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ラウンドアップレディ小麦をめぐる動き

ドキュメント内 <米国の遺伝子組換え農作物・食品の現状> (ページ 37-41)

2002年にFDAとの協議を終了したもの

企業名 作物名 たんぱく質、遺伝子 遺伝子供与体 持性 Monsanto Oilseed

rape (Canola)

5-Enolpyruvylshikimate-3-phosphate synthase (EPSPS); Glyphosate oxidoreductase (GOX)

Agrobacterium sp. Strain CP4, Ochrobactrum anthropi strain LBAA

Tolerance to the

herbicide glyphosate

Monsanto Cotton Cry2ab; Cry1ac Bacillus thuringiensis subsp.

kumamotoensis, Escherichia coli transposon, Tn5

Resistance to

lepidopteran insects

(出所)FDA

2001年にFDAとの協議を終了したもの

企業名 作物名 たんぱく質、遺伝子 遺伝子供与体 持性 Monsanto Corn Modified Cry3Bb1 Bacillus thuringiensis

subsp. kumamotoensis

Resistance to

Coleopteran insects, including corn rootworm Dow

AgroScienc es LLC

Corn Cry1F protein;

Phosphinothricin acetyltransferase (PAT)

Bacillus thuringiensis, Streptomyces

viridochromogenes

Resistance to

certain lepidopteran insects; tolerance to the herbicide glufosinate

(出所)FDA

① ラウンドアップレディ小麦の食品および飼料としての安全性、環境上の安全性が示 された上で、米国、カナダ、日本の規制当局の承認を受けること。

② 規制当局による適切な承認、混入に関する許容限度の設定やマーケットの合意が主 要輸出市場において行われること。

③ 適切な穀物取扱いに関する取決め、標準化されたサンプリングや検査手法が開発さ れ、実施されること。

④ 包括的な作物栽培管理プログラムと最良のマネージメント手法が開発されること。

⑤ 穀物の最終用途における品質の基準に適合するか、それを超える品種であること。

⑥ バイオテクノロジーを用いた小麦を購入し、使用する購入者が特定されること。

(モンサント社のパンフレットより抜粋)

ジェトロ・シカゴセンターで2004年2月にモンサント社の産業問題担当ダイレクター のドーン氏らにインタビューを実施した。以下は、その概要である。(一部、その後の問 い合わせなどに基づき、内容を追加、補正している。)

-ラウンドアップレディ小麦の導入にかかる方針について

「モンサント社では、ラウンドアップレディ小麦の導入に当たって、大きく分けて二 つの点がクリアされることが必要であるとかねてから公表している。一つは、食品およ び飼料としての承認が、米国、カナダ、日本から得られること、もう一つは、顧客が確 保され、IPハンドリングが確立されることである。」

-ラウンドアップレディ小麦の承認時期について

「USDA、FDA、EPAなど規制当局からの承認がいつ完全に得られるかについて、

モンサント社が予測をすることは適切ではない。我々は引き続き各機関と連絡を取り、

要求された情報を提供していきたい。現時点において、我々は、今穀物年度か次穀物年 度に、生産者に対してラウンドアップレディ小麦が販売されるとは考えていない。」

-日本の規制当局からの承認について

「日本における規制について必要な申請は2004年に行う予定である。ただし、モンサン ト社は環境面に関する安全確認申請はすでに2002年に農林水産省に提出している。昨年 は、食品安全委員会の創設を含め、日本のバイオテクノロジーに関する規制手続にはい くつかの変更があった。日本での規制関連の申請は、米国での申請と連携して行うこと が我々の標準的な手続であるため、米国での申請が適切な手続に乗るまで、日本で申請 を完了させるのを遅らせている。」

-非遺伝子組換え小麦のIPハンドリングについて

「まずはっきりさせておきたいのは、開発しているラウンドアップレディ小麦は、技 術的な理由から、春小麦のハード・レッド・スプリング(HRS)だけであるというこ とである。米国内で見ると、作付面積は冬小麦が多く、小麦の作付面積約 6,000 万エー

カーの中で、春小麦はノースダコタ州を中心とする1,500万エーカーに過ぎない。

また、小麦は元々タンパク質や水分の含有量に応じて細かくクラスが分かれており、

他の作物に比べて分別は進んでいる。

HRSは、トウモロコシや大豆に比べて取扱い業者が少ないため、IPハンドリング の基準作りも比較的スムーズにできる。具体的にどういうプロトコルが必要か協議を開 始したところである。」

インタビューの場では、モンサント社においても、日本にラウンドアップレディ小麦 が導入された場合の米国産非遺伝子組換え小麦の販売への影響を計りかねている様子で あった。商品化への最大の問題は、輸出市場がスムーズに米国産小麦を受け入れるかと いう点と、輸出市場への影響を恐れる小麦生産者がラウンドアップレディ小麦の導入を どうとらえるかという点にあると言えるだろう。

(2)生産者の反応

上に述べたように、最終的にラウンドアップレディ小麦の商業化が進むか否かは、輸 出市場の受入れのほか、小麦生産者がどうとらえるかにかかっている。

ラウンドアップレディ小麦の主な販売先となることが予想されるノースダコタ州では、

以前から遺伝子組換え小麦の受入れをめぐって議論が繰り広げられている。

2002年には、州議会下院において、遺伝子組換え小麦の栽培に関するモラトリアムを 決める法案が可決されたが、上院によって覆されている。生産者の間でも議論があるが、

輸出市場を失う懸念から遺伝子組換え小麦は栽培したくないという生産者が多数を占め ている。

ノースダコタ州の小麦および大麦の生産者からなるノースダコタ穀物生産者協会(N DGGA)は、利益をもたらす可能性のある商品の栽培を禁止するのは時期尚早との考 えから、モラトリアムには反対の立場をとっている。2003/2004年のバイオテクノロジー に関するNDGGAの政策決議は、以下のとおりとなっている。

バイオテクノロジーの研究は、偉大な将来を約束するものであり、米国の小麦産業は、

その発展を認識する。遺伝子組換え小麦の将来の商業化に備えて、我々は次のポジショ ンを取る。

① 米国の小麦産業は、我々の顧客の要望と選択が重要な考慮事項であるという原則を 取ることを約束する。我々は、我々の小麦の顧客が特定の特徴に基づいて購入をする 能力を有することを支持する。

② 我々は、バイオテクノロジー商品の商業化に先駆けて、実行可能な分別流通システ ムと検査プログラムが創設されるよう、産業のすべての分野とともに作業を行う。我々 は、技術の提供者に、国際的な規制の承認を得ること、商業化の前に顧客の容認を確

保することを強く要求する。

③ 我々は、国内的に、また、国際的に容認された遺伝子組換え商品(biotechnologically derived products)の定義を適用することを要求する。我々は、同時に、国際的に協調 の取れた科学的な基準と貿易のルールを要求する。

④ 我々は、価値があり関心を有する顧客を、新生のバイオテクノロジー産業とのパー トナーシップに我々とともに参加することに招待する。

また、同じ政策決議には、「NDGGAは、バイオテクノロジーを用いて操作された作 物から作り出された商品に対するいかなる表示の義務付けにも反対する」との事項が含 まれている。

つまり、遺伝子組換え作物が顧客にとって有益な特徴を持つ(例えば、特定の成分が 多く含まれる。)場合には、顧客がそれを選択する権利を持つことを支持するが、遺伝子 組換え作物を逆差別する可能性のある表示の義務化には反対する。また、顧客が非遺伝 子組換え小麦を支障なく購入できるような流通システムの構築に向け作業するが、最終 的に顧客が遺伝子組換え小麦を受け入れることに責任を有するのはあくまでも遺伝子組 換え小麦の開発者であるバイオテクノロジー企業との立場を取っている。

生産者としては、ラウンドアップレディ小麦に対する規制当局からの承認が下り、商 業化が可能となる数年の間に、モンサント社が中心となってどれだけ市場の受入態勢を 整えられるかを注視し、最終的に商業化を支持するかどうかを決めるという方針と考え られる。

ドキュメント内 <米国の遺伝子組換え農作物・食品の現状> (ページ 37-41)

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