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第4時

FD7

6段落について中心になる文をさがしてまとめる。

8段落について中心になる文をさがしてまとめる (二時)

9段落についてまとめ、文章全体の組み立てを理解し、文章構成図をかく。

第三次  「かむ」ことの力を学んだ感想を発表し、さらに自分の体について知る。

    第1時 感想を交流し、自分の生活を見直す。

    第2時 人間の体に関する図書資料を読み、分かったことを発表する。

図3−9学習指導案Bにおける指導計画

 論者は読み手の主体性を保障する説明的文章の学習指導において読み手の既有知識・経 験、筆者概念、批判的思考の三要素が必要であると既述した。このように、文章の内容や 形式を検討するという批判的思考を用いた活動を欠いた学習指導において、読み手の主体 性は保障されないと考える。

 また、第三次を見てみると、自分の体や生活について考えたことを発表する、自分の生 活を見直すといった、教材文の内容に偏重した既有知識・経験の再構成を求めている。こ れでは、第三次の活動が、第二次の言語活動で養われた言語能力についてその確認や定着

につながる活動として十分に機能しない可能性がある。

第5項 学習指導案における二時の展開の考察

 図3−10、図3−11はそれぞれ学習指導案A、Bにおける二時の展開を示している。

二つの学習指導案はそれぞれ本時において対象とする段落は異なるものの、同じ第二次の 精読段階における一時間の授業計画を示している。図3−10「学習指導案Aにおける本 時の展開」を考察すると、読み手の既有知識・経験、筆者概念や批判的思考に着目した記 述が全く見当たらない。一方、図3−11の学習指導案Bにおける本時の展開では、下線 部の「キーワードをさがすポイント(何回も出てくる言葉、よく使われる言葉や題名と関 係する言葉)を、ふりかえらせ」と、二二知識を想起する機会を設けてはいるが、これは 要約の言語活動を行うための方法として捉えられており、それ自体を目的として捉えてい る訳ではない。なお、第1章第1項にて既有知識・経験を読むことの方法としてではなく、

それ自体を読みの目的として捉える位置づけにおいて最も読み手の主体性が保障される

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それ自体を読みの目的として捉える位置づけにおいて最も読み手の主体性が保障される 学習活動

1.新出漢字の学習をする。

2.音読をする。

  ・全文音読

  ・第2段落音読(本時の学習)

指導上の留意点・評価

・5分程度、漢字指導の時間を設定する。

・指書き→なぞり書き→写し書きの順で習得させ

る。

・よくかむと、どんないいことがあるのかを意識さ せながら読ませる。

第2段落をまとめましょう。

3.第2段落の内容をまとめる。

4,もう一度、第2段落の内容をまと

  める。

5.もう一度、第2段落の内容をまと

  める。

6,本四の学習を振り返る。

・第2段落を20文字以内でノートに要約させる。

・自由に要約させ、多様な文章を出させる。

・黒板に板書させ、評定をする。

      (8〜10人程度)

《評》キーワードになる言葉に気づいているか。

・黒板に板書させ、説明を加えながら評定する。

      (8〜10人程度)

《評》キーワードになる言葉に気づき、使うことが    できているか。

・黒板に板書させ、要約文を確認する。

      (8〜10人程度)

《評》キーワードになる言葉がわかり、使うことが    できているか。

・黒板に板書させた要約文を見て気づいたことを  発表させる。

・文章のまとめ方を確認する。

図3−10学習指導案Aにおける本時の展開

学習活動 1 本時の学習課題を知る。

教師の支援 支援○ 評価◎

7、8段落の中心文をさがしまとめよう。

2 学習場面(⑦段落)を音読する。

3 ⑦段落についてキーワードを

探す。

・歯

・カ

・ くいしばる力

4 ⑦段落について、文の中心をま とめる

5 同様に8段落について、文の中 心をまとめる。

6 次時の学習内容を確認する。

○キーワードをさがすポイント(何回も出てくる言葉、

よく使われる言葉や題名と関係する言葉)を ふりか えらせてから音読することで中心文を意識させる。

○キーワV・・一・ドだと思う言葉をワークシートに書くことで   自分の意見を持たせる。

○キーワードを絞りにくそうにしている児童には、班活   動をさせることで、自分の意見を持たせる。

○キーワードを選んだわけをいいながら、言葉を絞り込

  ませる。

◎人の意見の良さに気付いたり、自分と他者の意見の違   いを聞き分けた上で発言しようとしているか。

○ 文の中心をまとめる時のポイント(キーワードが入っ   ているか。できるだけ短くなっているか。指示語がは   いっていないか。言い切りのかたちになっているか。)

  を想起させてから取り組む。

○班ごとに文の中心をまとめた短冊を用意し、教材提示  装置で黒板に映し出すことで、全員で考えまとめやす

  くする。

○中心がまとまりにくい場合は、①〜⑥段落の中心文を  振り返り、中心位全体のつながりを考える。(よくかむ   と、どんないいことがあるか。)の答えになっているか。

◎段落の中心となる語や文をとらえて、意見を聞き分け   ることにより、それぞれの文の中心をまとめることが  できているか。

○寸時は、文章全体の構造図をつくることを伝える。

図3−11学習指導案Bにおける二時の展開

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ことを明らかにした。

 また、どちらの学習指導案も、要約による言語活動を学習指導の中核に設定されている が、その前段階として、教材文の内容や形式を検討するという批判的思考による読みの過 程を欠いている。つまり、教材文を客観的で正確に書かれたものと見なし、その絶対的対 象である教材文について要約するという学習指導が行われている。このような学習指導の 姿勢からは、既有知識・経験、筆者概念、批判的思考の三要素は必要ない。

 論者は学習指導案Aの本時の授業を実際に観察する機会を得た。学習活動3にある段落 を20字でまとめる活動において、多くの児童は指を折って数えながら、語の数合わせを

し、教材文の形式や内容に対する意識は低い様子であった。自分の既有知識・経験、筆者 概念、批判的思考などの想起がなされることもなかった。このような三要素を欠く学習指 導において、論者が定義する読みの主体性は保障されないと考える。

第6項 学習指導案の考察のまとめ

 標準型の学習指導案について以上の観点から考察を行った。この二つの学習指導案にお いては、主体的な読みを保障するために重要な役割を果たす既有知識・経験、筆者概念、

批判的思考という三要素について、重要な位置づけがなされていないことが分かった。そ の原因として、教材文をその内容や形式の客観性や正確さにおいて絶対的存在と見なす誤 った認識があることが明らかになった。また、この認識が学習指導過程の中核に教材文を 要約することを置き、「標準型」として定着させることにつながったのではないかと考える。

 学習指導要領に明文化された言語技術を習得させることは大切であるが、それ自体を説 明的文章の学習指導過程の中核とすることは、読み手の主体性を阻むことにつながる。教 材文を批判的思考によって検討し、その特性をとらえた上で、既有知識・経験、筆者概念、

批判的思考という三つを重要な要素として位置づけられるような読みの目標を設定するこ とが読み手の主体性を保障する上で大切である。そのような目標のもとで学習指導を進め ていく過程において、言語技術が付随的に身につくような指導を目指すことで、学習指導 過程の画一化や硬直化を防ぐこともできるであろう。

第2節 「評価読み」を用いた読みの主体性を保障する学習指導のあり方

第1項 実践の前提

 第1章における先行研究の考察より、読み手の三門知識・経験、筆者概念、批判的思考 の三要素に着目することで、読み手の主体性を保障できる可能性を見出した。そこで本研 究において読み手の主体性を保障する学習指導を「読み手が自らの既有知識・経験と関わ らせながら、筆者のものの見方・考え方を批判的に検討することを通し、自らの既有知識・

経験を再構成すること」と定義した。

 第2章において対話概念を考察した結果、対話には対峙性や共同性の構築という特徴が あることが明らかになった。そして、このような特徴を持つ対話が成立する過程や結果に おいて、他者意識(これは筆者概念と関係する)、批判的思考、既有知識・経験の三要素が 賦活されることが明らかになった。つまり、説明的文章の学習指導において対話概念を導 入することは、読み手の既有知識・経験、筆者概念、批判的思考の三要素を活性化するこ

とであり、読み手の主体性を保障する学習指導を構成することになるのである。

第2項 実践の目的

 第1節における学習指導案の検討より、言語技術の習得を学習指導過程の中核と位置づ け、教材文を絶対的存在として位置づける標準型の授業においては、読み手の既有知識・

経験、筆者概念、批判的思考という三要素は賦活されず、読み手の主体性は保障されない ことが明らかになった。

 このような考察を踏まえ、本実践において読み手の主体性を保障する学習指導を計画す るにあたり、教材(=筆者)を絶対的存在としての立場から、読み手と対等な関係へと位 置づけることが必要だと考えた。また、第2章の第2節より、対話を活性化させるために は、テクストの情報性や葛藤を生み出すテクスト構造に着目することの重要性が見出され た。これらより、森田信義氏の「評価読み」の知見を援用して「テクストとの対話」を促

し、読み手の既有知識・経験と筆者概念の活性化を目指すことにした。

 教科書教材「『かむ』ことの力」は、筆者は「かむ」という普段誰もが何気なく行ってい ることを、体や生活と関連づけて新しい角度からその良さを伝えようとしている説明文で ある。図3−12に提示した本文からも分かるように、「はじめ」「中」「終わり」の典型的 な構成で成り立っている説明文である。

 まず、「評価読み」の知見を援用するにあたり、まずは読みの起点となる「テクストとの 対話」が発生するようなテクスト構造への着目を行った。つまり、読み手である児童にと って難波博孝氏の言うテクストの情報性が移行するところ、あるいは河野順子氏の言う第 三層の葛藤が生まれると予想される箇所を見つけることである。

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