IMAP/VISI
バイコヌール宇宙基地には全部で 9 つの打上げ施設(射点)がありますが、その うちの 2 つは、ソユーズロケット用の射点です。
3. 国際宇宙ステーション概要
3.4 ISS での水・空気のリサイクル .1 水の再生処理
3.4.2 空気の供給 (1) 酸素の供給
ISS
には米露の
2台の酸素生成装置が設置されています。ロシアの装置は、ズ ヴェズダ内に設置されている「エレクトロン」で、米国の装置は、トランクウィリ
ティー内に設置されている酸素生成装置OGS(Oxygen Generation System)です。
どちらも水を電気分解する事で酸素と水素を発生させて、酸素を供給します。
副生成物となる水素は船外排気されます。
(注:
2010年末からは
OGSで発生した水素を二酸化炭素と反応させて水に再生 するサバチエ装置が使えるようになりました。 )
ISSを訪問する宇宙機にも酸素と空気を搭載して補給を行っています。ロシア
のプログレス補給船と、欧州宇宙機関の欧州補給機
(ATV)によって酸素や空気が 供給されます。これらはタンクのバルブを開いてガスを船内に放出するだけの 単純な方法が使われています。
シャトルのドッキング時には、
ISSの「クエスト」エアロックの外部に設置さ れている高圧酸素タンクと窒素タンクにガスを補給する事が出来ました。これ らのガスも在庫は十分残っているため、酸素生成装置で酸素が十分生成できな いトラブル発生時には、これらの酸素を使用する事が出来ます。
また、ロシアは固体燃料を使う使い捨ての酸素発生装置
(SFOG)を有しており、
非常時にはこれを使用する事が出来ます。
図
3.4.2-1ロシアの酸素生成装置エレクトロン
星出宇宙飛行士長期滞在プレスキット
図3.4.2-2 ズヴェズダ内に設置されているSFOG容器2本(矢印)
図
3.4.2-3米国の酸素生成装置
(OGS)星出宇宙飛行士長期滞在プレスキット
(2)
二酸化炭素の除去
ISS
内には米露の二酸化炭素除去装置が装備されています。ロシア側の装置は、
Vozdukh「ヴォズドーク」と呼ばれており、米国側の装置はCDRA(Carbon Dioxide Removal Assembly)
「シードラ」と呼ばれています。どちらも化学反応 で二酸化炭素を吸着し、吸着した二酸化炭素は宇宙空間に排出する方法で連続 的な処理を行えます。
(注:
2010年末からは
CDRAで吸着した二酸化炭素を
OGSから発生する水素と 反応させて水に再生するサバチエ装置が使えるようになったため一部再利用。 )
図
3.4.2-4米国の二酸化炭素除去装置
(CDRA) (修理時の写真
)図
3.4.2-5ロシアの
Vozdukh (表面に見えているのはバルブパネルのみ
)星出宇宙飛行士長期滞在プレスキット
(3)
有害ガス成分の検知・除去
ISS
内には、米露の有害ガス検知装置と有害ガス除去装置が設置されています。
ロ シ ア の 有 害 ガ ス 除 去 装 置 は
BMPと 呼 ば れ て お り 、 米 国 側 の 装 置 は
TCCS(Trace Contaminant Control System)と呼ばれています。
図
3.4.2-6米国の有害ガス除去装置
(TCCS) (修理時の写真
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4 船外活動(EVA)について
4.1 船外活動(EVA)とは
宇宙飛行士が宇宙船の外で行う各種作業のことを、船外活動(ExtraVehicular Activity:EVA)と呼びます。世界で初めてのEVAは、1965年3月18日(米国時間) に旧ソ連のヴオスホート2号でレオノフ宇宙飛行士によって行われました。
一方、米国初のEVAは1965年6月3日(米国時間)、ジェミニ4号のエドワード・ホ ワイト宇宙飛行士によって行われました。
宇宙飛行士がエアロック(宇宙空間への出入り口として使う気圧調整用の部屋) を通って宇宙船の外に出て作業する場合には、真空や高温、低温といった宇宙空 間の過酷な環境から宇宙飛行士を守るために、船外活動用の宇宙服を着用しなけ れ ば な り ま せ ん 。 こ の 宇 宙 服 の こ と をNASAで は 船 外 活 動 ユ ニ ッ ト (Extravehicular Mobility Unit: EMU)と呼んでいます。この宇宙服には小型の生 命維持装置が取り付けられており、宇宙で作業を行うために様々な機能が備わっ ています。
この船外活動ユニットは、体温を保持したり、有害な紫外線、宇宙線や微小な 宇宙塵から体を守り、宇宙飛行士が安心して船外で作業を行うことが出来ます。
(1)ISS建設におけるEVAの必要性
国際宇宙ステーション(International Space Station:ISS)の組立てには1,260時間 (約200回)以上の船外活動(Extra-vehicular Activity:EVA)が必要となります。シャト ルで運んで単純にロボットアーム等を使用して結合させただけではISSは使えません。
現在のロボットアームの能力には作業スピードや精密さの点で限界があり、細かい作 業は人間が行わざるを得ない状況です。打上げ時に固定していた打上げ固定具の解除、
電力・通信・流体配管の接続、壊れやすい小型の機器や実験装置の取り付け、故障し た装置の交換、機器等の設置場所の移動など様々なEVA作業が必要になります。
(2)エアロック、宇宙服の選択
ISSにはエアロックが2つあります。1つは、米国が開発したジョイント・エアロック
「クエスト」で、もう1つはロシアの「ピアース」です(エアロックに関しては4.1.4項 を参照下さい)。基本的には、米国側部分の作業を行う場合には、米国の船外活動用宇 宙服(Extra-vehicular Mobility Unit:EMU)とクエストを使用し、ロシア側の作業を 行う場合にはロシアのオーラン(Orlan)宇宙服(2009年6月に新型のOrlan-MKを
Orlan-Mに代わって使用開始)とピアースを使用します。
ピアースは、2013年頃には廃棄される予定のため、その後はMRM-2「ポイスク」が エアロックとして使われるようになる予定です。
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(3)シャトル時代のEVAとISS時代のEVAの違い
シャトル単独でのEVAとISSでのEVAの大きな違いは以下の通りです。
・セルフレスキュー装置の導入: シャトルのEVAの場合、誤ってEVAクルーが投げ 出されてしまっても、シャトルが救出しに行くことが出来ましたが、ISSの場合はそ のような機動的な対処は無理です。このため、セルフレスキュー用の装置として、ISS 建設用にEVA時のセルフレスキュー推進装置(Simplified Aid For EVA Rescue: SAFER)が開発されました。(詳細は、4.1.5項(2)⑤を参照下さい)ISSで米国のEMU を使う場合にはSAFERの装着が義務づけられています。
・ 快適性の向上: シャトルのEVAではシャトルの貨物室の内側や、その近くで作業 を行いましたが、ISSでの作業の場合は構造物から遠く離れた場所で作業を行うこと になり、温度低下が激しくなることから、シャトル用の宇宙服では冷えすぎること が分かりました。このため、冷却水の循環を緩やかにしたり、指先にヒーターを装 着したりする改良が行われました。また、手先の細かい作業を行いやすくするため の改良や、指先と手のひらのゴムが剥がれにくくするための強化も行われました。
・プリブリーズ手順の進化: ISSの組立てでは、EVA回数が多いため、EVA準備作業 の1つであるプリブリーズ(体内の窒素抜き)時間を減らす必要がありました。このた め、ISS用として新たにエクササイズ・プリブリーズという手法が開発され、プリブ リーズ時間を大幅に削減しました。その後、クエスト内を3/4気圧に下げた状態で一 晩過ごすキャンプアウトという方法を使うようになり、プリブリーズ時間は長くなり ますがシャトル時代と同様に起床後すぐに作業に着手できるように見直されました。
さらに2011年夏からはISLE(In Suit Light Exercise)という方法が開発され、宇宙服 を装着して手脚を軽く動かすだけで、エクササイズ・プリブリーズよりもプリブリー ズ時間を約1時間短縮し、約3時間で済むようになりました。
・新しい機器の導入: 宇宙服のヘルメットにTVカメラを標準装備して、地上でもク ルーの目線で作業状況をリアルタイムで確認できるようになったほか、照明の向きを 調節できるようにし、2010年には照明をLED化。主バッテリも2011年にはリチウム イオン電池に切替えられました。また、EVA用の電動工具や様々な工具が開発される など、EVAの作業効率や宇宙服の整備性はISSの建設が始まる前と比べると飛躍的に 向上しました。
(4)EVA時の注意点
EVA時には、宇宙飛行士が誤って宇宙機から飛ばされないように、安全、かつ確実 に船外活動を行うことが要求されています。このため、移動する際には2本のテザーを 使用して、1本は必ずどこかに固定しておき、誤って手や足の固定を外してしまって宇 宙機から離れてしまわないようにしています。テザーの使用は、高所作業で使われて いる命綱と同様の役割です。
また、アンテナや実験装置等の繊細な機器を足で蹴って壊したりしないように注意 しなければなりません。さらに、鋭利な箇所で宇宙服を破かないよう注意する必要も
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あります。このため、触ったり、近づいてはいけない場所(Keep Out Zone)が決められ ています。EVA訓練時には、そのような場所に注意して訓練が行われています。
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4.2 宇宙服及び関連システム概要
米国のEVAを実施するためのシステムは、次の3つの要素から構成されます。
①船外活動ユニット(Extravehicular Mobility Unit:EMU)
② エアロック
③ EVA工具、EVA支援機器
これらはさらに幾つかの要素から構成されます。
図4.2-1 EVAを実施するためのシステム全体の構成概要
EVAを実施するためのシステム
エアロック ハッチ 制御パネル EMU支援設備
エアロック アンビリカル
その他 生命維持システム(LSS)
主生命維持システム(PLSS)
二酸化炭素除去カートリッジ バッテリ
表示制御モジュール (DCM)
二次酸素パック(SOP) 宇宙服アセンブリ
上部胴体/腕部 下部胴体 ヘルメット
通信用ヘッドセット 冷却下着
集尿具
心電計キット ドリンクバッグ
TVカメラ EMUライト グローブ
船外活動ユニット(EMU) EVA工具
EVA支援機器
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4.2.1 米国の宇宙服(EMU)
米国の宇宙服である船外活動ユニット(EMU)は宇宙飛行士を宇宙環境から保 護するとともに宇宙飛行士の生命を維持して、船外活動を行うための装置です。
EMUは大きく2つの部分から構成されます。EMUの重さは約120kgです。
① 宇宙服アセンブリ ② 生命維持システム
EMUは計画上、約7時間のEVAが可能です。ただし、酸素の消費量には個人差 があるため、実際にはもう少し長時間の作業が行われることがあります。
EMUは、米国のハミルトン・サンドストランド(Hamilton Sundstrand)社が製 造しています。
図4.2-2 EMUの構造
(出典:National Space Transportation System Reference.
Volume 1 Systems and Facilities)