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図 5-47 PWMインバータのコンデンサ電流の各周波数成分の電流振幅とN
図 5-48 PWMインバータのコンデンサ電流波形と正弦波の ESReffの比較
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5.6.1 温度上昇に対する許容電流計算
ここでは,ある温度上昇 ∆𝑇capMAX以内となる最大の電流値 𝐼RMSMAXについて 計算から導出をする。ここで,前節で定義したNを用いて損失を計算する( 5-15 ) 式を素子温度のパラメータも考慮して記述すると,次式となる。
P = {𝐸𝑆𝑅(𝑓1, ∆𝑇cap+ 𝑇a) ∙ 𝑁1+𝐸𝑆𝑅(𝑓2, ∆𝑇cap+ 𝑇a) ∙ 𝑁2+∙∙∙∙} ∙ 𝐼RMS2
= 𝐸𝑆𝑅eff(∆𝑇cap+ 𝑇a) ∙ 𝐼RMS2 ( 5-17 ) したがって,素子の温度上昇の取り得る最大値は熱抵抗を用いて次式となる。
∆𝑇capMAX = (Rth(e−c)+ Rth(c−a)) ∙ 𝐸𝑆𝑅eff(∆𝑇capMAX+ 𝑇a) ∙ 𝐼RMSMAX2 ( 5-18 ) ( 5-18 )を変形して次式が得られる。
𝐼RMSMAX = √ ∆𝑇capMAX
(Rth(e−c)+ Rth(c−a)) ∙ 𝐸𝑆𝑅eff(∆𝑇capMAX+ 𝑇a) ( 5-19 ) この式よりある温度以内でコンデンサを動作させたい場合に流せる最大の電流 量を計算することができる。
ここで例として,前節でも使用している47F/400V(日本ケミコン製)のコン デンサについて考える。まず,温度上昇の最大許容値を5℃と設定して正弦波電 流が通流する場合における電流周波数と周囲温度 𝑇aに対して条件を満たす最大 電流実効値 𝐼RMSMAXを計算から求めた結果を図 5-50に示す。グラフの電流値よ りも大きい電流が通流すると温度上昇が 5 ℃を超えることを意味している。周 波数ごとの差異を見ると,周波数1 kHzと5 kHzでは許容電流値が後者の方が大 きくなり,それ以上大きくなっても殆ど変化が無い。これは,ESRが5 kHz以降 で変化が少ないためである。また,周囲温度が大きいほど許容電流が大きくなっ ているが,これは温度が大きいほどESR が低くなるためである。したがって,
同じ 5℃の温度上昇であるが素子温度はそれぞれ周囲温度を足した値となるこ とに注意を要する。この素子の定格電流リプルは 120Hz, 105℃において 435
mArms と記載されているが,高周波で使用する場合には,それ以上の電流リプ
ルを通流しても温度上昇が5℃以内となることが分かった。
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図 5-50 温度上昇5℃以内条件での周囲温度と周波数に対する許容電流値
5.6.2 素子寿命に対する許容温度
アルミ電解コンデンサの寿命計算式は,実測値に基づいた経験則であるため メーカーごとに異なっている [12]。データシートに記載している規定寿命はそ のメーカーでの式にのみ有効であると考えられる。よって,寿命式は同一メーカ ーの式を使用することが望ましい。日本ケミコンのデータシートに記載されて いる寿命推定式を以下に表記する [19]。
𝐿x= 𝐿o∙ 2𝑇o10−𝑇x∙ 2−∆𝑇5 ( 5-20 ) 𝐿o :カテゴリ上限温度において、定格電圧印加時の 規定寿命(hours)
𝐿x :実使用時の推定寿命(hours)
𝑇o :製品のカテゴリ上限温度(℃)
𝑇x :実使用時の周囲温度(℃)※ 40℃以下は,40℃として寿命推定する。
∆𝑇 :リプル電流重畳による自己温度上昇(℃)
ここで,𝐿oと𝑇oはデータシートに記載されているため既知であり,使用年数𝐿xと 使用環境温度𝑇xを任意に設定すれば,許容できる温度上昇∆𝑇を( 5-20 )を書き換 えて次式で計算可能である。
∆𝑇cap= 5 ∙ log2(𝐿o
𝐿x∙ 2𝑇o10−𝑇x) ( 5-21 )
許容温度上昇∆𝑇が分かれば,その温度上昇以内になるようにコンデンサを選定 すれば良いと考えられる。この許容温度を用いることで( 5-19 )式を使用して,あ る使用年数を満たす環境温度と電流波形における許容電流値を計算することが できる。計算のフローをまとめたものを図 5-51に示す。今回の計算では,温度 が仮定された計算であるため,5.3 の損失計算のように高次の方程式を解く必要 が無いため,簡易的に計算できる。
0.500 0.600 0.700 0.800 0.900 1.000 1.100
10 15 20 25 30 35 40 45
Current [Arms]
Ambient temperature [℃]
1000 5000 9000 13000 17000 21000 25000 33000 37000 Frequency [Hz]
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図 5-51 許容電流値の計算フロー
ここで例として,47F/400V(日本ケミコン製)のコンデンサについて周囲温 度40℃で10年使用を想定するケースについて考える。( 2-2 )式に代入して計算
すると∆𝑇capMAXは16.845℃となった。すなわち,16.845℃以下で使用すれば10年
使用できることを意味する。その∆𝑇capMAXを使用して正弦波,三角波,矩形波で の許容電流値は上記の計算によりそれぞれの基本波周波数に対して図 5-52 の ようになる。正弦波,三角波と矩形波で許容電流値はわずかではあるが異なる結 果となった。この結果より,例えば10 kHzで5 Aの正弦波が印加されるとすれ ば,3個並列接続すれば良いと分かる。このようにして,提案の計算手法を設計 に生かせる可能性がある。
図 5-52使用年数10年,環境温度40℃条件での許容電流値
(5-21)式より許容温度上昇ΔTcapを計算
使用年数,環境温度,基本波周波数,Nの入力
(5-19)式から許容電流実効値を計算
Calculate with MATLAB
1.86 1.88 1.90 1.92 1.94 1.96
0 20000 40000 60000 80000 100000
Current limit [Arms]
Frequency [Hz]
Sinusoidal Rectangular Triangler
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