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二結晶分光器

ドキュメント内 master thesis katsuta (ページ 76-79)

第 7 章 系統誤差の評価

A.2 二結晶分光器

§A.1で述べたようにビーム源流は白色光なので、ビームラインにおいて二結晶分光器を用いて 特定のエネルギー(本実験では30 keV)のビームを分光し実験で使用した。本実験で使用した二 結晶分光器は神津精機製の1カム式であり、結晶にはシリコンの単結晶を用いた。その概念図を 図A.3に示す。

角度θで完全結晶に入射した白色光のビームが反射される条件は、ビームがブラッグ条件をみ たす波長λ= 2dsinθ/mだったときのみである。dは格子面間隔、mは整数である。このブラッグ 条件によって白色光から特定エネルギーのビームのみが反射される。格子間隔dにより制限は受 けるが、反射ビームのエネルギーは入射角θを調整することである程度任意に選ぶことができる。

図A.3のように二結晶を配置することで、入射ビームと平行な反射ビームを出射できる。任意の 入射角度に調整するためには、入射角を回転ステージをもちいて調整し、第一結晶の反射ビーム が第二結晶で反射される位置まで第一結晶を並進ステージで移動させる必要がある。第二結晶が 回転ステージの回転中心にあるので、回転ステージの回転に対して第二結晶は不動である。した がって反射光(実験で使用するビーム)は常に定位置に出射される。

二結晶分光器で利用しているブラッグ反射は偏光度によって反射率が変化するので(§3.2参照) 二結晶分光器によってビームの偏光度が変化していないかを確認する。今、§A.1よりビームの偏 光方向は水平方向なので(偏光度の方向は図A.3を参照)、二結晶での反射面に対してビームの偏 光度は平行である。これはビームが常に二結晶に対してσ偏光で反射していることを意味する。

§3.2よりσ偏光では反射による減衰はないので、ビームは入射してきたときと同じく100%水平 方向に偏光されて出射していることを確認できた。

二結晶分光器で出射できるエネルギー範囲は格子間隔dで制限されるので、より広いエネルギー 範囲のビームを得るために格子間隔を変化させて使用するのが普通である。表A.1が本実験で使 用したBL20B2ビームラインのシリコン結晶のパラメーターである[19。本実験ではSi(311)

もちいて30keVのビームを取り出した。 

A.3: 二結晶分光器の概念図

      格子面間隔d(˚A) 出射可能エネルギー範囲(keV

Si(311) 1.6375 8.4∼72.5

Si(111) 3.1356 5.0∼37.5

Si(511) 1.0452 13.5∼113.3

A.1: シリコン結晶のパラメーターとエネルギー範囲

付 録 B イオンチェンバーのカウント決定法

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