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アルミ電解コンデンサ

ドキュメント内 修 士 学 位 論 文 (ページ 36-42)

4.1.1 測定対象

アルミ電解コンデンサは47uF,耐電圧63V品に統一してそれぞれ評価を行っ た。測定対象を表 4-1に示す。以下では,それぞれを表内の番号で呼ぶ。同じ静 電容量と耐電圧で評価を行っているが,表から分かるように許容電流リプルや 素子の大きさはそれぞれ異なっている。また,表に記載していないが寿命や許容 動作温度もそれぞれ異なる。それぞれの写真を図 4-1に示す。

表 4-1 測定対象

番号 メーカー 静電容量 耐電圧 許容電流 D×L

① kemet 47 F 63 V 190 mA 10×29 mm

② Nichicon 47 F 63 V 310 mA 8×11.5 mm

③ rubycon 47 F 63 V 278 mA 6.3×11 mm

④ Panasonic 47 F 63 V 284 mA 6.3×11.2 mm

日本ケミコン 47 F 63 V 274 mA 8×12 mm

⑥ Vishay 47 F 63 V 380 mA 10×12 mm

図 4-1 アルミ電解コンデンサ(63V品)

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4.1.2 周波数特性

インピーダンスアナライザ(E4990A)を用いて周波数を変化させて静電容量 とESR の測定を行った。測定結果をそれぞれ図 4-2,図 4-3に示す。極性があ るため,10 V の直流バイアス電圧を印加して測定を行っている。どの素子も値 に差異はあるが特性の傾向は同様であることが確認できる。

図 4-2 においてどの素子に関してもある周波数で値が発散しているが,これ

は素子の自己共振により虚部のインピーダンスが小さくなることにより等価直 列容量として値が発散するためである。自己共振周波数以降の周波数において は寄生インダクタンスの影響で負の等価直列容量を示す。静電容量は周波数の 増加に伴い10 kHz付近まではなだらかに減少しており,そこから自己共振周波 数までの間に大きく減少していることが確認できる。これは,アルミ電解コンデ ンサ特有の現象であり,図 4-4 に示すように極板上のエッチングの凹凸によっ て電解液と酸化膜誘電体がRとCのラダー回路のような構成となっており,高 周波になると R のインピーダンスが相対的に大きくなり凹凸の表面側のみの電 荷のやり取りになることでC が低下することに起因すると考えられる。ESR は どの素子においても周波数の増加に伴い減少傾向であることが確認できる。ま

た,1 kHz以下の領域においては特に変化が急峻であることが分かる。これは容

量に並列の絶縁抵抗成分の影響であると考えられる。

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図 4-2 電流周波数-静電容量(アルミ電解コンデンサ)

図 4-3 電流周波数-ESR(アルミ電解コンデンサ)

図 4-4 アルミ電解コンデンサの極板付近の断面模式図

0 10 20 30 40 50

10 100 1000 10000 100000 1000000 10000000

Capacitance [F]

Frequency [Hz]

100 1000 10000

10 100 1000 10000 100000 1000000 10000000

ESR[mW]

Frequency [Hz]

電解液 酸化膜 (誘電体)

アルミ電極

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4.1.3 温度特性

B-H アナライザと恒温槽を用いて測定した静電容量と ESR の素子温度に対す る変化をそれぞれ図 4-5,図 4-6 に示す。電流周波数は1 kHz,電流振幅は 0.1 A,直流バイアス電圧10 Vで0 ℃から100 ℃の範囲で測定を行っている。どの 素子も同様に,温度の増加に伴い,静電容量が増加し,ESRが減少していること が確認できる。特にESR は温度に依存して大きく変化するが,これは電解液の 電気伝導率が温度の増加に伴い大きくなることに起因するものであると考えら れる [27]。

図 4-5 素子温度-静電容量(アルミ電解コンデンサ)

図 4-6素子温度-ESR(アルミ電解コンデンサ)

0 10 20 30 40 50 60

0 20 40 60 80 100

Capacitance [F]

Temperature [℃]

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000

0 20 40 60 80 100

ESR [mW]

Temperature [℃]

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4.1.4 DC バイアス電圧特性

静電容量とESRの直流バイアス電圧に対する特性の測定を行った。B-Hアナ ライザを用いて周波数1 kHz,電流振幅0.01 Aの測定条件で,重畳する直流電圧 のみを変化させて測定している。測定結果をそれぞれ図 4-7,図 4-8に示す。直 流電圧が変化しても,静電容量,ESR共にほぼ変化が見られなかった。

図 4-7 直流バイアス電圧-静電容量(アルミ電解コンデンサ)

図 4-8 直流バイアス電圧-ESR(アルミ電解コンデンサ)

0 10 20 30 40 50

0 10 20 30 40 50 60

Capacitance [F]

DC bias voltage [V]

0 100 200 300 400 500 600

0 10 20 30 40 50 60

ESR [mW]

DC bias voltage [V]

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4.1.5 電流特性

静電容量とESRの電流振幅特性の測定を行った。この測定はB-Hアナライザ を用いて,電流周波数10 kHz,直流バイアス電圧30 V一定の条件下で電流振幅 のみを変化させて測定を行っている。測定結果をそれぞれ図 4-9,図 4-10に示 す。電流振幅が増加すると,静電容量がわずかに増加し,ESRが大きく減少する ことが確認できる。これは,素子温度特性と同様の傾向である。図 4-11に測定 中の素子表面温度の値を示す。本測定では,室温環境下において64周期分の波 形を印加して測定を行っており,熱的には定常値に達していないものと考えら れるが,どの素子も温度上昇していることが分かる。したがって,アルミ電解コ ンデンサは自己発熱による温度上昇を考慮した電流振幅特性の評価が必要であ る。この評価については,5章で述べる。また,図 4-11の結果はESRの大小関 係に従っていないが,これは素子の大きさがそれぞれ異なることによる熱抵抗 の差によるものであると考えられる。

図 4-9電流振幅-静電容量(アルミ電解コンデンサ)

図 4-10電流振幅-ESR(アルミ電解コンデンサ)

0 10 20 30 40 50

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5

Capacitance [F]

Current [A]

0 100 200 300 400

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5

ESR [mW]

Current [A]

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図 4-11 測定時の素子表面温度

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