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簡易測定回路を用いた検証実験

ドキュメント内 修 士 学 位 論 文 (ページ 70-73)

5.4 実機検証

5.4.1 簡易測定回路を用いた検証実験

実機回路で検証する前段階として,コンデンサに直接電流を印加する回路を 用いてそれぞれの計算の妥当性の検証を行う。図 5-29に示すように,DUTにパ ワーアンプを用いて電流を通流して電流波形と周囲温度を測定することで電流 波形から提案の方法で温度上昇を計算しており,同時に赤外線サーモグラフィ を用いてケース表面温度の測定を行い実測と計算値で比較を行っている。電力 損失ではなく温度上昇で比較する理由は,温度は赤外線サーモで容易に測定で きるのに対して,受動素子の損失を電流と電圧から測定する場合にはオシロス コープに接続する電流プローブと電圧プローブの位相遅延を考慮して測定する 必要があり工夫が必要となるためである。温度上昇と損失は比例関係であるた め温度が一致していれば,損失も同様に正確に計算できているものと考える事 ができる。電流波形としては1 kHz,10 kHzでの単一正弦波電流,2つの正弦波 を重畳した非正弦波電流でそれぞれ測定を行った。単一正弦波電流通流時の測 定の結果を図 5-30に示す。実測値と電流波形から計算した推定値が誤差 10 % 以内であり熱抵抗を用いた温度計算の妥当性を確認した。また,図 5-31に(a)に 示すような1 kHz,10 kHzの正弦波の重畳電流印加時の測定結果を示す。実測値 と推定値が誤差10 %以内であり,フーリエ変換を用いた( 5-11 )式による計算が 妥当であると考えられる。また,図 5-32は簡易測定回路による検証実験におい て温度上昇に対して推定値の誤差率をプロットしたものであるが,温度上昇が 小さくなると誤差率が上昇傾向にあることが分かった。この原因として,温度上 昇が小さいと温度測定時の定在的な測定誤差が支配的になっていることが考え られる。

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図 5-29 簡易評価用測定回路

図 5-30 正弦波重畳電流通流時の温度上昇

(a) コンデンサ電流 (b) 電流に対する温度上昇

図 5-31正弦波重畳電流通流時の温度上昇

図 5-32 検証実験の温度上昇に対する誤差率

Function generator Power AMP

DUT Infrared

thermography

Measured surface temperature Comparison Current wave form Calculated surface temperature

Oscilloscope

50

0

Current [Arms]

Measured (1kHz) Calculated (1kHz) Measured (10kHz) Calculated (10kHz)

Temperature rise []

40 30 20 10

0.2 0.6 1.0 1.4

Measured (1kHz+10kHz) Calculated (1kHz+10kHz)

50

0

Current [Arms]

Temperature rise []

40 30 20 10

0.2 0.6 1.0 1.4

Error rate [%]

Temperature rise [] 50 10

0 8 6 4 2

0 10 20 30 40

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また,温度上昇が生じない微小電流値において,重畳する 2 つの正弦波周波 数の振幅を変化させてそれぞれ B-H アナライザを用いて ESR の測定を行った。

図 5-33に示すように2つの信号を出力できるファンクションジェネレータを用

いて測定対象に電流を印加している。( 5-11 )式による計算より電流周波数成分 比の2乗割合に応じてESRは線形的に変化すると考えられる (詳細は( 5-16 )式 を参照) 。そこで,実際に 2 つの正弦波電流重畳時の重畳比率を変化させてい き,2乗比に対してプロットした結果をそれぞれ図 5-34に示す。例として,(a)

の0%は10kHz成分が0%含まれていることを意味しており1kHzの正弦波にお

けるESR の測定値を表しており,逆に 100%は 10kHz 成分が100%含まれるこ とを意味しており10kHzの正弦波におけるESRの測定値を表す。1 kHz の正弦 波に 10 kHz の正弦波を重畳した場合と 0.1 kHz の正弦波に 1 kHz の正弦波を 重畳した場合でそれぞれ測定しているが,いずれにおいても理論値通りに重畳 電流の2乗の比でESRの値が変化していることが確認できる。

図 5-33 測定回路

(a) 1 kHz + 10 kHz (b) 0.1 kHz + 1 kHz

図 5-34 重畳電流成分の2乗割合に対するESRの実測値

(a) B-H analyzer SY-8218

RS

Ich

Vch (b) DUT

P1 P2

S1 S2

Signal source

C1

C2

ESR C AMP

(c)Function generator

300 350 400 450 500

0 20 40 60 80 100

ESR [mΩ]

1 kHz成分に対する10 kHz成分の電流の2乗割合 [%]

理論値

実測値

0 200 400 600 800 1000 1200 1400

0 20 40 60 80 100

ESR [mΩ]

0.1 kHz成分に対する1 kHz成分の電流の2乗割合[%]

0.1 kHz+1 kHz

理論値

実測値

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