10 基礎疾患/増悪因子
5. 糖尿病性腎症重症化予防プログラム熊本県版の作成 と推進(2017年度〜)
糖尿病「連携医」制度 (周知用パンフレット)
健診で糖代謝異常を指摘された患者への対応や、
地域の糖尿病診療の窓口となる医師の養成を目的に、
熊本県糖尿病対策推進会議が平成
19
年に設定した、熊本県独自の制度である。
糖尿病診療に関する講義を受講した上で、
熊本県糖尿病対策推進会議により認定される。
糖尿病性腎症重症化予防プログラム
日本糖尿病対策推進会議 日本医師会 厚生労働省
糖尿病性腎症重症化予防に係る連携協定
加入団体を通じて各学会支部等に プログラムを周知
都道府県医師会、郡市区 医師会にプログラムを周知
都道府県、保険者等に プログラムを周知
都道府県単位で行政、医師会、糖尿病対策推進会議、保険者等により、
地域連携プログラムの策定など対応策について協議(各市町村の独自性を尊重)
市町村での実践に際し、関係者で具体的な方策を協議、実践
糖尿病性腎症重症化予防プログラム(日本医師会、日本糖尿病対策推進会議、厚生労働省) (http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000121902.pdf) (http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000122030.pdf)
具体的には、何が起こるのか?
(市町村保健師による取り組み)
糖尿病の可能性のある健診異常者の受診勧奨の強化 治療中断者への受診勧奨(中断者の台帳管理)
尿蛋白陽性患者への受診勧奨(→かかりつけ医)
勧奨者の受診状況をレセプトでチェック
レセプト及び健診データからハイリスク患者の同定と より積極的な保健指導・栄養指導・医療機関との連携など
(専門施設および基幹病院で起こること)
糖尿病患者(健診で血糖異常の指摘のあった方、治療中断者)の受診の増加 腎臓内科および かかりつけ医からのコンサルト患者の増加 市町村の保健師との連携(連絡台帳を用いた中断者の報告等を含む)
これまでは紹介されて来なかった尿蛋白異常を伴う糖尿病患者の紹 介症例が増え、腎臓専門医及び かかりつけ医、保健師との連携の もと「腎症重症化阻止」という観点を持ち患者を診療して頂きたい。
糖尿病腎症は早期診断が重要
85.2 % 69.9 %
49.7 %
千葉県の17病院、67診療所 が参加、3,930症例を調査
糖尿病 55, 671-680, 2012.より.
尿アルブミン未測定: 901/3,930症例(22.9%)
熊本県の透析患者を減らすために、
定期的に尿中アルブミンを測定下さい
HbA1c 測定件数に対する尿アルブミン値測定件数の割合
古典的な糖尿病腎症の臨床経過
古典的な糖尿病腎症の考え方では,糖尿病発症後に微量アルブミン尿が出現し,
やがて顕性蛋白尿を呈して急激にeGFRが低下し,透析導入に至るとされていました.
第1期 第2期 第3期 第5期
腎症前期 早期腎症期 顕性腎症期 透析療法期
腎不全期 第4期
eGFR
(mL/分/1.73m2) 蛋白尿
eGFR
微量 アル ブ ミン 尿 透析導入 100
50
0 5 10 15 20 25
糖尿病歴(年)
糖尿病発症 蛋白尿
顕性 蛋白 尿
菅原真衣ほか : 内分泌・糖尿病・代謝内科 2017 ; 45(4) ; 249-252. より引用
5
• 日本腎臓学会・日本糖尿病学会の両学会主催、日本医師 会の後援で「糖尿病性腎臓病公開セミナー」(2017年10月 22日)が開催されました。
• 本セミナーでは、“DKD (糖尿病性腎臓病:Diabetic Kidney Disease)”をテーマに講演と討論が行われ、糖尿病性腎臓 病克服宣言が採択されました。
日本糖尿病学会と日本腎臓病学会の動き
DKD(Diabetic Kidney Disease)の概念の浸透と対 策が展開されています。
糖尿病性腎臓病克服宣言:STOP-DKD
かかりつけ医、専門医(糖尿病・腎臓病)、他職種、
行政等による有機的連携体制の構築が必須である。
日本糖尿病学会、日本腎臓学会、日本医師会の 緊密な達携なしには、有効な糖尿病性腎臓病対 策をなしえないことには疑問の余地はない。
日本糖尿病学会、日本腎臓学会が全面的かつ 強固に連携し、日本医師会、多職種、行政とも緊 密に協力して、国民や社会とともに、糖尿病性腎臓 病克服に向けて挑戦を続けることを宣言するもので ある。
DKD (Diabetic Kidney Disease)
とは?Hirakawa Y et al : J Diabetes Investig 2017 ; 8 : 261-271. より引用
Diabetic kidney disease 合併症の影響
• 動脈硬化
• 糸球体腎炎 など
糖尿病の影響 Diabetic nephropathy
古典的糖尿病腎症とDKDの違い
DKDは,糖尿病がその発症や進展の少なくとも一部に関与し,高血圧や加齢などの 様々な要因が影響を与えるCKD全般を包括した幅広い概念であり,アルブミン尿から顕 性蛋白尿を経て腎障害に至るという古典的な糖尿病腎症の考え方を内包しています.
DKD
(糖尿病性腎臓病)
古典的糖尿病腎症
糖尿病発症 アルブミン尿 顕性蛋白尿 末期腎不全
eGFR低下のみ
高血圧,加齢,脂質異常症などが影響
菅原真衣ほか : 内分泌・糖尿病・代謝内科 2017 ; 45(4) ; 249-252. より引用
ブルーサークルメニュー・ガイドブック第3版
糖尿病療養指導の必要性
● 糖尿病療養指導は、糖尿病発症予防、良好な代謝コントロール達成・維持、合併症予防、
合併症進展抑制に有用である (グレードA)
~糖尿病の治療は、日常生活の中で自己管理の形で患者自身により実行されるので、
医療スタッフは患者自身に糖尿病に関する正しい知識を与え、自己管理に必要な技能 を習得させ、前向きかつ主体的に治療に取り組むよう指導する必要がある。
● 専門職種によるチームアプローチは治療効果を増す (グレードA)
~患者個人の生活を理解し、各患者が個別に主体的に目標を設定し(patient-centered approach)、生活の場で継続的に実行できるように支援すべきである。
科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドラインより
➡すべてのステージの糖尿病患者に有用
patient-centered approach 患者個人の社会生活を 踏まえて、患者中心の 治療を継続できるよう にチームで支援する ⇒糖尿病治療の根幹 看護師
薬剤師
理学療法士 患者・家族
管理栄養士
臨床検査技師
日本糖尿病療養指導士とは