せを容 易に選 定す る ことが 可能で ある こ とを示 した .また ,表面の 起伏欠 陥を 検出す る手法 はい く つか提 案され てい る が,欠 陥の 形状に 適 した方 式の選 定に 関する 指針は 明確 で なかっ た.本手法 を 用いる ことに より ,欠陥の 見え方 を簡 便に評 価する こと が 可能に なり, 検出 手 法の選 定が容 易と な ること を述 べ た .
5.低 コン トラス ト 欠陥の もう一 つの 形 態であ る反射 防止 膜 に生じ る色む ら欠 陥を対 象に ,欠陥 発 生のメ カニズ ムお よ び欠陥 検査方 法を 検 討した .色 むら欠 陥が反 射防止 膜の 膜 厚変動 によっ て生 じ ること を明ら かに し ,どの 程度 の膜厚 変動量 が欠陥 とし て 知覚さ れるか を示 し た.反 射防 止膜の 代 表的な 膜厚を 示す
「等価 膜厚 」とい う 指標を 定義し ,膜 表 面を撮 影した カラ ー 画像を 基に等 価膜 厚を計 測する こと に より反 射防止 膜の 品 質を評 価する 手法 を 提案し た.
6.色 むら 欠陥を 定 量的に 判定す るた め ,人間 の色 判別特 性 と欠陥 によっ て生 じる色 差とを 比較 し た.反 射防 止膜の 設 計膜厚 および 観測 条 件の違 いによ り同 一 の 膜 厚 変 動 で あ っ て も 色 む ら の 見 え 方 が 様 々 に 変 化 す る こ と を シ ミ ュ レ ー ション および 実験 よ り明ら かにし た.こ れらの 結果か ら,色 むらを 目立ち にく くする 膜厚設 定方 法 を提案 した .また ,人間の 色判別 特性 に 基づい た欠陥 判定 法を提 案した .こ れ らによ り従来 ,感 覚 に頼ら ざるを 得な か った色 むら検 査の 定量化 が可能 とな っ た.
7.む ら欠 陥の官 能 検査の 自動化 手法 に ついて 述べた .個 々 のむら の強度 を定 量評 価す るだ けで は なく ,被 検査 領域 全 体に わた って むら の 特徴 量を 計測 し , その度 数分布 に基 づ いて良 否判定 を行 う 特徴頻 度法を 提案 し た.本 手法 による と,従 来検 査員の 主 観に頼 らざる を得 な かった むら欠 陥の 合 否判定 を自動 化で きるこ とを示 した .本手法 を,反射防 止 膜の色 むら欠 陥と 格 子構造 フィル ムの 濃淡む ら欠陥 とい う 発生原 理の異 なる む ら欠陥 に適用 し,そ れぞれ 目視検 査と 良く一 致する 判定 結 果を得 た.
以上 ,各 章の結 論 をまと めた .本研 究 で対象 とした 低コ ン トラス ト欠陥 は検 査の自 動化あ るい は 省力化 が非常 に困 難 な欠陥 であり ,本 研 究の成 果によ りこ れらの 自動検 出お よ び定量 評価に 目処 を 得るこ とがで きた .
本論 文の冒 頭に お いて ,本研 究の 目的 は「 ディス プレ イの 品質向 上」であ る ことを 述べた .一般 に,製品の 外観 検査 そのも のは付 加価 値 を生じ ない .外 観 検 査 技 術 の 真 の 目 的 は 検 査 結 果 に 基 づ い て 生 産 技 術 を 高 度 化 し 製 品 の 品 質 を 向上す ること にあ る .本研 究で は欠陥 情 報を次 のよう に活 用 し,製 造の 改善を 実現し た.
(1)
欠陥 の分析 と製 造条件 の改善本研 究によ って ,微小起 伏欠陥 の高 さ ,およ び色 むら欠 陥 の原因 となる 膜厚 変動の おおよ その 大 きさを 推定で きる よ うにな った .これ ら の欠陥 情報と 製造 条件と を合わ せて 解 析する ことに より ,欠陥を 低減す るた め の製造 条件を 確立 するこ とが可 能と な った.
(2)
製造 ライン の改 善欠 陥 発 生 状 況 を 製 造 ラ イ ン に リ ア ル タ イ ム に フ ィ ー ド バ ッ ク す る こ と に よ り,ラ イン の異常 に 対し迅 速に対 応す る ことが 可能と なっ た .これ によ り製造 条件の 一時的 な変 動 による 製品収 率低 下 を最小 限に抑 える こ とがで きる.
8.2 今後の展望
パタ ーン照 明を 利 用した 微小起 伏欠 陥 の検出 手法は ,光 学 機能シ ートだ けで なく自 動車や 各種 製 品のボ ディ等 の検 査 に適用 されて いる 技 術であ る.しかし , 欠 陥 に 適 し た 光 学 系 あ る い は 画 像 処 理 ア ル ゴ リ ズ ム の 選 定 に つ い て の 指 針 が なく,また 光学系 が 大掛か りにな るこ と が多い ため ,柔軟 性 のある システ ムを 構築す ること が困 難 であっ た.このこ と は検査 対象が 時々 刻 々変化 する外 観検 査の現 場では 大き な 弊害で あり ,その た め本技 術が適 用で き る製造 現場は 限ら れたも のであ った .本研究 の成果 によ り ,ニー ズの 変化へ の 対応が 容易な 検査 システ ムの構 築が 可 能にな り,従来コ ス ト面か ら困難 であ っ たライ ンへも 自動 技術の 適用拡 大が 期 待でき る.
むら 欠陥の 検査 に ついて は,従来検 査 員の判 断に頼 らざ る を得な かった 合否 判定の 自動化 技術 を 確立し たこと によ り ,実際 の製 造にお い て大き な効果 が期 待でき る.しかし ,本手法 はあく まで も 目視官 能検査 とよ く 一致す る合否 判定 法の提 案であ って ,感性評 価を行 う手 法 ではな い.一方 ,官 能検査 の自動 化に 関する 研究分 野で は ,感性 情報
(
美しい,見苦し い,派手で あ る,地 味で ある,安定感 がある ,不 安 定など といっ た感 覚 的な情 報
)
の定量 評 価が重 要な課 題と なって おり,近 年,盛んに 研究が 行わ れ ている.これら をみ ると,現 状はま だ 個々の 検査ニ ーズ に 対する 個別検 討の 段 階であ ると考 えて い る.今 後こ の分野 におい ては ,これ ら 個々の 研究成 果を 融 合し,汎用 的な感 性 情報の 定量化 技術 が整備 される 段階 へ と移行 してい くも の と考え られる .本 研 究は合 否判定 のみを目的 とした が,今 後は外 観検査 にお い ても感 性情報 を取 り 入れた 品質評 価が 必要と なる可 能性 が 高い.本研 究の成 果 を発展 させ ,今後 そ のよう な研究 の一 端を担 うこと がで き れば幸 甚であ る.