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Na2SiF6:Mn2+黄緑色蛍光体は Na2Cr2O7·2H2O/HFの混合溶液の混合溶液に Siウエハー及 び片状Mnを浸漬する化学エッチング方式で作製された。粉末は白色(透明)であり、UV ライトまたは紫外レーザーで黄緑色発光を示す。SEM 画像からは断面が六角形をした細長 い結晶が観測された。断面の径はおよそ100 m程度であり、側面の径およそ400 mある ことが確認できる。XRD測定の結果、作製した黄緑色蛍光体はNa2SiF6三方晶のASTM card データと完全に一致していることが確認された。結晶構造は三方晶、格子定数はa = 0.8859

nm、c = 0.5038 nm、空間群は 32-P321である。EPMA測定の結果では、ナトリウム(Na)、

シリコン(Si)、フッ素(F)、マンガン(Mn)さらにクロム(Cr)のピークが観測された。

Mnの含有量は1 mol%程度である。Crのピークは作製の段階で混ざるCrF3·3H2Oが原因で ある。PL測定結果(300 K)から~2.15 eV(~576 nm)にピークをもつブロードなスペクト ルが観測され、スペクトルの半値幅は~0.34 eVであった。これは Mn2+(3d5)の、4T16A1

遷移による発光である。PLE測定結果から~3.8 eV(~326 nm)にピークをもつブロードな励 起帯が観測された。20 K時のPL測定からは、低エネルギー側(長波長側)に弱いブロード なピークが観測され、20 K時のPLE測定では、300 K時と比較して、~3.75 eV(~330 nm)

付近に構造が観測された。PLスペクトルに対して、ポアソン分布によりフィッティングを 行った結果、300 KではS = 5として算出され、ZPLのエネルギーEZPLは2.45 eVとされた。

20 KではS = 9として算出され、ZPLのエネルギーEZPLは2.79eVとされた。また振動のエ ネルギー間隔(ZPLのサイドバンド)は65 meVで計算した。反射測定結果からは~2.7 eV 及び~3.8 eVの2つのピークが観測され、ブロードなスペクトルが得られた。PL温度特性で

は、270~300 Kで積分強度の急激な現象が観測された。この温度消光から求められた活性化

エネルギーは180 meVと算出された。また発光寿命測定結果は、20 K時で~1.95 ms程度で あった。さらに温度の上昇に伴って(20-300 K)、寿命の急激な減少が観測された。発光寿 命の温度上昇に対する減少を、PL温度特性と同様にフィッティングを行なった結果、Eq1 =

25 meV及びEq2 = 180 meVと算出された。Eq2 = 180 meVはPL温度特性から算出した活性化

エネルギーと同値となった。ESR 測定からは、Mn2+イオンの不均一分布よるスピン交換相 互作用によりブロードな信号が観測された。ESR、EPMA 測定結果から、黄緑色発光は、

Mnイオンが関与していることが証明できる。Mn2+イオンは Na+-Na+のサイトに置換してい るという結論となった。

Na2SiF6:Mn4+赤色蛍光体はNaMnO4·H2O/HFの混合溶液にSiウエハーを浸漬する化学エ ッチング法で作製された。粉末は白色(少しピンク色)であり、UVライトまたは紫外レー ザーで赤色発光を示す。本章では画像及び図面は載せていないが、SEM 画像では、

Na2SiF6:Mn2と同様に六角形状の結晶が観察され、XRD測定結果もNa2SiF6:Mn2と同様の結 晶構造である。PL測定(300 K)では、~2.0 eV(~620 nm)に観測されるシャープなスペク トルが観測された。詳しく見ると、ZPLを中心として、Stokes側の6(~633 nm)、4(~637 nm)、3(~649 nm)、anti-Stokes側の6(~616 nm)、4(~612 nm)、3(~601 nm)にピーク

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が存在する。観測されたスペクトルは、Na2SiF6 結晶中のSiF62−八面体結晶に置換した Mn4+

イオン(MnF62−)による2E 4A2遷移に対応する。20 K は、スペクトルの半値幅が狭くな り、anti-Stokes側の6(~616 nm)、4(~612 nm)、3(~601 nm)のピークが減少している。

PLE測定結果では、~2.7 eV(~460 nm)、~3.5 eV(~350 nm)、~2.0 eV(~620 nm)に励起帯 が存在する。それぞれ、4A24T24A24T14A22E のエネルギー準位(3d3)に相当する。

4A24T2(~2.7 eV)の励起帯は20 Kにて、非対称MnF62−八面体特有の振動モードによる階 段状の構造が観測された。4A24T2(~2.7 eV)励起帯をポアソン分布でフィッティングした 結果、300 KではS = 4として算出され、ZPLのエネルギーEZPLは2.45 eVとされた。20 K ではS = 3として算出され、ZPLのエネルギーEZPLは2.57 eVとされた。また振動のエネル ギー間隔(ZPLのサイドバンド)は65 meVで計算し、MnF62−八面体における2の振動エネ ルギーと一致した。PL温度特性では、温度の増加とともに、積分強度の上昇が観測された。

得られた温度変化はVarshniの式を利用することで、フィッティングを行った。フィッティ ングの結果得られた値は、IPL(0) = 1.0、= 1.5×10-3、 = 300 Kであった。また発光寿命測 定結果は、20 K時で~12.5 ms程度であった。発光寿命の温度上昇に対する変化は20~100 K では~12 ms程度で安定しているが、~100から温度を上昇させると、徐々に減少傾向である ことが分かった。発光寿命の温度上昇に対する減少を、Na2SiF6:Mn2+黄緑色蛍光体の発光寿 命の温度特性と同様な式でフィッティングを行なった結果、クエンチングエネルギーは二 つあり、Eq1 = 16 meV及びEq2 = 68 meVが得られた。ESR測定結果からは、Mn4+イオンに よる超微細構造(3/2↔1/2 、1/2↔-1/2、-1/2↔-3/2)が観測された。

本蛍光体の応用例を考えるとすれば、Na2SiF6:Mn2+黄緑色蛍光体は、近紫外光~330 nmに

励起帯をもつことから、GaN系紫外LEDを励起光源とし、RGB蛍光体を利用した白色LED に応用が可能である。

Na2SiF6:Mn4+赤色蛍光体は青色光(~460 nm)及び近紫外光(~350 nm)に励起帯が存在する ため、GaN系青色LEDを励起光源とし、緑色蛍光体と組み合わせた白色LED、また、GaN 系紫外LEDを励起光源とし、RGB蛍光体を利用した白色LEDに応用が可能である。

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6 章 励起スペクトルによる K

2

SiF

6

:Mn

4+

赤色蛍光体の