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= 0.9701 n=34 100

10

本種がほとんど観察されなかった福泊港外側の岸壁に沿ったテトラポット群,

およびそれに続く岩礁の水深1・5mの場所で、多く見られるようになった。 後 述するように岸近くへ移動した雄は縄張りを形成し, 雌は普通群れを作り ゆっくり遊泳していた。

これら浅瀬に出現した雄では9・12月の間, 縄張り行動と求愛行動が観察さ れた。 1986年・1987年にわたる観察区における行動観察では, 1月に入ると求 愛行動の頻度が低くなり, 縄張り雄の個体数は減少した。 また, 1987年8月 下旬には縄張り行動を示す雄が出現し始めた。 これらの結果から観察区と その周辺における本種の交尾期間は9月・12月と考えられた。

4. 交尾期の社会構造

交尾期間中, 本種の雄は前2種同様に縄張りを形成するのが観察されたが,

雌は縄張りを持たなか った。 本節ではオキタナゴの交尾期の社会構造と雌雄 の行動の観察結果を述べる。

(1)雄の縄張り社会 (a)雄の縄張り形成

観察区内に出現する雄の遊泳軌跡, 雄同士の闘争行動の場所を観察, 記録 して各雄の縄張りの場所と広さを決定した(Fig.51)。 観察区内には, 個体 識別が完了した10月・12月までの観察期間を通じて合計51個の縄張りが維持 された。 このうち9個はOlder雄の縄張り, 残りの42個はYOY雄の縄張りで あった。 9個のOlder雄の縄張りは観察期間中, それぞれが同ーの個体によっ て維持された。 YOY雄では, 観察期間中に4つの縄張りで持ち主が別の YOY雄に入れ替わり, このうちの2つの縄張りでは雄の交代が2回起こった (#5→25→33, #23→34→36, Fig. 51)。 このため, 10-12月に観察区内に出 現した縄張り雄は合計57個体であった(Table 12)。 これらの雄の体長(水

; ;Te附0附of

YOY

male (

* :

mating si刷

同一NO

Fig.51. Territories of 9 Older and 42 YOY males of Neoditrema ransonneti at the study area. Each number indicates individual number ( shown Table 12) of males.

Individual number of the males taken over was shown in the parenthesis.

Tablel2. Individual number, size, and size group of territorial males of Neoditrema ransonneti individually discriminated in the study area. Size (Sし) was estimated by underwater observation. Individuals marked with asterisk were taken over by another male shown in the parenthesis.

No. Individual No. Sし(mm) Size group No. Individual No. Sし(mm) Size group

75 YOY 44 63 75 YOY

2 2 75 YOY 45 64 75 YOY

3 4 75 YOY 46 65*(64) 75 YOY

4 5 75 YOY 47 66 70 YOY

5 6 80 YOY 48 67 75 YOY

6 7 100 Older 49 68 75 YOY

7 8合(9) 80 YOY 50 69 70 YOY

8 9 75 YOY 51 71 105 Older

9 10 75 YOY 52 72 100 Older

10 1 1 75 YOY 53 73 100 Older

11 12 75 YOY 54 74 70 YOY

12 13 80 YOY 55 75 95 Older

13 16 75 YOY 56 76 75 YOY

14 17 65 YOY 57 77 70 YOY

15 18 70 YOY

16 19 75 YOY

17 20 7S YOY

18 21 85 YOY

19 22 75 YOY

20 23 75 YOY

21 24 75 YOY

22 25*(5) 70 YOY

23 27 75 YOY

24 28 70 YOY

25 29 70 YOY

26 30 80 YOY

27 31 75 YOY

28 32 95 Older

29 33*(25) 75 YOY

30 34台(23) 80 YOY

31 36合(34) 75 YOY

32 50 75 YOY

33 51 70 YOY

34 52 100 Older

35 53 75 YOY

36 54 75 YOY

37 55 75 YOY

38 56 85 YOY

39 57 75 YOY

40 58 100 Older

41 59 85 YOY

42 61 75 YOY

43 62 100 Older

中日視観察)は, YOY雄で約65・85 mm, Older雄で95・105 mmであり, 採集 標本の範囲内にあった(Table 12)。

(b)縄張りの広さと mating site

観察区内とその周辺でみられた雄の遊泳軌跡から求めた縄張り面積はFig.

51に示すよ うに, Older雄で直径 (長径 )2.5-4 mで平均7.5 m 2 (range 6 .6・

9.9+1.0 SD, n=9) , YOY雄で1・4 mで平均4.0 m2 (1.2・7. 9+1.4, n=44)で あった。縄張りは水深1・7 m の場所で見られたが, YOY雄の縄張りには, 表 層膚中層だけを範囲として海底部分を合まないものと, 表層ー中層に加えて 交 尾場所(mating site)と考えられる海底部分を合むものがあった。表層ー中層 のみに見られる縄張りでは, 明確な交尾場所は認められなかった。 これに対 しOlder雄の縄張りはいずれも表層・中層と海底部分を合んでおり, 海底には 平坦でしかも転石やテトラポットの足に固まれた 直径0 .5・1 mのmating site が確保されていた。

(c)雄聞の縄張り行動

縄張りの境界線付近では, 隣り合う雄同士の威嚇行動が頻繁に観察された。

威嚇は2個体の雄が縄張りの境界を挟んで向かい合い各鰭, 特に胸鰭を広げ て誇示しつつ瞥鰭付近を小刻みに震わせる正面誇示行動(frontal display) により行われた。 この後境界線付近で2個体の雄が吹みあう闘争(fighting) もしばしば観察された。また, 他の雄が縄張りに侵入する例がしばしば観察 された。 この時には縄張り雄は侵入雄を激しく攻撃し, 相方の雄がもつれる ように泳ぎながら吻でつつき合 う行動も観察された。fighting が激しい場合 には, 雄の体側に一本の白色縦帯と白色斑紋が生じた。

上記のような縄張り行動はYOY雄問, および, Older雄間で観察されたが,

本種ではさらにOlder雄とYOY雄の聞でも見られ, ウミタナゴ属の2種と異

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