5 システムの導入
5.3 System1 の導入
5.3.2 統合ソフトウェアの設計製作
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表 5.3-4 各ソフトウェアの名称及び用途(3)
ソフト名 概 要
SQL Server Microsoftが提供するスケーラビリティーに優れたリレーショナルデータベース
SQL Server 2000 は誰もが使える優れた操作性と、企業基幹システムのバック エンジ ンとして稼動するのに十分なパフォーマンスを同時に備えたデータベース システムで す。業務システムのバック エンジンとしてはもちろん、Web システムのバック エンジン やビジネス インテリジェンスのバック エンジンとしても優れた操作性とパフォーマンスを 提供します。
CoalGIS 石炭資源評価システム(意志決定支援システム)
NEDO (New Energy and Industrial Technology Development Organization)により開発 された石炭資源評価システム。地質、自然、社会等のデータを総合的に評価し、石炭資 源有望地域の抽出等を行う事が出来る意志決定支援システムである。 ArcGIS ベース のアプリケーションである。
CMA
(CoalMineAnalyst)
地質解析、地質モデリング、採掘モデルツール
ArcGIS エクステンションとして開発されたプログラム。ArcGISの全ての機能を使用でき る他、石炭地質解析に適した機能を搭載。データ変換から地質モデル(炭層、地形、断 層等)まで可能。また、炭量計算、Isopach 図面も作成可能。さらに採掘モデル(坑道設 計等)ツールも搭載。石炭鉱山開発計画の為の意志決定支援プログラムである。
143
表 5.3-5 統合ソフトウェアの設計、製作工程
平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度
設計 要件定義
基本設計 詳細設計
製作 プロトタイプの製作
プロトタイプの現地動作試験 本ソフトウェアの製作
本ソフトウェアの現地動作試験 エンハンス ソフトウェアのエンハンス
ソフトウェアの現地動作試験
5.3.2.2 ソフトウェアの基本設計
5.3.2.2.1 要件定義
システム開発に当たり、システムの目的を明確化すると共に、その目的を達成するのに 必要な手順や機能の基本的事項を定義することを要件定義と称し、システムを設計する上 では最初に行う作業である。今回の要件定義作業では、System1 の下記項目について、
System2で予定されている情報公開に対応可能なように要件定義を行った。
〈要件定義項目〉
・データベース
・管理機能
・利用機能
(1)データベース
システムを用いて石炭資源の解析評価を行う場合、データベース作成は最も重要な項目 であり、システムの機能を一連に動作させるためには、取り扱うデータは共通のデータベ ース上で一元的に管理されたデータにする必要がある。本調査で取り扱うデータの種類及 びそのデータ形式は、下記の通りとした。
①試錐データ ・データの種類
試錐位置データ、試錐岩相データ、試錐柱状図、試錐柱状対比図 ・データ形式
試錐位置、試錐岩相データは、エクセルまたはCSV(テキスト)形式のテーブル データとする。それらのテーブルデータより3次元モデルを作成できるようにす る。
試錐柱状図は、試錐岩相データより作成し、Auto CAD(DWG)形式のベクトル
144 データとする。
試錐柱状対比図は、地質技術者が試錐柱状図から作成した対比図ドラフトをもと に、それをAuto CAD形式のベクトルデータ化して作成する。
②露頭データ ・データの種類
露頭位置データ、露頭岩相データ ・データ形式
両データ共にエクセルまたはCSV(テキスト)形式のテーブルデータとする。そ れらのテーブルデータより3次元モデルを作成出来るようにする。
③石炭分析データ ・データの種類
試錐または露頭から採取された石炭分析データ。
分析項目は全水分、工業分析、発熱量、全硫黄、比重、HGI、元素分析、灰の成 分分析、灰の融点、組織分析、反射率
・データの形式
エクセルまたはCSV(テキスト)形式のテーブルデータとする。
④地形データ ・データの種類
等高線、河川、道路、集落等 ・データの形式
ドラフトをスキャニングすることによりGeo Tiff形式でデジタル化し、それをト レースすることによりGeodatabase形式のベクトルデータにする。
⑤炭層等深線データ ・データの種類
炭層毎の炭層等深線図 ・データの形式
地質技術者が作成したドラフトをスキャニングによりGeo Tiff形式でデジタル化 し、それをトレースすることによりGeodatabase形式のベクトルデータにする。
⑥断層コンターデータ ・データの種類
断層毎の断層等深線図
145 ・データの形式
地質技術者が作成したドラフトをスキャニングによりGeo Tiff形式でデジタル化 し、それをトレースすることによりGeodatabase形式のベクトルデータにする。
⑦地質モデルデータ
・データの種類
地形等高線、炭層等深線、断層コンター、アイソバリューマップ(炭厚、炭質)
・データの形式
地形等高線、炭層等深線、断層コンターデータは、まず上記の通りGeodatabase 形式のベクトルデータとし、次に ArcGIS を用いてグリッドデータに変換して地 形、炭層、断層モデルデータを作成する。作成したデータは、炭層露頭線図、3D 鳥瞰図の作成や炭量計算に使用する。
炭厚アイソバリューデータは、試錐岩相テーブルデータと炭層モデルデータを用 いてグリッドデータで作成する。作成したデータは炭量計算に使用する。
炭質アイソバリューデータは、石炭分析テーブルデータと炭層モデルデータを用 いて、グリッドデータで作成する。作成したデータは、平均品位の計算や炭量計 算に使用する。
⑧石炭関連情報データ
・データの種類
鉱区、自然環境、社会環境に関する種々のデータ
・データの形式
ArcGISに対応可能なデータ形式とする。
(2)管理機能
管理機能とは、データ作成機能及びシステム全体の管理機能のことであり、それらに必 要とする機能・要件は下記の通りとした。
①データ作成機能
・データスキーマ機能
スキーマ機能とは、データにフォーマット等の定義を与える機能及びシステム外 でデータを作成する場合に、ユーザーに定義フォーマットを発行する機能。
・データ読込(変換)機能
スキーマで定義されたデータをデータベースへインポートする際、空間データ変 換や属性データ演算を行う機能。
・モデリング機能
146
データベースへ収納したデータからグリッドデータを作成する機能。
②システム全体管理機能
・システム設定機能
システムメンテナンスやサービスパック等を行う機能。
・ユーザー管理機能
ユーザー区分を任意に設定出来る機能。なお、ユーザー区分は下記の通りとして 設計を進めた。
〈ユーザー区分〉
・システム管理者
・データ管理者
・データ作成者
・データ利用者A
・データ利用者B
・データ利用者C
・セキュリティー管理機能
ウィルス対策や外部からの侵入等に対する設定を行う機能。
・ライセンス管理機能
種々のソフトウェアのライセンスを一括管理する機能。
(3)利用機能
①炭量計算機能
インドネシア炭量計算基準による炭量計算機能。
②図面作成機能
ユーザーが任意に設定値を変更して各種の図面を作成する機能。
③成果品表示、編集機能
データベース内のモデルや作成した図面を表示する機能、及び作成された図面に対 してレイヤーの表示・非表示切替やシンボルの変更を行う編集機能。
④資源評価機能
データベース内のモデルに対し、種々のデータを追加してユーザーが独自に資源評 価を行うことが出来る機能。
⑤意志決定支援機能
データベース内のデータ及びユーザーが独自に作成したデータからユーザーが意志 決定をする場合(探査計画や開発計画の立案、インフラ整備計画の立案等)、それを 支援する機能。
147 5.3.2.2.2 基本設計
(1)データベースの設計
本システムはGIS技術をベースとして構築され、取り扱うデータも主にGIS化された デ ー タ で あ る 。 従 っ て 、 本 シ ス テ ム の デ ー タ ベ ー ス に は 、ArcGIS の 技 術 で あ る
Geodatabase形式を採用することとした。データベースの設計手順は下記の通りである。
〈データベース設計手順〉
・データフロー設計
・レイヤー設計
・データクラス設計
・データフィールド設計
①データフロー設計
どのデータがいつ作成、利用されるかを検討した結果、データフローは下記の通りと した。
〈データフロー〉
1)ロウデータ:報告書データ(ハードコピーデータ)
2)デジタル化ロウデータ:ロウデータをそのままデジタル化したデータ
3)ベーシックデータ:ArcGISで使用可能としたデータ
4)加工データ:ベーシックデータを解析し、新たに作成したデータ 5)基礎データ:完成品データ
6)公開データ:外部からアクセスするデータ
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デジタル化ロウデータ段階
基盤データ段階 公開データ段階(PowerUser)
加工段階 オリジナル データ
データセット
データ加工、編集、
座標系付加 コンバート、
スキャン・トレース フォーマット変換 ロウデータ段階
公開化
データセット データセット
公開データ段階(一般)
公開化
・この段階で指定した形式でコンピューターで取り扱える形 となっている。
・基本的にはオリジナルデータをそのままフォーマット変換 したものととらえてよい。
・データとしての誤り等も含まれる。
・作業単位としては抽象的な(ユーザーが頭で考える)プロ ジェクト単位となる。
・オリジナル段階のデータや基盤データを使用しつつ、デ ータ加工、解析等を行い新しいデータを作成する段階。こ の段階のデータは中間データ的なものとなる。
・この段階でオリジナル段階に存在したデータエラー等もF IXしていく。
Personal GDB
Personal GDB SDE SDE
データセット
・この段階のデータはDataManagerによって監修済みデー タとして本ジオデータベースの基本となるデータとなる。
・DataManager以外はこのデータにはアクセスできない。
・様々なPowerUserが利用できるデータの段階。
・基本的には基盤データから条件によってコピーされた複 製となる。
・物理的に基盤データ段階のジオデータベースと分離する かどうかは問わない。
・一般にデータを公開する段階。
・データへのアクセスはリードオンリー。
・物理的に基盤データ段階のジオデータベースと分離する かどうかは問わない。
・この段階ではデータは報告書(紙)や地図(紙)の形を取 ることが多い。
・報告書はこの段階でExcel等のデジタルに変換する必要 がある。
・地図のデジタル化は空間情報付加作業等があるのでオ リジナル段階までで行う。
SDE データセット データ修正
石炭資源関連データは直接更新する場合もある
中間成果物と最終成果物
ベーシックデータ段階
データセット
・この段階でArcGISで利用できる形となっている。
・当初はデータとしての誤り等も含まれる。
・作業単位としては抽象的な(ユーザーが頭で考える)プロ ジェクト単位となる。
Personal GDB
参照 データ修正
作成完了した後に 基盤データ化(upload)
参照
図 5.3-2 データフロー図
②レイヤー設計
GISでは、データをレイヤーとして取り扱うため、探査データ及び石炭関連情報デー タについて、各データのレイヤー設計を行った。