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異常の生じる場所による分類

12 地域包括ケアシステム 地域完結型のがん医療体制構築に向けて

B. 異常の生じる場所による分類

左心不全(左心室や左心房などの異常)

右心不全(右心室や右心房などの異常)

C.障害を受ける機能による分類

収縮不全(血液を送り出す機能が落ちる)

拡張不全(血液を吸い込む機能が落ちる)

2. 慢性心不全

慢性(何週間何カ月かけてゆっくり起こる)

心不全の原因が急に起こる病気、例えば心筋梗塞 などでは心不全も急速に進み、もとの原因がゆっく り起こる病気たとえば心臓弁膜症では心不全も年 月をかけて徐々に進行する

B.異常の生じる場所による分類

① 左心不全

左心系つまり大動脈、左心室や左心房あるいはそれらを つなぐ弁の病気によって肺から左心房への血液の環流が 妨げられ、肺に血液や水分が貯留する。そのため肺での 酸素の取り込みが落ちて呼吸苦が生じる。左室収縮不全 が生じると低心拍出状態となり循環障害が生じ、易疲労感 や四肢冷感が生じる

② 右心不全

右心系つまり肺動脈、右心室や右心房あるいはそれらを つなぐ弁の病気によって全身から右心房への血液のもど りが妨げられ、全身に血液や水分が貯留する。そのため 肝臓がむくんで肝障害や、手足がむくんで浮腫が生じる

全身の循環

肺循環

肺動脈 肺静脈

ガス交換

肝臓 腎臓 皮膚

筋肉

左心系 右心系

体循環

心不全の病態

左心系の機能低下で肺毛細管圧が上昇。

血漿成分の漏出から「呼吸困難」をひきお こす。

(1)左心不全

右心房 右心室

肺動脈 肺静脈

肺毛細血管

左心房 左心室

右心系の機能低下で末梢静脈の うっ血により「静脈怒張」「下肢浮腫」

「肝腫大」が主症状。

(2)右心不全

右心房

右心室

わかりやすい循環器 Ⅲ.疾患と治療 1-5.心不全 P75

障害の手前が渋滞する

C.障害を受ける機能による分類

Ⅰ. 収縮不全:血液を送り出す能力の低下

収縮機能不全では心臓が血液を全身や肺へ十分に送れ

なくなるために低心拍出状態となり循環障害が生じる。全 身に血液を十分送れないと、全身の筋肉が弱ったり、腎 臓の力が落ちて体内の余分な水分や塩分や老廃物を体 外へ排出できにくくなる。

Ⅱ. 拡張不全:血液を吸い込む能力の低下

拡張機能不全では心臓とくに心室が次に送る血液を心房

からうまく汲み上げることができず、心房にうっ血が起こる

。そのため肺や全身の臓器にうっ血が起こる

*収縮不全と拡張不全が同時に起こることもよくある

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高齢者に多い心不全は?

1) ありふれた疾患であり,その絶対数 が今後も更に増加する

2) 根治が望めない進行性かつ致死性 の悪性疾患である

3) その大半が心疾患以外の併存症を 有することである

拡張不全の臨床的な特徴

特徴 拡張不全 収縮不全

年齢 高齢者が多い 典型的には50~70歳

性別 女性が多い 男性が多い

駆出率 正常または軽度低下

(EF>40%)

低下

(EF<40%)

左室内腔の大きさ 正常または求心性肥大 拡大

左室肥大(心電図) 存在 時々存在

胸部X線 肺うっ血、心拡大は軽度 肺うっ血、心拡大

基礎疾患

高血圧 +++ ++

糖尿病 +++ ++

心筋梗塞既往 +++

肥満 +++

Jessup M. et al.:N.Engl.J.Med.,348,2007,2003.

高齢者心不全の特徴

① 加齢とともに予後が悪化する

② 拡張障害型心不全が多く半数前後を占める

③ 腎不全や肺疾患など多彩な合併症が存在し ているため症状の原因を特定が困難

④ 拡張不全は高齢女性により多くみられる

⑤ 高血圧や心房細動の合併例が多い

⑥ 弁膜症では大動脈弁狭窄症が増加

心不全パンデミックとは?

オランダのある集団において心不全の有病率を追 ったところ、男性では60歳を超える辺りから増加し、

75歳から80歳にかけて一気に加速。90歳以上では 1000人年当たり60人を超える

男性より立ち上がりは遅いが、女性でも同様のカ ー ブが描かれることが分かっている。

年齢階層ごとに見た心不全の有病率

心不全パンデミック

世界で類を見ないスピードで高齢化が進む我が 国では、心不全の有病率は急上昇すると考えら れている。

慢性心不全患者は現在、100万人規模と推測さ れるが、2020年にかけて加速し、2035年には130 万人にまで増加してピークに達すると予測されて いる(CircJ.2008;72:489-91.)。

心不全患者は再入院をくりかえす!

心不全患者の問題点として急性増悪を来して 再入院する患者が多く、心不全患者の再入院 率は、退院後の

1

年間で

20

40

%といわれる。

高齢化に伴い有病率が上昇するのに加えて、

再入院を繰り返す患者が多いことが、心不全パ ンデミックの核心である。

心不全患者

冬場は年平均の1.5倍に 月ごとに見た急性不全患者の緊急入院例

冬季はインフルエンザや肺炎などへの罹患が、心不全発症の引き金 となり得る。高齢者ほど、ワクチン接種による予防が欠かせない

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東京都における救急出動件数と救急医療体制の推移(東京消防庁による)

1998~2014年の救急車の出動件数は、約4割増となっている。しかし、この間に都内の救急 告示医療機関は、411施設から322施設へと約2割減となっている

高齢者が増加している現状では救急搬送件数は全 国的に増加している。一方で、受け入れ側の医療機 関数は横ばいで推移している。東京都のように救急 告示医療機関数が減少の一途をたどっている自治体 もある

元々需要増に供給能力が追い付いていない状態。冬 季などごく短い期間に集中的に心不全が発生するリ スクも存在

こんな状況下で心不全パンデミックに見舞われたら、

あっという間に救急医療はパンクしてしまう・・・!!

荒尾市民病院でのDPCの傷病名 心不全患者数の推移(2014.4.1.~2017.3.31)

113人 50人

42人

86人

基礎疾患

虚血性 心疾患

32%

弁膜症 高血圧 23%

性心疾 14%

不整脈 13%

心筋症 13%

その他 5%

2014~2016年(N=370)

虚血性 心疾患

24%

弁膜症 高血圧 32%

性心疾 13%

不整脈 17%

心筋症 13%

その他 1%

2017年(N=159)

再入院率

(2014.4.1~2017.3.31)

2014年➡30.6% (N=113)

2015年➡22.8% (N=109)

2016年➡21.5% (N=148)

2017年➡ 42.6% (N=159)

*JCARE-CARDによると

(➡慢性心不全患者を対象とした多施設共同前向き登録観察研究)

退院後:6か月以内➡27%

退院後:1年➡35%

再入院の誘因

アドヒアランス 不良(塩分・

水分・服薬)

36.5%

不整脈 13.6%

血圧コンントロール不良 3.8%

その他

アドヒアランス 不良(塩分・

水分・服薬)

55.8%

感染症 11.6%

基礎疾患 増悪 15.5%

血圧コントロール 不良:0.78%

N=159(2017)

医療機関、介護施設、在宅サービス間の連携 を通じて、医師、看護師、薬剤師、理学療法士

、栄養士、介護士、社会福祉士などの多職種 が協議、連携、協力し、地域の特徴を生かし た、包括的、かつ継続的なサービスを提供す る事を目的とする

② 有明心不全手帳ないし地域連携パスの作成 と、その運用による、連携体制の強化に関す る事。

③ 有明地域の心不全の発症状況やその背景 の調査、研究および本研究会の取り組み成 果の検証に関する事。

④ その他、本会発展のために必要な事業

ありあけ 心不全手帳

有明心不全地域連携研究会

ありあけ心不全手帳の 使い方

目的:

①あなた自身で「心不全の管理」

ができるようにこの手帳を使用 します。

②あなたの地域での生活がより良 いものとなるよう病院や施設・

医療チーム(医師・看護師・理 学療 法士・作業療法士・栄養 士・薬 剤師など)との連携を 円滑に行うための手段として手 帳を使用します。

ありあけ心不全手帳使用者背景

(2017.11.1~2018.8.31)

●男女比

●年齢構成

●基礎疾患/増悪因子

●再入院回数(過去1年)

●左室駆出率

●合併症

●外来心臓リハビリ/介護サービス利用状況

●フォロー状況

ありあけ心不全手帳使用者 背景 (2017年11月1日~2018年8月31日)

N=32

性別 年齢

10

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