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(第13報)

ドキュメント内 <955C8E862E706466> (ページ 159-200)

−腕の血圧と比例しない脳の血流−

新潟地方会 中村吉伸

【目的】これまで症状に伴う血圧変化は健康管理 の一つの目安とされてきて、腕の血圧は脳の血圧 と比例するものとして扱われてきたが、左右の血 圧と左右の内頸動脈の流量変化を測定してみると、

多くの場合は全く別個の変化を示すことが分かっ たので症例をもって報告する。

[方法]脳血管に問題がある場合の症例1と、高 血圧症とされている症例2について、左右の内頚 動脈の血流変化を外耳道に於いて皮膚温度を測定 し、血圧は上腕部で測定しバランス変化を比較検 討した。(使用機器:テルモ耳式体温計M20一対、

0MURONデジタル自動血圧計一対で構成される機器)

【結果】症例1、脳底動脈硬化症と右肩の自発痛 を訴える74才男性の治療の前後

治療前:右耳35.6度 左耳34.8度 右腕128/85㎜Hg 左腕136/84㎜Hg 治療後:右耳35.2度 左耳35.2度

右腕106/70㎜Hg 左腕109/72㎜Hg 症例2、腰と右膝の運動時痛、右膝の伸展制限 を訴える60才女性

治療前:右耳 35.8度 左耳35.5度 右腕165/93㎜Hg 左腕161/99㎜Hg 治療後:右耳 35.8度 左耳35.8度

右腕133/84㎜Hg 左腕128/83㎜Hg 症例1では右肩の痛みの消失後、左右の耳の温 度は高かった側では下がり低かった側では高くなっ て左右が等しくなった。症例2では明らかな血圧 変化と症状消失が有ったのに、耳での温度変化は ほとんど認められなかった。

【考察及び結語】結果より、知覚神経への刺激で 片側の脳が活動しているときは、左右の脳の血流 バランスに影響がでる場合もあるので、症状の強 さを知るのには脳への血流量変化が重要な指標と なるものと考えられる。また腕での血圧が大きく 変わっても、単位時間内に脳へ流込む血液量は安 定しているという周知の事実を再確認できた。腕 の血圧は個々の腕の血管の緊張に左右されるので、

現行の血圧測定方法や基準に基づく血圧の評価に は再考が必要と考えられる。

3P‑E‑14:00

連続施灸刺激がハンドリングストレ ス負荷ラット前頭前野皮質の細胞外 ドーパミンおよびセロトニン動態に 及ぼす影響

明治鍼灸大学基礎鍼灸医学教室

新原寿志、尾崎昭弘 明治鍼灸大学健康鍼灸医学教室

竹田太郎、福田文彦、矢野 忠 明治鍼灸大学臨床鍼灸医学Ⅱ教室 北小路博司 明治鍼灸大学薬理学教室 栗山欣彌

【目的】灸刺激の抗ストレス作用を明らかにする ために、ハンドリングストレス負荷によるラット 前頭前野皮質の細胞外ドーパミン量およびセロト ニン量の経時的変化に及ぼす連続施灸刺激の影響 について検討した。

【 方 法 】対 象 は Wister 系 ラ ッ ト 雄 (n=6 、 230‑250g)とし、剃毛後、2mgのモグサを背部中 央に毎日10壮、連続14日間にわたり施灸した。細 胞外ドーパミン量およびセロトニン量の測定には マイクロダイアリシス法を用い、透析液はPFC(A P:3.2、L:0.8、D:5.3)に埋め込まれた透析プロー ブ(AI‑8‑3、エイコム社)から連続回収し、リア ルタイムでオートインジェクタに送られ、6分毎 にクロマトグラフィ装置(HTEC‑500、エイコム社)

により分析された。ハンドリングストレスは、合 皮製の手袋をはめた掌でラットの背部全体を軽く タッチすることにより18分間行った。

【結果】ハンドリングストレス負荷により、対照 群(n=3)のPFCの細胞外ドーパミン量は、刺激開 始後18分で最大232±22%(Mean±SE)と刺激前値 に比較して著明な増加が観察された。セロトニン も同様に、刺激開始後30分で最大139± 19 %と著 明に増加した。一方、連続施灸群(n=3)の細胞 外ドーパミン量は、対照群に比較してハンドリン グストレスによる増加量は、刺激開始後30分で最 大167±12%と低く、その増加開始時間も遅れる傾 向が示された。セロトニン量でも、増加開始が遅 れる傾向が観察されたが、刺激開始後24分で最大 166±27%と、増加量の程度に差は認められなかっ た。

【考察とまとめ】連続施灸刺激により、ハンドリ ングストレス負荷に対するPFCの反応は抑制され る傾向が見られたことから、灸刺激による抗スト レス作用の一端を示すことができた。今後、これ ら反応の抑制のメカニズムおよびその生理学的意 義について検討を進める必要があると考えられた。

キーワード:脳の血流量 キーワード:連続施灸刺激、ハンドリングストレ ス、マイクロダイアリシス法、ドー パミン、セロトニン

3P‑E‑14:14

拘束ストレ スに対する鍼通電刺激 の影響(第4報)

−下肢刺激によるセロトニン量の変化−

国立身体障害者リハビリテーションセンター理療

教育部 加藤 麦

京都府立医科大学法医学教室 吉本寛司 明治鍼灸大学健康鍼灸医学教室 矢野 忠

【目的】前回の本学会にて我々は下肢への鍼通電 刺激(EA)が拘束ストレスにより変動した脳内ド パミン(DA)量を補完し、刺激頻度の違いにより 異なる反応を引き起こすことを明らかにした。今 回 脳 報 償 系 DA 系 と 共 役 す る 脳 内 セ ロ ト ニ ン

(5‑HT)系に対する拘束ストレス状態下での下肢E Aの作用について検討した。

【方法】雄性SD系ラットを無刺激コントロール群、

拘束ストレス群、拘束+低頻度EA群、拘束+高頻 度EA群に分けた。拘束ストレスは拘束帯を用いて 10分間固定し、EAはストレス負荷状態で足三里穴 相当部位へ低頻度では1Hz、高頻度では100Hz、10 分間行った。 脳報償系の側坐核 (ACC)、線条体

(C/P)、前頭前野皮質(FC)、中脳黒質・腹側被蓋 野(S/N)、背側縫線核(DRN)の5‑HTと代謝産物5‑

HIAA量を高速液体クロマトグラフィーにて定量し た。

【結果】拘束ストレス群の5‑HT量は無刺激コント ロール群に比べてFC、ACC、C/Pで減少し、DRNで 増加した。[5‑HIAA]/[5‑HT]比はFCと ACC で増加 した。低頻度EA群の5‑HT量は拘束ストレス群に比 べFC、ACC、C/Pで増加し、DRN では減少した。[5‑

HIAA]/[5‑HT]比はFCとC/Pで減少した。高頻度EA 群の5‑HT量はACCとC/Pで拘束ストレス群に比べ増 加し、[5‑HIAA]/[5‑HT]比はFCとC/Pで減少した。

【考察】低頻度EAは、拘束ストレスにより変動し た5‑HT量をいずれの部位でも補完する作用がみら れたが、高頻度EAではFCとDRNにおける補完作用 がみられなかった。5‑HT系におけるこれらの相違 が、前回報告したDA系に対するEAの異なる反応を 引き起こす可能性が考えられる。

【結語】EAは拘束ストレスによる5‑HT系の変動を 補完し、DA系に働きかけている可能性が示唆され た。

3P‑E‑14:28

慢性 灸刺激の脳内モノアミ ンに及 ぼす影響

−刺激部位による比較−

明治鍼灸大学健康鍼灸医学教室

福田文彦、矢野 忠 国立身体障害者リハビリテーションセンター

加藤 麦 京都府立医科大学法医学教室

吉本寛司、安原正博 明治鍼灸大学薬理学教室 栗山欣彌

【はじめに】我々は、既に鍼通電刺激がストレス による脳内モノアミン変化を補完する作用を本学 会で報告した。今回は、慢性灸刺激の刺激部位の 違 い に よ る 脳 内 ド パ ミン (DA)、 セ ロ ト ニ ン

(5HT)、それらの代謝産物(DOPAC、5HIAA)量変 化を指標に検討した。

【方法】雄性SD系ラットを用い、灸刺激群とコン トロール群に分けた。灸刺激群は、頭頂部(天門 穴相当部位:n=5)、体幹部(腎兪穴相当部位:n=

5)、下肢部(足三里穴相当部位:n=5)に分けた。

1回5壮の施灸(重さ1mg、円錐状の艾)を 10日間 行った。コントロール群は、灸刺激と同部位に同 じ艾を置き線香にて点火したのちすぐに取り除い た(n=3×3)。10日目の施灸終了後1時間以内に断 頭した。速やかに脳を摘出し、側坐核、線条体、

前頭前野皮質、扁桃体、外側視床下部、背側縫線 核、中脳黒質・腹側皮蓋野、海馬の8領域に分画 した。脳内モノアミン含有量は、電気化学検出器 接続高速液体クロマトグラフィーで定量した。

【結果】体幹部灸刺激群では、側坐核DAが増加す る傾向を示し、線条体DOPAC/DA比が有意に増加 した。下肢部灸刺激群では、前頭前野皮質DOPAC

/DA比が増加する傾向を示した。頭頂部灸刺激群 においては、有意な差は認められなかった。

【考察・結語】慢性灸刺激では、刺激部位による 脳内モノアミン量が変化する傾向を示した。慢性 体幹部灸刺激は、中脳辺縁系DA系、黒質線条体系 DA系、慢性下肢部灸刺激は、中脳皮質系DA系に対 して作用することが認められた。これらの部位は、

脳報償系に関与する部位である。慢性灸刺激は脳 報償系DA神経系に作用し、行動の動機付け、情動 変化に影響を与えることが示唆された。

キーワード:拘束ストレス、鍼通電刺激、セロト ニン、脳報償系

キーワード:慢性灸刺激、ドパミン、セロトニン、

脳報償系、脳内モノアミン

(社)全日本鍼灸学会学術大会 抄録集キーワード用語解説

(社)全日本鍼灸学会学術部編集 平成15年5月 あ

【悪性腫瘍】悪性腫瘍とは大きく癌腫と肉腫に分 けられる。癌腫とは上皮の細胞から発生した悪性 腫瘍で、肉腫とは非上皮性の悪性腫瘍となる。癌 腫と肉腫では圧倒的に癌腫が多い。(03)

【 ア ジ ュ バ ン ト 関 節 炎 】ア ジ ュ バ ン ト

(adjuvant)とは免疫学においては抗原と混合し たときに抗原性を高め、より高度な免疫応答を起 こさせる物質である。これらの反応を利用しラッ トなどの関節に adjuvant 液(結核抗体菌)を注 入し、急性の関節炎を起こさせ、慢性関節リウマ チなどの実験研究に応用されている。(01)

【圧弾性】生体は硬さの異なる層状の複合組織で 構成されているため、深さによって弾性率が異な る。圧弾性値(dyne/cm3)は、押し込み距離(深 さ)別の硬さの評価を行う指標として定義された ものであり、皮膚表面から先端子を押し込む時の 応力(δ)−押し込み距離(L)関係から、傾き Δδ/ΔLを各押し込み距離ΔL毎に求め、押し 込んだ距離で除算し求められる。(02)

【圧痛閾値】圧痛を指標とし痛みを引き起こす最 小から最大値までの圧または痛みを測定するため に用いる指標である。(01)

【圧痛点】正常時には痛みを生じない強さで皮膚 表面を押すことで痛みが生じる部位。成因として、

痛覚受容器の感受性が高い(感作した)部位と考 えられているが、中枢性の感作や触・圧入力が痛 覚情報として誤って伝わる(アロディニア)の可 能性なども示唆されている。(02)

【アトピー性皮膚炎】「増悪と緩解を繰り返す掻 痒のある湿疹病変を主体とする疾患であり、患者 の多くはアトピー素因をもつ」と定義されている。

Hanifin と Rajka の診断基準が世界で最も参考に されているが、本邦では日本皮膚科学会が 1994 年に提唱した診断基準が広く用いられている。

(03)

【アレルギー】アレルギーの意味は変わった働き という二つの言葉からなっている。現在アレルギー は4型に分類される。 1型アレルギーは IgE 抗体 が関与する反応で、気管支喘息、アレルギー性鼻 炎、アナフィラキシーが代表的な疾患である。2 型は細胞障害型の反応といわれ、自己免疫性溶血 性貧血がこの反応によっておこる。3型は免疫複 合体と補体が関与する反応で、糸球体腎炎やルー プ腎炎、過敏性肺臓炎を引き起こす。4型は抗原 に感作されたTリンパ球による反応である。この 代表的な反応がツベルクリンである。その他とし て薬品による接触性皮膚炎が有名である。(03)

【アロディニア:allodynia】触・圧覚など、通 常では痛みを誘発しない非侵害性刺激によって誘 発される異常な痛みをアロディニアと定義されて いる。正常の人では痛みを感じない程度の刺激で も痛みを感じる状態をいう。アロディニアは、触 刺激によって痛みが引き起こされ、痛覚閾値が低 下している点が特徴である。発症は神経傷害によ り、C線維終末の萎縮や変性が生じて、本来C線維 が入力すべき脊髄後角の第Ⅱ層部に触覚に関わる A線維が侵入することが原因とも考えられており、

臨 床 的 に は 帯 状 疱 疹 後 神 経 痛 に み ら れ る 。 (99)(00)

【アロマテラピー】芳香療法のこと。主に植物精 油を用い、心身症や皮膚疾患などの病気を芳香で 治療する治療法。命名者はフランスのガットフォ セで、約100年前 (1897年) に命名された。(99) い

【胃電図:Electrogastrography(EGG)】胃の電気 活動を表面電極を用いて経皮的に記録したもの。

胃電図は胃の大弯側上部約1/3辺りに存在すると されているペースメーカーから1分間に約3回の規 則的な周期で出現する波形で示され、その周期は 胃運動の出現サイクルを調律しており、振幅は胃

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