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実験材料・方法

ドキュメント内 神経障害性疼痛の治療薬に関する研究 (ページ 46-49)

第三章 神経障害性疼痛への脊髄カンナビノイド CB 2 受容体の関与

3.1 実験材料・方法

本実験計画はファイザー株式会社 名古屋研究所の動物実験委員会にて審査された。その 後、承認されたプロトコールに基づいて本研究が実施された。

3.1.1 実験動物

雄性ddyマウスは、第一章と同様の動物を使用した。カンナビノイドCB2受容体knockout

(KO)マウスは、C57BL/6 系統を用い、Buckleyらの方法83)に従って作製した。

3.1.2 被験薬

カンナビノイドCB2受容体刺激薬のJWH133

((6aR,10aR)-3-(1,1-Dimethylbutyl)-6a,7,10,10a-tetrahydro-6,6,9-trimethyl-6H-dibenzo[b,d]pyran)

はSigmaより購入した。JWH133はDMSOに溶解させた。

3.1.3 神経障害性疼痛モデルの作製

第一章と同様に、マウスを用いてPSLモデルを作製した。

3.1.4 疼痛行動の評価

第一章と同様に実施した。

3.1.5 脊髄くも膜下腔内投与

脊髄カンナビノイド CB2受容体の神経障害性疼痛に対する効果を調べるため、被験薬を脊 髄くも膜下腔内に投与した。被験薬の脊髄くも膜下腔内投与は、Hylden及びWilcoxらの方法

84)に従って実施した。イソフルラン麻酔下、マウスを腹臥位とし、背部をバリカンで剃毛し た。腰椎部を指で保定し、第5腰椎と第6 腰椎の間にマイクロシリンジの針を挿入した。被 験薬を、5 μL/mouseの容量で、約1分間かけて投与した。

3.1.6 Total RNAの調製及び発現ベクターの作製

RNeasy® Mini kit(QIAGEN)を用いてマウス脳よりtotal RNAを取得した。Oligo(dt)12-18 primer(Invitrogen、Carlsbad、CA、USA)を用いてpoly(A)+ RNAを調製、SuperScript First Strand

Synthesis(Invitrogen)を用いて逆転写し、cDNA を合成した。カンナビノイド CB1及び CB2

受容体のcDNAは、Taq DNA polymerase及び下記プライマー(Table 3)を用いてPCRで増幅

した(PCRの条件は以下の通り)。核酸の塩基配列を確認するため、PCR産物は、TOPO™ TA

cloning kit(Invitrogen)を用いて、pcDNA2.1-TOPOベクターに挿入した。塩基配列の確認は

東洋紡ジーンアナリシスにて実施した。また、カンナビノイドCB1及びCB2受容体cDNAを

pcDNA3.1(+)ベクターに組み入れ、発現用ベクターを作 製した(mCB1/pcDNA3.1(+)及び

mCB2/pcDNA3.1(+))。

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PCR条件

(mCB1)

Step 1 96.0℃、5 min、1回

Step 2 96.0℃、30 sec、60.0℃、30 sec及び72.0℃、1 minのサイクルを30回繰り

返す (mCB2)

Step 1 94.0℃、2 min、1回

Step 2 94.0℃、15 sec、53.0℃、30 sec及び68.0℃、2 minのサイクルを33回繰り

返す

Table 3 The primer sets for PCR.

Genes Sense primer Antisense primer

CB1

5'-ACCATGAAGTCGATCTTAGACGG

C-3' 5'-TCACAGAGCCTCGGCAGA-3'

CB2

5'-GCCACCATGGAGGGATGCCGGG

AGAC-3' 5'-TCCAGCCAACCAGCATTCC-3'

3.1.7 細胞培養及びトランスフェクション

チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞をHam's F12 medium(10 % FBS、2 mmol/L%

HEPES、100 units/mL penicillin及び100 μg/mL streptomycin含有)で培養した。FuGENE6(Roche Applied Science、Indianapolis、IN、USA) を 用 い て 、 そ れ ぞ れ マ ウ ス カ ン ナ ビ ノ イ ド

CB1/pcDNA3.1(+)及び CB2/pcDNA3.1(+)をCHO 細胞にトランスフェクションし、カンナビノ

イドCB1及びCB2発現細胞を調製した。

3.1.8 cAMP評価

96ウェルプレートに、カンナビノイドCB1あるいはCB2受容体発現CHO細胞を、それぞ

れ5x103 cellsの濃度で播種した。次に、被験物質を溶解させたアッセイbuffer(20 mM HEPES、

1 mM 3-isobutyl-1-methylxanthine及び1 mg/mL BSA含有Ham's F12 medium)を添加し、15分 間インキュベーションした。その後、1あるいは10 μMホルスコリンを添加し、15分間イン キュベーションした。1% Triton X-100を添加して反応を停止させ、lysateを室温で60分間振 とうした。上清中のcAMP濃度は、HTRF-cAMP dynamic kt(CisBio International、Bedford、

MA、USA)を用いて測定した。

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3.1.9 実験プロトコール

本章での実験プロトコールをFigure 26に示す。

Protocol 8: 脊髄カンナビノイドCB2受容体の関与を調べるため、神経結紮2週間後に神経

障害性疼痛を発症したPSLマウスにJWH133を脊髄くも膜下腔内投与し、その0.5、1及び2 時間後に疼痛閾値を測定した。

Protocol 9: カンナビノイドCB2受容体KOマウス及びwild-typeマウスを用いた検討では、

神経結紮2週間後に神経障害性疼痛を発症したPSLマウスにJWH133を脊髄くも膜下腔内投 与し、その0.5、1及び2時間後に疼痛閾値を測定した。

Figure 26 Experimental protocols of CB2 agonist treatment for the neuropathic pain.

PSL; partial sciatic nerve ligation, PWT; paw withdrawal threshold, i.t.; intrathecal injection, CB2

KO; cannabinoid CB2 receptor knockout

3.1.10 統計処理

疼痛閾値は各群の中央値、25及び75%反応値を算出した。神経障害性疼痛の発症確認のた め、Sham/溶媒対照群とPSL/溶媒対照群(Figure 28)あるいはモデル作製前とモデル作製後

(Figure 29)の比較を、Mann-Whitney’s U-testで行った。JWH133の評価は、溶媒対照群と JWH133投与群で、Dunn’s test(Figure 28)、あるいはMann-Whitney’s U-test(Figure 29)で 行った。いずれの検定も有意水準は5%とした。

0.5 h PSL or sham

2 h 1 h

JWH133, i.t.

Protocol 8: Effects of i.t. administration of JWH133 on neuropathic pain in mice with PSL.

PWT measurement 2 weeks

PSL JWH133, i.t.

PWT measurement

2 weeks

Protocol 9: Effects of JWH133 on neuropathic pain cannabinoid CB2receptor knockout mice with PSL.

0.5 h 1 h 2 h

CB2KO mice Wild type mice

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