• 検索結果がありません。

SPGを

注射 し免疫化 したカイコ幼虫か ら描出した脂肪体を Glacc培地中で無菌的に培養 す ると誘導因子を添加しなくても培養開始直後か ら培地中に抗菌活性が検出され、その後 少なくとも И 時間まで抗菌活性の増加が観察された o8・ Ⅱ―り

oこ

れは一度、

SPGな

ど バクテリア感染のシグナルを受け取 り合成を開始 した脂肪体細胞は、その後誘導因子の刺 激が存在 しなくても継統 して抗菌性タンパク質の合成を行 うことを示している。無処理の 幼虫か ら描出した非免疫化脂肪体は、培地中に

SPGを

加えることで抗菌活性が誘導され た。 この結果は抗菌性タンパク質誘導に

SPGが

直接脂肪体細胞に作用 している可能性が 考 え られた。また、 この時誘導される抗菌性タンパク質には少なくともセクロピンとリゾ チームが含まれていた。セクロピン活性の 加vilroでの誘導にはラグタイムが認め られ、

セクロピン活性が培養開始か ら5〜

7時

間までは検出されないが、 リゾチーム活性は培養 開始直後よ り認め られた仰 g.Ⅱ‑3)。 バクテ リア感染によって初めて誘導されるセクロピ ンと異な り、 リゾテームは正常体液中にも存在 している 硲)。 これはリゾチーム発現系に おいて、バクテリア感染のシグナルを必要としない、誘導性 とは別の合成経路の存在する 可能性を示 している。Fayeら は 二 じ錮η ヵぉょびD/9甲加力 のセクロピン遺伝子上流域に 哺乳類 κ

Bエ

レメン トと相同性を示す10〜1lbpの調節エ レメン トの存在を明 らかとした

4

7う。 κ

Bェ

レメン トは多 くの哺乳類免疫系遺伝子に存在 し、転写因子であるNF―κ

Bの

結 合サイ トとして知 られている。その後、この κ

Bエ

レメン トは同じく ユ

ψヵ のアタ シン及びリゾチーム遺伝子 質)、 β.融ガ セクロピンA7の 及び B70に も見いだされ、

LPSや

プロテインキナーゼ

C活

性化剤であるホルボールエステルによって誘導された転写因子 が このエ レメン トヘ結合することが示されている79、 801。 セクロピンとリゾチーム遺伝子 上流域に共通 して この調節エ レメン トが存在す ることは、少なくとも誘導性のリゾチーム とセクロピンは転写調節機構を共有する可能性を示唆している。

恒常的に合成されるリゾテームはパクテリア感染に対する初期防御手段の一つと考えら れる。

UV照

射によ り殺菌 したバクテリア菌体を培地に加え 加 ソ,胞 で脂肪体を培養する と

SPG添

加の場合より少 し遅れるが、

SPGと

同様に高い抗菌活性の誘導が認め られた。

この結果は、抗菌性タンパク質誘導に血球によるバクテリアの貪食、分解は必ず しも必要 ではないことを示唆している。バクテリア菌体による誘導は脂肪体ヘバクテリア菌体が直 接桜触するとも考えられるが、グラム陽性菌の細胞壁には

PG層

外部にテイコ酸や共有結 合 したタンパク質成分などが突出して存在 し、

PG層

が直接脂肪体 と接触する可能性は低

いと考えられる。最 も考えられる可台と陛は、培養開始直後より脂肪体から分泌されるリゾ テームカシヾクテリアの細胞壁に働き

PGを

遊離させた結果、抗菌性タンパク質が誘導され た と考える方が適切である。 リゾチームは感染初対の抗バクテリアとしての働きのみ成 ら ず、抗謙陛タンパク質誘導にシグナル分子 として働く

PG断

片の生成に関与する可能性が 考え られる。 この可台B性を証明するには何 らかの形で リゾチーム活性を特異的に阻害した 条件で、同様にバクテリア菌体による誘導実験を検討する必要がある。

一般的に、バクテ リア感染に対する無脊椎動物の防御反応は非特異的な異物認識システ ムによるものと考え られていたが、少なくともカイコ抗菌性タンパク質誘導に関すれば、

誘導因子である

SPGの

構造に対 して高い特異性を示 し、キチンやキ トサン、

PGペ

プチ ド 単独あるいはそれ らの混合物では誘導されなかったことか ら、

PGの

基本ユニッ トである 糖鎖 とペプチ ドが結合 した構造が必要であると推測される。さらに、

Mヵ

セ′∫由来の

y℃

と B.紹 怒″Л‖μ 由来の

SPGで

は誘導効果に違いが認められたことか ら、産生器管である 脂肪体には

PG構

造の違いを識別するシステムが存在する可能性が明らかとなった。誘導 効果の低い

M′

滋EIs細胞壁

PGの

架橋部分にはリジンを含むペンタペプチ ドが存在するこ とか ら、この架橋構造が

PG認

識システムにとって妨げになると考えられる。しか し、Dllna

らの

M開

磁 脂肪体を用いた 加 ッ,施 での実験結果では

M「

/1ι′J細 胞壁 由来の

PGが

誘導 因子 として用いられ、高い誘導効果を示す ことが明 らかとなっている。この結果は同じ鱗 翅 目昆虫においても誘導因子 に対する認識システムの違いを反映しているのかもしれない。

誘導経路 の解明を目的とした実験 として、cclHincを用いた抗菌性タンパク質の誘導が最 近試み られている。胚や血球よ り樹立された細胞はバクテリア感染により生じる防御反応 を直接反映 しているとは考えにくいが、

Do輔

協 由来の‑2 ccllではバクテ リア成分 による抗菌性タンパク質誘導の発現が確認されている 割)。 この結果はカイコとは異なる 昆虫由来の細胞の示す結果ではあるが、少なくとも抗菌性タンパク質を合成する昆虫の細 胞 にはバクテ リア成分を認識 し、そのシグナルを細胞内に伝達するレセプター様の働きを するものが存在する可育〕陛が考えられる。さらに、本研究結果において示されたように

PC

構造特異的に抗菌性タンパク質が誘導されることか ら、B,PPtori脂肪体細胞に

PG構

造を認 識するレセプターの存在する可台Z陛が考えられる。

35

第 Ⅲ章

 

抗 菌性 タ ンパ ク質誘導 に必要なペプチ ドグ リカ ンの最小構造

1節 緒言

一般 的 に、哺乳類 でのバ クテ リア感染 によって起 こる発熱、炎症、睡眠誘起 、マク ロフ アー ジや リンパ球 の活性化 な ど様々な急性期生体反応 に、 グラム陰性菌細胞壁成 分で あ る リポ多糖(LPS)52.5a留〕と共 に、細胞壁

PGが

関与 して いる ことが知 られ て いる

8り。 また、

PGの

部 分構造 で あるア ジュバ ン トペ プチ ドは特定 の抗体産 生の賦活剤 と 知 られ て いる。

PGは

全 て のバ クテ リアに共通 して存在 す る細胞壁主要成 分で あ り、そ の基本構 造 はN一アセチル グル コサ ミン

(GluNAc)と

N―アセチル ム ラミン酸

(MurNAc)の

βぃ 1,4結合 か ら成 る糖鎖 と、ム ラミン酸 に結合す る短 いペプチ ド鎖か ら構成 されている。

ペ プチ ド鎖 には リジ ン残 基 あるいは meso‐ジア ミノ ピメ リン酸 (m̲Dap)が 存在 し、そ れ らの ε‐ア ミノ基 を介 し、隣接す るペ プチ ドの

C末

端 と架橋す る ことでバ クテ リア 細 胞壁 の網 目状構造 を形成 して いる。 グラム陰性菌 の場合 、その構造 は種 を通 じて ほ ぼ同 じで、

m̲Dapと

テ トラペ プチ ドの

C末

端で ある D―

Alaが

直接架橋 した、

DAPダ

イ レク ト型構造 を取 って いる。一方 、 グラム陽性菌 にはさまざまな架橋構造 を持つ も のが あ り、 プ リッジ と呼 ばれ る数個 のアミノ酸 を介 して架橋す るタイ プが多 い。

これ まで

Moishimaら

51)はヵィ コ抗菌性 タ ンパ ク質誘導 にお いて、 グラム陰性al‐

及び βαcゴ′′

"ぎ

用ι′ι′,,PPIなど、一 部の グラム陽性菌 に共通す る

m̲Dapダ

イ レク ト型 構造 を持 つ

PGに

高 い誘 導効果 が あ り、肱 ′′セ

"sのよ うにブ リッジに リジンを含む数 個 のア ミノ酸 を介 して架橋す る

PGで

は低 い誘導効果 しか無 い ことを明 らか に した。

この結果 はカイ コが ある特定構造 の

PGを

バ クテ リア侵入 の シグナル として認識 して いる ことを示 してお り、さ らに、前章で示 した結果か らも、 この

PG構

造 を認識 す る システムが抗菌性 タ ンパ ク質産 生器官 で ある脂肪体 に存在す る可能性 が考 え られ る。

今 まで にカイ コで知 られて いる

PG認

識 システム としては、カイ コフェノール オキ シ ダーゼ 系 にお ける

PG認

識 タ ンパ ク質(PGRP)が ある 60。 しか し、抗al‐性 タ ンパ ク質 の誘導が リゾチーム処理 して得 られ る低分子

PGに

よ って起 こるの に対 し、 このフェ ノール オキ シダーゼ系 のカスケー ドを活性化す る

PGは

高分子 で あ り、低分子

PGで

は活性化 されない。 また、実験 に用 い られている

PGは M′

"r¢μ∫由来 であ り、それ 以外 の

PG構

造 の特異性 についての知見 はない。改 に、 フェノールオキ シダーゼ系 と

抗菌性 タ ンパ ク質誘導系で はそれぞれ異なった

PG認

識 システムが働 いている可能性 が考 え られ る。

本章 では、カィ コ抗菌性 タ ンパ ク質誘導系 にお ける誘導 因子 としての

PCの

構造 と

誘導効 果 との相 関 を明 らか にし、誘導に必要な

PCの

最小構造 を決定す るため に糖 鎖 のみで結合 した直鎖状

PGを

調 製 し、 リゾチームで部分加水分解 す る ことによ り、 さ まざまな糖鎖長 の

PG断

片 を調製 しそれ らの誘導効果 を調べた。

37

関連したドキュメント