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本研究では石神井川・隅田川合流点周辺を対象としてスカムと水質のモニタリング 調査を行い,水質時空間変動とスカムの関連解析を行った.また,空気,河川水,底 泥の臭気分析を行うことによって,悪臭発生の原因を考察した.得られた結果は以下 の通りである.

1.空気・河川水・底泥の臭気特徴

全サンプルの臭気指数の平均が空気は 7.2,河川水は0.2,底泥は13.4であった.空 気と河川水の地点間の違いは小さかった.底泥は石神井川感潮域上流の臭気指数が最

も高く,18.5~25.7と非常に強い悪臭を放っており,主に硫化水素,硫黄系,有機酸系

が卓越していた.底泥の臭気指数と強熱減量度には相関があり,有機物量の多い地点 で嫌気性ガスの発生が活発に行われていることが考えられる.

2.合流部における塩水挙動

隅田川・石神井川合流点では小潮期に3つの塩分変動が見られ、隅田川下流から高 塩分・低DO塩水が遡上する時間帯、隅田川上流から低塩分・高 DO河川水が流下す る時間帯、くぼ地状の合流点付近に滞留している高塩分・低 DO 水が上げ潮の圧力波 によって往復振動する時間帯があった。特に、くぼ地塩水の挙動は石神井川にも影響 を及ぼしていた。

3.DOとスカムの関係性

スカム被覆率と DO は負の関係を示しており,DOが 4mg/L以上でスカム被覆率は

3%以下,スカム発生確率が12%に低下していた.したがって汚濁の目立たない河川環

境を維持するには,4 mg/lのDOを指標とすることが提案される.

4.スカム発生におけるリスク因子

統計分析の結果,スカム発生の主要因はDO であり,共変量として順に水温,水位,

塩分が有意なリスク因子であることが分かった.これら4つの変数は減少すると発生 リスクを上昇させる.低DO は嫌気分解を促進させること,低水位は水圧を減少させ 嫌気性ガスの気泡が増大することによって有機汚泥の浮力が増すこと,低塩分はメタ ン生成を活発にし,嫌気性ガス量を増加させることがそれぞれスカム発生を助長する 原因であることが考えられる.また,水温は上昇とともにガス発生速度が上昇すると されているが,本研究では日中に比べ明け方の発生が顕著であり,さらなる検討が必

108 要と考えられる.

5.スカム発生確率

有意なリスク因子であるDO,水温,水位,塩分を用いて,スカム発生確率モデルを 作成した結果,構築期間で80%,検証期間で65%の精度をもった.したがってこれら 4 つのパラメーターはスカム発生条件の約 7 割を表現する重要なファクターであるこ とが証明された.なお本研究の結果,降雨はスカム発生に対して直接的な要因とはな らなかったが,有機物の流入量や蓄積量,河床のせん断力は降雨と密接に関係があり,

将来これら降雨による間接的な情報を取り込むことができれば,スカム発生数値モデ ルを構築することができると考えられる.

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参考文献

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