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社会科の具体目痩と内容 1。嬉理的分野(1)具体目棲2.

述になっているばかりか,「大戦」の何を反省し,「戦争」の何が不幸 であったのか不明確である。国際関係の変転としての歴史の中に,付け 加えとして書かれているにすぎないとさえ感じられる。高等学校学習指 導要領には,「戦争のもたらす人類の不幸や損失について深く考えさせ

る。」という同じ文言が,「日本史」と「世界史A」および「世界史B」

に書かれている。

 以上のように,昭和30年代の学習指導要領は,戦争の実態とその影響 について具体的に学習することを殆ど期待していない。戦争の一般論を 述べているだけで,他国民に対して行った加害行為はもちろん,日本人 が自分の不幸として実感した被害の実態さえ学習の対象となっていない。

イ) 戦争の原因追及

 戦争の原因追及についての学習は,1955(S30)年版中学校学習指導要 領に見られる。

ウ) 平和への努力

    ①平和を望む理由

 昭和20年代の学習指導要領では,戦争のもたらした悲劇の現実の上に,

必然的に平和への願望が出てきていた。昭和30年代の学習指導要領は,

平和を守る努力を続けなければならない理由を次のように述べている。

       ,955 S39)年叛小学校学習指導蚕領社会科編    ta 6学年 『日本と世界』

  C3,人々の平和を願う気持ちにもかかわらず,世界の国々は,これまで幾度か戦争という手段で争    ってきたが,特にモの破填力が大きくなった今日では,それぞれの国の独立を尊璽し台って平和    を守る努力を続けなけれぽならない。6》

      195釧S33)年阪小学校学蟹指導要領 社会

 第6学年 2.内容

{ti}このような世界の国々は,叢近のめざましい交過,遍信,報道椴閥の発達などによって,亙い  に深く結びつくようになったが,一方国家問の利害の対立や紛争はなお絶えず,持に原子力時代  と言われる今日では,これを戦争という手段によって解決しようとすれば,人類全体にとって恐       7)

 るべき結果が予想されるので人々の平和への願いはいつモう窩まってきている。

       同中学校学習指導璽領    第3学年 2.内容 {5)世界と日本

  「国際平和と国際協力」については,核兵器の使用される危険姓のある現状のもとでは,ひとたび   戦争が起これば,それは人類を破減に陥れるおモねがあることを考えさせ,平和への熱意と協力の         8)

  態度を養う。

 平和を求める理由として,戦争の反省が消え,代わりに登場したのが 原子力時代の到来である。原子兵器の破壊力が大きく,人.類金体の尚題

になってきたから平和が望まれるという理由付けになっている。

一 119 一

   ②平和の条件

世界平和の根本要件を1955(S30)年版申学校学習指導要領社会科編は

9}条豹改正の歴史飼事実や,畷治以後の日本の外交政策など②理解を沸して,国家の独立という  :とが,自分是ちの幸福のためにも,世雰平和のたthにも,いかに橿本的な要件かということを        9>

 考えさせる。

と述べている。国家の独立が世界平和の根本要件はであることを強調し ている。このことは,1952年の日本の独立と深い関係があると同時に,

当時のアジアの国々の独立の動きとも関連があると考えられる。

    ③平和への努力と方法

 まず,平和への努力や平和維持の方法についてどのようなことが書か れているか,抜き出してみる。

       tg65{S 3励年飯小学校学習指導要領社会科編  第6学年「日本と世界」

現在の世界には,国際達含,ユネスコ,赤十字等,平和を守り,科学や文化の交流を高めようとす る活動が,いろいろな姿で行われているが,函を愛する心と広く世界に学ぶ心を一つに持って,こ        10>

れらの働きをよく理解し,わが国の今後の発展について考えることがたいせつである。

      篭955{s3e)年飯中学校学習指導要領 2.歴史的分野  (1)具体目棲

(8}日本や世界において,人闘糠沢のために,また平   のために  した 々の信仰・患想や  業績に学び,それをどのようにして脅分たちの生活に生かそうかということについて考えさせる。

le)世界平和がわ牟われの生活にとってどんなに大切であるかということ,平和は,他から与えら  れるものでしなく,われわれが積極的に努力するaとによってのみ得られるものであることを理解  させ,     を つたり   が いに つたりすることが,国際親善と世界平和を妨げる

ものであることを考えさせる。このようなことについてPt 1近代における日本とアジア面目間の        11)

園孫について,特に考えさせる。

一 12g 一

  (2)内容

(5)世界の各国民はすべて自 を し,その平和と繁栄を願い,自 の {を めようとすること 蛙ユェ⊥世界の平和,人類の福祉に寄与するものであることを理解させ,日本の国民として,

       重2)日本のためにモの責任を果たモうとする熱意と懸度を餐う。

重gss{s 33}年日中学絞学習指導璽領

 1 目樋

5,国と国との開藻は,  に  の立 で  しあい その  を いに  することによって,

は¢めて平和な闘係を門口できるものであることを理解させ,国際的視野に立って,他国民と椙

       t3}力し,世界の平和の確立に貢献しようとする態度を養う。

 2 内容

5,(平和への熱意と協力の鰹度を養うためには)国際櫨力椴関についての關心を高めさせる必要 がある。とりわけ,国際達食やユネスコをは噛めおもな国際連台の専門機尉については,その組        呈4)繕と活動のあらましを理解させる。

 これを個人のレベル,国家のレベル,国際機関のレベルに分けてみる。

 まず,個人のレベルにおいては,平和維持のために努力した人々の借 仰・思想や業績に学び,それを自分の生活たいかに生かすかを考えさせ

ることになっている。そして,平和は個人の積極的努力によってのみ得 られるものであり,民族的偏見が世界平和の阻害要因となると述べられ ている。また,国民はすべて自国を愛するものであるとして,自国の平 和と繁栄と文化の向上が世界平和に寄与すると述べられている。国のた めに国民としての責任を果たすことが平和につながるというのである。

 次に,国家のレベルでは,国と国が対等の立場で尊敬し合うことが大 切で,国家が互いに疑いを持つことが平和の阻害要因と考えられている。

 国際機関のレベルでは,国際連合とその専門機関についての学習が中 心となっている。しかし,国際機関の学習は,小学校においても中学校 においても世界における日本の地位を理解させるための学習として{立置

一 121 一

づけられている。

 昭和30年代の学習指導要領の「平和への努力」の内容を総合すると,

「原子力時代になり,危険の大きい戦争を避けるために平和でなければ ならない。平和のための根本的条件は国家の独立であり,国と国とは対 等でなければならない。国民が平和に寄与する方法は,国の繁栄と文化 の向上に尽くすことであり,国は,平和のために国際的地位を向上させ なければならない。」とまとめることができる。

 昭和20年代の学習指導要領では,「平和への努力」の一つの主体とし て,平和運動が取り上げられていたが,昭和30年代の学習指導要領から は消えている。そのわけは,政治的背景として後述する。

 昭和2◎年代版学習指導要領との比較において,昭和30年代版学習指導 要領の直接的暴力の否定に関する内容をを見たとき,その特徴として,

次の点を挙げることが出来る。

①偏った平和教育観

  広島県教職員組合を母体として設立された,広島平和教育研究所の  示した平和教育の3つの目的,すなわち,

 7) 戦争の実難とモの彰響   n  戦争の基因追求   ウ, 平和への努力

 の視点から見ると,昭和30年代版学習指 導要領は,次のような結果  となっている。

 ア)戦争の実態とその影響についての学習は,全く不十分である。戦   争の学習が,歴史学習の一一部としてしか捉えられていない。

 イ) 戦争原因の追及についての学習が殆ど考えられていない。

 ウ) 平和への努力については,その主体を個人,国家,国際機関にお   いて捉え,国家をその中心としている。量的には多く書かれている。

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  昭和20年代版学習指導要領は,3っの目的の内容を,一応全て含ん  だものとなっていたが,昭和30年代版学習指導要領は,「平和への努  力」の学習に偏ったものにSSっているということが出来る。これでは,

 戦争と平和についての体系的理解が困難となるであろう。課た,平和  について知識的理解に,あるいは道徳的理解になることが考えられる。

②過去を捨てた戦争観

  昭和20年代版学習指導要領は,過去の戦争の反省の上に,全ての教  育を平和国家建設のための教育と位置づけていたのに対して,昭和30  年代版学習指導要領は,過去に日本が起こした戦争について殆ど触れ  ず,歴史・地理・公民教育の一部としての平和学習となっている。

  第2章において,「日本の加害行為の過ちを認識しない限り,民主  主義・平和主義の真理性を認識し得ない」という田中耕太郎の主張を  紹介したが,それに従うと,昭和30年代版学習指導要領の内容では,

 民主主義・平和主義を子どもたちに納得させることが出来ない。子ど  もたちが過去の戦争の責任を負うことはないにしても,再び過ちを犯  さないためには負の遺産も伝承する必要がある。

(B)構造的暴力に関連して

 構造的暴力に関連した分析も,第2章において用いた系統図に従って 行う。(第2章,図4参照)

①教育制度面からみた学習指導要領の変化

工・イリイチの平和論の視点から社会構造をみたとき,その社会構造        ・一 123 一