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(第2報)

ドキュメント内 <955C8E862E706466> (ページ 139-150)

−習慣流産患者における流産率の検討−

東洋医学研究所 グループ明生鍼灸院

高橋順子、木津正義、小林美鈴、鈴木裕明

【目的】不育症の中でも、連続3回以上の流産を 繰り返す習慣流産は患者の認識も確立しており、

専門機関を受診し原因の究明を行うも、依然、原 因不明の流産を繰り返すものが半数である。そこ で今回、このような西洋医学的原因の不特定な習 慣流産患者に対し鍼灸治療の効果を検討したので 報告する。

【方法】1998.5〜2002.5までの4年間に明生鍼灸 院を来院した西洋医学的原因の不特定な習慣流産 患者14名のうち、鍼灸治療を一定期間継続し妊娠 に至った7名(初診時の最少年齢29歳、最高年齢 3 9歳、 平均年齢 34.0±3.7歳、平均 流産回 数3.4±

0.5 回、平均不妊歴5.6±2.6年)を対象とし、流産 率及び生児獲得率について調査検討した。

【結果】対象患者7名中、流産群1名(流産率14.3%)

生児獲得群6名(生児獲得率85.7%)となった。

【考察と結語】一般に偶発的自然流産頻度は13.0

〜15.0%であるが、習慣流産における次回妊娠時流 産率は44.6〜60.0%と連続した流産は流産率が高 くなると種々報告されている。しかし、今回の結果 より対象患者は鍼灸治療を行うことで偶発的自然 流産頻度と同様の低い流産率(14.3%)を得たこ とより、鍼灸治療は習慣流産に対し効果があった と示唆された。鍼灸治療の不育症における作用機 序は不明であるが、不育原因の1つに子宮動脈の血 流不全がいわれており、鍼灸治療が血流改善に効 果があることから、子宮動脈における血流改善の 可能性が示唆される。また、胎児が拒絶されず妊娠 継続するには巧妙な免疫学的妊娠維持機構の関与 が容易に想像されるも未だ不明であり、これまで にも鍼灸治療が内分泌・免疫系等に影響を与える との報告が多数あることから、婦人科(不育)分 野でも何らかの関与が推察されることより、今後、

西洋医学的原因の不特定な不育症患者に対する鍼 灸治療による作用機序の解明を課題としたい。

3O‑C‑10:24

妊娠中の腰痛に対する鍼灸治療効果 の検討

筑波技術短期大学鍼灸学科 形井秀一 筑波技術短期大学附属診療所

青田忠洋、村山武志

【目的】演者らは、1998年3月から2002年11月ま での約4年8ヶ月の間に、妊娠中の腰痛の患者 55 名に対して鍼灸治療を行い、一定の効果を得るこ とが出来たので報告する。

【対象と方法】対象は腰痛を訴える妊婦55例で、

平均年齢30.3±3.9歳、初産婦17例、経産婦38例 で あ った 。 平 均身 長 158.0 ±4.5cm 、 平均 体 重 56.6 ±6.7kg、妊娠前に比べた平均増加体重(29 例)7.3±9.0kg、平均血圧104.0/59.9mmHgであっ た。平均罹病期間8.4±7.6週、平均治療日数30.0

±32.9日、平均治療回数4.0±2.8回であった。

刺鍼は、下腿か痛み局所の皮下に数ミリ刺入し、

単刺術や雀啄術を行った。また、棒灸を痛み局所 に行った例もあった。

治療の評価は、初診時の痛みの強さを10として、

スコアが5〜6となった場合をやや有効、3〜4となっ た場合を有効、2以下となった場合を著効とした。

【結果】結果は終了34例、中断18例、継続3例で、

治 療 効 果 は 、 著 効 26 例 (47.3%)、 有 効 13 例

(23.6 %)、やや有効10例、無効1例であり、有効 以上が39例(70.9%)であった。

【考察と結語】一般的に、筋筋膜性の腰痛に対し て鍼灸は効果が高いと報告されているが、妊娠中 の腰痛55例に対しても、70%以上と高い治療効果 を示した。

しかし、物理的な体重等の変化よりも、妊娠そ のものや以前から有する腰痛の影響が強いと考え られる妊娠早期に発症した症例に対しては、鍼灸 の治療効果は低かった。また、全例に有害な事象 の出現は見られなかった。

キーワード:習慣流産、不育症、流産率、生児獲 得率、鍼灸治療

キーワード:妊娠、腰痛、鍼灸治療、温灸、有害 事象

3O‑C‑10:36

「演題取り消し」

3O‑C‑10:48

子宮・卵巣点と婦人科疾患との関連

岐阜地方会 松山幸枝、河村みゆき

神戸東洋医療学院 河村廣定

【目的】月経困難症、不妊症などの婦人科疾患に は鍼灸治療が有効であるとされている。それらで は生殖器の体表面に当たること、脊髄支配神経レ ベルが隣接していることなどから、下腹部に治療 点を求める例も見られる。一方、婦人科疾患は、

風邪などの炎症性疾患や、心理的要因にも影響さ れ、多くの要因によって、その病的状況は変化す ることが知られている。そこで、婦人科疾患によ く用いられる子宮・卵巣点の経穴反応と患者の愁 訴との経時的変化を調べ、それら治療点の診断的 あるいは治療的意義について検討した。

【方法】対象は平成14年1月から3月に来院した女 性患者7名(平均年齢33歳)に問診表の記入を依 頼し、月経周期、自律神経症状、頭痛などの身体 的症状、風邪の症状などについて調査した。通院 は週1回を原則とした。治療方法は中 、期門な ど内臓器官の代表点、婦人科疾患の関連として子 宮・左右の卵巣点を触診し、反応が消失するまで 置鍼、撚鍼などの刺激を行った。施術者側の所見 として、子宮・卵巣点の反応出現範囲に印を付け、

その面積を測定した。また子宮・卵巣点の反応が 消失するまでに要した手技や時間を刺激量として 記録し、反応点面積や加えた刺激量の経時的変化、

問診表との関連を調べた。

【結果および考察】問診表における身体的症状―

風邪の症状・自律神経症状との間に相関が認めら れた。しかし、それらと子宮点などとの関連は認 められなかった。また、子宮・卵巣点の面積と刺 激量は経時的に減少傾向を示し、それと同時に月 経周期も改善された。これらのことは、痛みや自 律神経症状が風邪によって誘発される可能性を示 唆している。同時に子宮・卵巣点の反応の大きさ やその程度が、女性生殖器機能と密接であったこ とから、それらの部位は婦人科疾患の診察や治療 に有用であることを示唆している。

キーワード:子宮点、生殖器機能、卵巣点、反応 点、風邪

3O‑C‑13:00

手術侵襲による免疫抑制に対する術 前鍼通電の影響

明治鍼灸大学外科学教室 田口辰樹、咲田雅一

【目的】我々は昨年本学会において、術前鍼通電 が手術侵襲による術後の免疫抑制を防止すること ができたことから、そのメカニズムとして視床下 部‑下垂体‑副腎皮質系(HPA系)および交感神経 系(SNS系)による免疫抑制経路を鍼通電が抑制 することにより術後の免疫抑制を防止する可能性 について報告した。そこで今回、手術侵襲および 術前通電が血中ACTH、コルチコステロン(HPA 系)、 ノルアドレナリンおよびアドレナリン(SNS系)

に及ぼす影響について検討した。

【方法】動物はSD系雄性ラットを用いた。手術侵 襲ラットは背部の皮膚を6cm切開した後縫合して 閉創し、さらに腹部に5cmの正中切開を行い、腸 管を腹腔外に露出させ滅菌湿ガーゼで30分間被覆 後、腹腔内に還納、縫合閉腹して作成した。術後 24時間、72時間後に脾細胞を用いてNK細胞活性お よびリンパ球芽球化反応を検討した。さらに術後 3時間、24時間、72時間後に血液を採取し血中ACT H、コルチコステロン、ノルアドレナリンおよび アドレナリン量をEIA法および ELISA 法にて測定 した。鍼通電は手術2日前から開始し手術当日ま で連日で計3回、一側後肢前脛骨筋に2Hz、3mAで1 時間行った。

【結果・考察】手術侵襲によりNK細胞活性、リン パ球芽球化反応共に抑制されたが、術前鍼通電は それらの抑制を防止した。さらに手術侵襲により 非鍼通電群の血中ACTH、コルチコステロン、ノル アドレナリンおよびアドレナリンは術後著明に増 加した。一方、鍼通電群は非鍼通電群に比べそれ らの値が有意に低値を示した。以上の結果から、

術前鍼通電が手術侵襲による免疫抑制を防止する メカニズムとして、HPA系およびSNS系による免疫 抑制系路を鍼通電が抑制した可能性が考えられた。

3O‑C‑13:12

体性 感覚刺激における腸管 神経系 とCD11b陽性細胞の変化

−神経系と免疫系の関連−

横浜市立大学医学部解剖学第2講座 久島達也 富山国際伝統医学センター

上馬場和夫、田口裕紀子

【目的】体性‑内蔵系に関する研究が多くある中、

鍼刺激による効果も基礎研究によって明らかにさ れつつある。今回、鍼刺激が腹部消化器系に及ぼ す影響のメカニズムを解明するため、腸管神経系 および免疫担当細胞などに着目し、免疫組織化学 的な検討を行った。

【方法】ネンブタール麻酔下ICRマウスの三叉神 経第1枝領域に刺鍼し、30分間捻鍼した。その後、

灌流固定し、結腸を剖出、10μmの凍結切片を作 成 し 、 Protein Gene Product (PGP) 9.5 、 Tyrosine Hydroxylase(TH)、Serotonin(5‑HT)、

Neuropeptide tyrosine (NPY)、 neuronal NO‑synthase (nNOS)、 Vasoactive Intestinal Peptide(VIP)、Substance P(SP)、CD11b抗体を 用いて蛍光免疫組織化学重染色を行った。

【結果】鍼刺激群ではPGP9.5、TH、5‑HT、NPY、VI P、SP陽性反応の増加がみられた。VIP 陽性反応 は筋間神経叢、粘膜下神経叢および絨毛中に、SP 陽性反応は筋間神経叢中に多く確認した。一方、

nNOS陽性反応に顕著な変化は認められなかった。

CD11b陽性反応はコントロール群では、粘膜下神 経叢周囲、絨毛中の神経線維周囲に、鍼刺激群で は、コントロール群に比べ減少し、絨毛先端部か ら基部にかけて散在した。

【考察】神経系ではnNOS陽性反応以外すべてに変 化が認められた。TH陽性反応より特にVIPや SPが 顕著に増加したことから、交感神経系よりも副交 感、知覚神経系による腸管への影響が考えられる。

また今回の結果は鍼刺激による免疫担当細胞への 作用の可能性を示唆する。CD11b陽性細胞の一つ で ある マク ロフ ァ ージ はNerve Growth Factor

(NGF)によって神経を活性させることなども知ら れている。今後、体性感覚刺激によるCD11b陽性 細胞と神経活性との相互作用について検討する予 定である。

キーワード:手術侵襲、免疫抑制、鍼通電、視床 下部‑下垂体‑副腎皮質系、交感神経 系

キーワード:鍼刺激、腸管、マクロファージ、自 律神経系、知覚神経

ドキュメント内 <955C8E862E706466> (ページ 139-150)

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