• 検索結果がありません。

臼歯疑似モデルに対する脈波測定

第 3 章 反射型プローブを用いた歯髄活性診断システムの検討

3.2 臼歯疑似モデルに対する脈波測定

臼歯の構造を図3.19に示す。臼歯の歯髄は切歯と比較して大きいが、歯髄の位置は 深い位置に存在するため、信号が得られにくいという問題点が存在する。

臼歯に対して光を照射する場合、照射面は2つ考えられる。1つ目は咬合面、2つめ は側面である。

咬合面から光を照射する場合を考えると、歯髄が照射光の真正面に存在し、光の当た る面積も大きいため、歯髄の影響を受けやすい。しかし、歯牙表面から歯髄の距離が遠 いため、歯の減衰値の影響を受けやすく、信号が得にくい。

それに対し、側面から光を照射する場合を考えると、咬合面からの光照射と比較して 歯髄が浅い位置に存在するため、歯の減衰値の影響を受けにくく、信号が得られやすい。

しかし、歯髄が照射光の真正面に存在しないため、歯髄の影響を受けにくいという欠点 も存在する。

本研究では臨床での応用を考え、プローブの配置が容易である咬合面からの光照射に ついて検討を行う。

図3.19 臼歯の構造

側面

咬合面

- 38 -

臼歯疑似モデルを図3.20のように構築した。実験系は人工肺を用いた完全閉鎖系と し、切歯疑似モデルと同様に素線数37本のバンドルファイバを臼歯咬合面に5本配置 し、端の1本を照射用プローブとして使用、残りの4本を受光プローブとして使用した。

光源の波長は525 nmのパワーLEDを使用する。

また、切歯疑似モデルでは、切歯の歯髄腔を想定して内径1mmのシリコンチューブ を抜去歯に貫通させていたが、臼歯疑似モデルにおいては、臼歯の歯髄腔が切歯の歯髄 腔より大きいため、今回は内径2 mmのシリコンチューブを臼歯側面に空けた穴に貫通 させる。また、照射プローブに近い方から受光プローブに①~④の番号を付ける。

図3.21に実験結果を示す。図のように全ての受光プローブで脈波を得ることが出来 なかった。

図3.20 実験系

図3.21 実験結果

- 39 -

図3.20の実験系で脈波信号が得られなかった原因として、臼歯内の歯髄の位置が切 歯の歯髄位置よりも深くなったことにより歯牙での減衰が増大し、歯髄位置に届く光量 が少なくなり、それに伴い反射光も受光プローブに届きにくくなったと考えられた。

そこで、解決策として照射プローブの素線数を37本から123本に増加させ、照射光 強度を増大させることで脈波信号の検出を試みた。

実験結果を図3.22に示す。このように、照射光強度を増大させたことで、臼歯疑似 モデルにおいて脈波信号の検出に初めて成功した。また、3つの波長全てで③の位置で 脈波SN比が最大となることを確認した。つまり最適プローブ間隔は6.5 mmであるこ とが判明した。

切歯疑似モデルの測定では、波長470 nmで③の位置において脈波に乱れが生じ、測 定不能となってしまったが、本実験では照射光強度を増大させたために、波長による歯 牙減衰値の差が現れず、脈波信号の検出が可能になったと考えられる。

図3.22 3つの波長でのプローブ間隔とSN比の関係

- 40 -

3.3 生活歯の血流脈波測定

関連したドキュメント