、USDAの規制からの除外申請は、1994~1997年は年間10件を越えていたもの の、このところ、2001年は7件、2002年は4件、2003年は8件と、1桁台にとどまって いる。
2003 年に申請された 8 件については、すべてペンディングまたは検討中であり、2004 年2月17日現在、認められたものはない。2002年に申請された4件については、1件が 承認され、2件がペンディングまたは調査中、1件が取下げとなっている。一時期、企業側 からの申請の取下げが目立っていたが、2001年に申請されたものを見ると、7件中5件が 承認されており、取り下げられたのは1件だけであった(1件はペンディング)。
2001 年または2002 年に承認された案件について、承認に要した期間を見ると、最短の もので1年1カ月、最長のもので1年11カ月となっており、多くのものが1年4~5カ月 程度で承認に至っている。
(図Ⅲ-1)年別規制からの除外の申請件数
2 2
10 16
11 14
9
6 6 7
4 8
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18
92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03
年 件
(出所) USDA
FDAとの協議を終了したものは、1995年から1998年にかけては10件前後あったが、
99年以降は年間2件または3件と減少しており、2003年は0件だった。
(図Ⅲ-2 年別の FDA による協議終了件数)
1
14 11
6 13
3 3
2 2
0 0 2 4 6 8 10 12 14 16
94 95 96 97 98 99 00 01 02 03
年 件
(出所)FDA
FDAとの協議を終了したものの内容を見ると、2001年はコーン・ルート・ワームに耐 性を有するBtトウモロコシと除草剤耐性も有するBtトウモロコシの2品目、2002年は、
Bt綿花と除草剤耐性のカノーラの2品目となっている。
2002年にFDAとの協議を終了したもの
企業名 作物名 たんぱく質、遺伝子 遺伝子供与体 持性 Monsanto Oilseed
rape (Canola)
5-Enolpyruvylshikimate-3-phosphate synthase (EPSPS); Glyphosate oxidoreductase (GOX)
Agrobacterium sp. Strain CP4, Ochrobactrum anthropi strain LBAA
Tolerance to the
herbicide glyphosate
Monsanto Cotton Cry2ab; Cry1ac Bacillus thuringiensis subsp.
kumamotoensis, Escherichia coli transposon, Tn5
Resistance to
lepidopteran insects
(出所)FDA
2001年にFDAとの協議を終了したもの
企業名 作物名 たんぱく質、遺伝子 遺伝子供与体 持性 Monsanto Corn Modified Cry3Bb1 Bacillus thuringiensis
subsp. kumamotoensis
Resistance to
Coleopteran insects, including corn rootworm Dow
AgroScienc es LLC
Corn Cry1F protein;
Phosphinothricin acetyltransferase (PAT)
Bacillus thuringiensis, Streptomyces
viridochromogenes
Resistance to
certain lepidopteran insects; tolerance to the herbicide glufosinate
(出所)FDA