• 検索結果がありません。

実験材料・方法

ドキュメント内 神経障害性疼痛の治療薬に関する研究 (ページ 31-35)

第二章 神経障害性疼痛への TRPV1 チャネルの関与

2.1 実験材料・方法

本実験計画は、ファイザー株式会社 名古屋研究所及び帝人ファーマ株式会社 生物医学総 合研究所の動物実験委員会にて審査された。その後、承認されたプロトコールに基づいて本 研究が実施された。

2.1.1 実験動物

雄性SD系ラット(251-293 g、日本チャールスリバー)及び雄性ddy系マウス(第一章と 同じ)を用いた。ラットは、実験に使用するまで明暗サイクル 12 時間(明期 7:00-19:00)、

室温 23±2℃、湿度 55±15%の一定環境下で動物を飼育した。飼養中の動物には水及び固型飼

料を自由に摂取させた。

雄性ddy系マウスは、第一章と同様の環境下で飼育した。

2.1.2 被験薬

選択的 TRPV1 チャネル遮断薬の BCTC(N-(4-tertiarybutylphenyl)-4-(3-chloropyridin-2-yl)

tetrahydropyrazine-1(2H)-carbox-amide)はファイザー株式会社 名古屋研究所で合成あるいは

ENZO® Life Science(Farmingdale、NY、USA)から購入した。カプサイシン誘導体である

resiniferatoxin(RTX)はSigma(St Louis、MO、USA)から購入した。BCTCは、0.5%メチル

セルロース溶液/Tween80(95:5 v/v)に懸濁させ経口投与した。Resiniferatoxinは、エタノー ル/Tween80/生理食塩液(10/10/80 v/v/v)に溶解させ皮下投与した。

2.1.3 神経障害性疼痛モデルの作製

2.1.3.1 坐骨神経絞扼モデルの作製

神経障害性疼痛モデルでのTRPV1チャネルの分布を調べるため、ラットで文献報告の多い 坐骨神経絞扼モデル(chronic constriction injury、CCI モデル)を作製した43)。ラットを、ペ ントバルビタールナトリウム(60 mg/kg)腹腔内投与で麻酔した。左側大腿部中央の皮膚を 切開し、坐骨神経束を露出させた。4-0絹糸を用いて、当該神経束を4回結紮し、その後皮膚 を縫合した。偽手術(sham)は坐骨神経剥離まで行い、神経束を結紮せずに皮膚を縫合した。

2.1.3.2 PSLモデルの作製

第一章と同様に、マウスを用いて作製した。

2.1.4 疼痛行動の評価

CCIラットの疼痛行動の評価は、Fieldらの方法44)に従って実施した(Figure 17)。ラット を床面が格子状になった実験架台上に乗せ、約1 時間実験環境に馴化させた。その後、直径 の異なる12本のVFフィラメント(0.16、0.4、0.6、1、1.4、2、4、6、8、10、15及び26 g)

を用いてラット後肢足底を刺激した。刺激は、最も細い VF フィラメントから順に行った。

VFフィラメントをラットの後肢足底に約6秒間押し当て、逃避行動の有無を観察した。逃避

28

行動が認められた最小の VF フィラメント刺激を、そのラットの疼痛閾値(paw withdrawal

threshold、PWT)とした。疼痛閾値が2 g以下のラットを神経障害性疼痛発症と判定し、本実

験で疼痛モデルとして使用した。

PSLマウスの疼痛行動の評価は、第一章と同様に行った。

Figure 17 Schematic of measurement of paw withdrawal threshold (PWT) using von Frey (VF) filaments in rats.

2.1.5 免疫染色用組織標本の作製

CCIラットをペントバルビタールナトリウム(70-80 mg/kg)腹腔内投与により麻酔し、200

mLの100 mmol/L PBS(pH7.4)で経心的に灌流することにより、組織内の血液を除去した。

続いて、300 mLの4%パラホルムアルデヒド含有PBSで灌流固定した。灌流固定後、腰部脊 椎を切り出し、第四及び第五腰椎部(L4及びL5)の後根神経節(DRG)を単離し、4%パラ ホルムアルデヒド含有 PBS で一晩固定した。次に、10、15 及び 20%のスクロース含有 PBS の順に、組織を浸漬させた。水溶性包埋剤のOCT compoundを用いて、液体窒素下で組織ブ ロックを凍結させ、凍結ブロックを作製した。この凍結ブロックからクリオスタットを用い て、8 μm の薄切切片を作製した。

2.1.6 免疫染色

一次抗体の非特異的反応を抑制するために、10% normal goat serum及び0.3% Triton X-100 を含むCAS BLOCK(ZYMED Laboratories、South San Francisco、CA、USA)(以下、blocking

buffer)で2時間処置した。その後、免疫蛍光染色を行った。下に示す一次抗体をblocking buffer

で希釈し、それぞれ室温で一晩反応させた。反応後、切片をPBSで洗浄した。その後、blocking

buffer で希釈した二次抗体を、室温で2時間反応させた。切片を PBSで洗浄後、カバーガラ

スで封入した。組織切片の観察は共焦点レーザー顕微鏡(LSM5 PASCAL; CarlZeiss、 Őberkochen、Germany)を用いて行った。

一次抗体

 goat anti-TRPV1 N-terminus(100倍希釈; Santa Cruz Biotech. Inc.、Santa Cruz、CA、USA)

 mouse anti-NF200(3000倍希釈; Sigma, St. Louis、MO、USA)

29 二次抗体

 rhodamine red-X conjugated donkey anti-goat immunoglobulin G(3 μg/mL; Jackson ImmunoResearch Lab. Inc.、West Grove、PA、USA)

 Alexa Fluor 488 conjugated donkey anti-mouse immunoglobulin G(3 μg/mL; Molecular Probes Inc.、Eugene、OR、USA)

2.1.7 組織学的解析

組織標本のTRPV1チャネル及びNF200(A線維マーカー)陽性細胞数を測定した。個々の 細胞径も測定し、後根神経節の神経細胞を、小型(< 25 μm)、中型(25-45 μm)及び大型(>

45 μm)に分類した45)

2.1.8 実験プロトコール

本章での実験プロトコールをFigure 18に示す。

Protocol 5: TRPV1チャネルの分布を調べるため、CCIラットを作製し、その2週間後に、

結紮側の腰部(L4-L5)後根神経節を採取した。

Protocol 6: BCTCの神経障害性疼痛に対する効果を調べるため、神経障害性疼痛を発症し

た結紮2週間後のCCIラットあるいはPSLマウスにBCTCを経口投与し、その1、2及び4 時間後に疼痛閾値を測定した。

Protocol 7: Resiniferatoxin(RTX)の神経障害性疼痛に対する効果を調べるため、神経障害

性疼痛を発症した結紮2週間後のCCIラットにRTXを皮下投与し、その1、4及び7日後に 疼痛閾値を測定した。

30

Figure 18 Experimental protocols of TRPV1 ligands treatment for the neuropathic pain.

CCI; chronic constriction injury of sciatic nerve, PSL; partial sciatic nerve ligation, RTX;

resiniferatoxin, PWT; paw withdrawal threshold, p.o.; per os, s.c.; subcutaneous injection

2.1.9 統計処理

疼痛閾値は各群の中央値で示した。また、25及び75%反応値を算出した。神経障害性疼痛 の発症確認のため、Sham/溶媒対照群と CCI/溶媒対照群あるいは PSL/溶媒対照群の比較を、

Mann-Whitney’s U-test(Figure 20及びFigure 22)あるいはWilcoxon’s test(Figure 24)で行っ た。BCTCの評価は、溶媒対照群とBCTC投与群で、Dunn’s test(Figure 20及びFigure 21)

あるいはDunnett’s test(Figure 22及びFigure 23)で行った。Resiniferatoxinの評価は、溶媒対 照群とresiniferatoxin群で、Mann-Whitney’s U-testで行った(Figure 24及びFigure 25)。いず れの検定も有意水準は5%とした。

1 h CCI or PSL or sham 0

4 h 2 h

BCTC, p.o.

Protocol 6: Effects of BCTC on neuropathic pain in rats with CCI or mice with PSL.

PWT measurement 2 weeks

Day 1

CCI or sham RTX, s.c. Day 4 Day 7

PWT measurement 2 weeks

Protocol 7: Effects of RTX on neuropathic pain in rats with CCI.

CCI 2 weeks

Protocol 5: Histopathological examination of dorsal root ganglion neurons in rats with CCI.

Sampling

31

ドキュメント内 神経障害性疼痛の治療薬に関する研究 (ページ 31-35)

関連したドキュメント