• 検索結果がありません。

直接光バックグラウンドの評価

ドキュメント内 master thesis katsuta (ページ 84-90)

第 7 章 系統誤差の評価

C.2 直接光バックグラウンドの評価

直接光バックグラウンドとは、スリットやピンホールで遮蔽しきれなかった直接光のビーム

(30 keV)がシンチレーター検出器に入射することでつくられるバックグラウンドである。β回転

ごとにシンチレーター検出器の位置が移動するが、その位置による直接光バックグラウンドの変 化が大きいと各β角度ごとの反射率に擬似変化があらわれてしまう。したがって反射光をシンチ レーター検出器でカウントするとき、直接光バックグラウンドをさしひく必要がある。

図C.2に、直接光バックグラウンドを測定したセットアップを示した。セットアップは本実験 とビームの入射角以外は同じで、ビームエネルギーは30 keVで測定時間は600秒である。β回転 をするごとにシンチレータ検出器の位置は本実験と同じ測定位置に移動させた。ただし入射角は 0.8である。

図4.3の理論反射率から入射角0.8での反射率は0.01%程度で、セットアップの精度∼0.2% り十分小さいので反射光成分は無視できると考えた。したがって、この実験での各β角度でのシ ンチレーター検出器の30 keVピークのカウント数は、本実験における直接光バックグラウンド と同程度あると推測した。

PMT

Ion Chamber

NaI Scinti.

Mirror 30keV Beam

PMT rotation

Incident angle =0.8(deg.) Background

I assume no reflection at 0.8(deg.) incident angle.

C.2: 直接光バックグラウンド測定のセットアップ

測定したスペクトルの中で特徴的な形の4点を図C.3に示した。30 keVピークはどのスペクト ルもほとんど変化はみられないが、高エネルギー側(∼600ch≅67keV)に違いがみられる。ス ペクトルはβ = 0から150がほぼ同じ形で、β = 180からβ = 330の高エネルギー側のカウ ント数は図のβ= 240から270の間に入る。ただしβ = 240のみ例外的に大きな値を示した。

セットアップの非対称性が原因だと推測されるが、本実験で議論するのは100 chから400 ch 範囲のカウント数についてなので、ここでは深く立ち入らない。

図C.4に各β角度での取得スペクトルのピーク面積を、§C.1で議論した方法でカウントした結 果を示す。カウント数の最大差は600秒測定で900カウントであり、本実験での測定時間200秒の とき900/3=300カウント程度となる。これは200秒測定でのカウント数∼1.3×1060.02% 度であり無視できる程小さいので、直接光バックグラウンドはβによらずほぼ一定であると推測 できる。

この実験で得られた値に200秒分のカウント数になおすために200(sec.)/600(sec.)∼1/3を掛 けた値を直接光バックグラウンドとして、本実験のシンチレーター検出器のカウントをするとき にもちいた。

ADC channel

0 200 400 600 800 1000

Counts

0 200 400 600 800 1000

Background Entries Mean RMS hist 388.5 200.7 1018

C.3: 本実験で角度βで測定するときの位置に、シンチレーター検出器を移動させたときのバッ クグラウンドのスペクトル。高エネルギー側でのカウント数が低い順に150,330,270,240

C.4: 本実験で角度β で測定するときの位置に、シンチレーター検出器を移動させたとき のバックグラウンドの600秒測定のカウント数。

謝辞

まず指導教官である高橋先生には本当にお世話になりました。身勝手なことばかりやってきた 私を温かく見守り、チャンスをくださいました。感謝しております。本当にありがとうございま した。

本実験をさせていく機会をいただいた釜江先生にもお世話になりました。粘り強いご指導のお かげで、なんとか実験を成功させることができました。また実際の実験にあたっては、広島大学 の水野さん、高橋さん、吉田君、名古屋大学の小賀坂さん、岩原君、加納君、佐々木君、SPring-8 の上杉さん、福居さん、大阪大学の林田さんにお世話になりました。特に水野さん、小賀坂さん、

上杉さんには実験中だけでなく実験準備の際にも多大なご協力をいただきました。みなさまのご 協力なくしては本実験をおこなうことは不可能でした。またこの実験を通して成長できたのは、

みなさまのご指導のおかげです。本当にありがとうございました。また片岡さんや植野さんをは じめ東工大のみなさんにも、PoGOKEKビーム試験に参加させていただいたことに感謝致し ます。KEKでビーム試験を体験したことは、このSPring-8のビーム実験を行う上で非常に参考 になりました。有本さんと金井君にもお世話になりました。ありがとうございました。

本論文の作成にあたっては、高橋先生、国分さん、内山さん、渡辺さんに指導していただきま した。初歩的な論文の書き方も身に付いておらず、大変ご迷惑をおかけました。みなさまの粘り 強いご指導で修士論文を書くことができました。また本実験を行う上でも高橋先生、国分さん、

渡辺さんには多くのご助言をいただきました。ありがとうございました。また研究室のみなさん にも感謝いたしておりす。特に田村さんには普段の研究で様々なご指導をいただきました。また 岸下さんや佐藤さんからも様々な形で助けていただきました。感謝しております。その他のみな さんにも本当にお世話になりました。研究を通して成長してこれたのもみなさまのおかげです。

本当にありがとうございました。

参考文献

[1] 有本 ,「気球硬X線偏光計PoGOのシミュレーションによる性能評価」,修士学位論文, 東京工業大学, 2006

[2Kanai Yoshikazu , ”Performance Evaluation of Phoswich Detector Cell for the Balloon-Borne Astronomical Soft Gamma-Ray Polarimeter PoGOLite” , Master tesis, Tokyo In-stitute of Technology , 2007

[3G. B. Rybicki, A. P. Lightman, ”Radiative Processes in Astrophysics”, Interscience Pul-ishers, New York

[4F . Lei, et al.,”Compton Polarimetry in Gamma-Ray Astronomy”, Space Science Reviews, 82, pp.309-388,1997

[5Stephen.P.Reynolds,et al., ”Radio observations of the remnant of the supernova of AD 1006.II. polarization observations”, The Astronomical Journal ,vol 106, num1,1993

[6M.F.Rees, ”Expected polarization properties of binary x-ray sources”, Mon.Not.R.astr.Soc.,171, pp457 , 1975

[7M.G.Revnivtsev,et.al., ”Hard x-ray view of the past activity of Sgr A* in a natural Comp-ton mirror”, Astronomy & Astrophysics, 425 ,L49, 2004

[8] 波岡·山下 広順 共編,X線結像光学」,培風館

[9] 岡田俊策,「硬X線領域での反射率向上を目指した多層膜成膜法の研究開発」,修士学位論 文,東京工業大学, 2005

[10] 後藤 有史,「気球搭載硬X線展望鏡の製作とその特性評価」,修士学位論文,名古屋大学, 2001

[11S. Sasaki, KEK Report, 82-22 , 1984

[12S. Sasaki, KEK Report, 88-14 , 1989

[13J.D.Jackson(西田 訳),「電磁気学()第三版」,吉岡書店

[14L.G.Parratt,”Suface Studies of Solids by Total Reflection of X-Rays” , Physical Review , Vol95 , Num2 , 359,1954

[15Alan G. Michette, ”Optical systems for soft X rays”, Plenum Press

[16Ogasaka, et al.,”Design and fabrication of multi-foil hard x-ray telescope for space obser-vations”, Proc.SPIE,5962,pp.543-550,2005

[17G.F.Knoll,(木村 逸郎、阪井 英次),「放射線計測ハンドブック(第2版),日刊工業新 聞社

ドキュメント内 master thesis katsuta (ページ 84-90)

関連したドキュメント