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付録

① 銅内包 CNT の超音波処理

S.Wang らの実験[62]を参考にして銅内包CNT の超音波処理を行い、超音波

照射による銅内包CNTの構造変化について検討した。実験方法を以下に示す。

2.1.2において作製した銅内包CNT 50 mg、濃度60%の濃硝酸50 mLを100 mL 丸底フラスコに入れ、超音波洗浄機(アズワン ASU-2)内に設置した。丸底 フラスコの先端にジムロート冷却器を取り付け、冷却水を流しながら超音波を1 時間30分照射した。超音波照射後、冷却水を流したまま1時間放置した。溶液 の酸を除去するために、溶液を遠沈管に入れて遠心分離機(KUBOTA 7780Ⅱ)を 用いて遠心分離を行い、上澄みを取り除いて蒸留水に置き換える操作を 5 回程 度行った。酸を完全に除去した溶液をサンプル瓶に移し、乾燥器(アズワン

DO-450A)を用いて100℃で一晩乾燥させた。乾燥後、サンプル瓶内に残ったも

のを試料とした。

図S1.1:超音波装置の概略図

ジムロート冷却器

銅内包CNT

超音波洗浄機

銅内包CNTを超音波処理した結果のTEM像を図S2(a‐c)に示す。TEM像 から内包銅の溶出、銅ナノ粒子が観察できた。また、わずかではあるが直径が 増加したCNTが観察できた。酸処理を行った場合と比べて、内包銅の溶出また は銅ナノ粒子の溶解が少ないことがわかった。

この結果から、銅内包CNTをテンプレートとしてPAHが吸着することで直 径が変化することが示唆される。

図S1.2:銅内包CNTを超音波処理した後のTEM像

(a) (b)

② 他の炭素材料を硝酸還流した場合の上澄み溶液の分析

銅内包 CNT を還流した場合との比較のため、様々な炭素物質(多層 CNT、

多層 CNT と銅粉末を混ぜたもの、熱処理した銅内包 CNT、炭素粒子、硫化銅

内包CNT)を用いて還流を行った。以下にそれぞれの上澄み溶液の光学写真、吸

光スペクトルを示す。

(ⅰ) 多層CNT、多層CNTと銅粉末を還流した場合

還流後のそれぞれの上澄み溶液の光学写真を図 S2.1、吸光スペクトルを図

S2.2、上澄み溶液を10倍に希釈した場合の吸光スペクトルを図S2.3に示す。

図S2.1 の光学写真から、多層CNT のみを還流した時の上澄み溶液は淡橙色 であり、多層CNTと銅粉末を還流した時の上澄み溶液は緑色であることがわか った。各上澄みの吸光スペクトル(図S2.2, 3)から、二酸化窒素由来の400 nm付 近の裾、硝酸イオン由来の200 nm、300 nm付近のピークが確認できた。また、

多層CNTのみを還流した場合を除いて、銅由来の800 nm付近のブロードなピ ークが確認できた。

図S2.1:還流後の上澄み溶液の光学写真

標準条件 多層CNT 多層CNT + 銅粉末

図S2.2:還流後の上澄み溶液の吸光スペクトル

200 400 600 800 1000

Ab sor bance (a . u.)

Wavelength (nm)

mwcntcu mwcnt standard

200 400 600 800 1000

Ab sor bance (a . u.)

Wavelength (nm)

mwcntcu mwcnt Standard

多層CNT + 銅粉末 多層CNT

標準条件

多層CNT + 銅粉末 多層CNT

標準条件

(ⅱ) 熱処理した銅内包CNTを還流した場合

還流後の上澄み溶液の光学写真を図S2.4、吸光スペクトルを図S2.5、上澄み 溶液を10倍に希釈した場合の吸光スペクトルを図S2.6に示す。

図S2.4 の光学写真から、銅内包CNT を熱処理した後還流した時の上澄み溶 液は黄緑色であることがわかった。上澄みの吸光スペクトル(図 S2.5, 6)から、

銅由来の800 nm付近のブロードなピーク、二酸化窒素由来の400 nm付近の裾、

硝酸イオン由来の200 nm、300 nm付近のピークが確認でき、as-grown銅内包 CNTを還流した場合と比べて、二酸化窒素由来の400 nm付近の裾が小さいこ とがわかった。これは、酸化されやすいアモルファス炭素などが熱処理によっ て減少し、発生する二酸化窒素が減少したためであると考えられる。以下に炭 素と硝酸の化学反応式を示す(式S2.1)。

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