﹁IIIll1111IL
I‑‑4BElt‑
‑ 一
1一 一
寸111111111B﹂ 1 2 ゐYゐy﹁
I l l 1 1 1 L
となる。このとき,収益率タームでは,期待値と分散共分散行列は [E(F1)│=!日
E
I
(1)
'2 I 1 5 / 1 0 ( 6 . 1 8 )
[ 州川) 叫
ρ 2
Fんω ι
川刊 ) 川 )=叶=イ[I 4 /8 2 2 / ( 8
ド刊……×刈1
叩ω刈O川ω)cov (1'九h 九
ω
f,)2 σ
(1'んω 2 ) I 2 / ( 8
x1 0 ) 8 / 1 0 '
となり, CAPM式
( 2 . 8 )
として(6. 19) を得る。
[ i c z l = [ i 卜 ( 子 1 ) [ 矧
く伊~3
>
例2の企業1は内部留保を保有し,無危険資産に投資していた訳であるが,反 対に,生産財を購入するために無危険資産を2だけ空売り(借入)をしている企業 を考えてみよう。ここでも,他の条件は変わらないものとすれば,期首での均衡 価格は
( 6 . 2 0 ) [ : ; 卜 + { [ 子 ]‑
O. 5 [~
:~
]}=
[130 ]と与えられ,収益率タームでの期待値と分散共分散行列およびCAPM式はそれ ぞれ
( 6 . 2
1)( 6 . 2 2 )
となる。
[ : j z l = i 山 l
[ c ぷう 2 ) C 0 2 3 2 7 2 ) l = [ 2 / ? に 1 0 ) 2 1 2 2 1 0 ) i
[ 叫 = [ i j t ‑ 1 ) [ 2 2 1
上記三つの例においては,企業の経営活動から生ずる将来の成果について,同 じ確率分布を想定している。 M M命題としてよく知られているように,企業の
70 平均=分散平面と資産評価理論の検証
資本構成と企業価値は独立で、ある。しかし上記にみるように,企業 lの資本構 成もしくは財務構造が異なれば,それぞれの場合の株式収益率分布は異なり,ベ ータ値も異なることになるヘさらに,企業2については,三つの例のどれにお いても全く同一企業であるにもかかわらず,そのベータ値はそれぞれの例におい て異なる値をとることになる。
ファイナンスの実証分析の中心は,リスクとリターンの分析にあるoCAPM 実証分析においては,リスクの尺度はベータ値である。上記の例の経済はそれぞ れ異なったベータ値を有している。それならば,それぞれ異なったリスクとリタ ーンの構造を有している経済であると言えるのであろうか。当然ながら,答えは 否であろう。われわれが計測すべきリスクとリターンの構造は,自己資本100%
企業の場合のそれであろう。これまでの実証分析においては,財務構造の相違に よる収益率の調整という作業はなされていない。所与の財務構造がその期間内変 化しないとの想定がなされていたことになる。
企業は利益を生成することによりゴーイング・コンサーンとして存在するもの である。日本の企業の多くが,その利益をすべて株主に配当していないことは周 知の事実である。残余の利益により何らかの形で財務構造は変化しているものと 判断される。またそのとき,ベータ値も変化することになる。たとえ,企業の
(実物的)経営活動とリスク構造が変化していなくともである。
株価時系列データから計算される株式収益率は,企業の財務構造の変化を配慮 して計算されるものではない。いま,リスクの尺度であるベータ値が変化してい ると判断されるとき,計量分析者が企業の各期の意思決定を観測しないならば,
その変化が底流にあるリスク構造の変化によるものなのか,あるいは財務構造等 の変化によるものなのか識別できないことになる。
大切なことは,リスクとリターンの計測においては,株式収益率の観測ととも に,各期の企業の財務意思決定についての観測もしくは想定が不可欠ということ である。
8 )このような説明は,財務リスクとしてテキストにおいて論じられてきた。
m
CAPMと検証モデルのギャップ本節では,仮定A 2と仮定A 3の両立性について検討する。第2節でのCAPM 導出に見られるように,もともと,価格タームでのCAPMすなわち (6.7)式が 成立することが, CAPMの成立を意味するものである。こうした観点から,先 に挙げた三つの仮定を読み直すことにしよう。差し当たり,毎期配当金はないも のとする。
Alについては同様である。 A 2については,予想収益率の分布が一定という 仮定は,つぎのような仮定として表現される。
A 2'
P
削‑N[E(ム)Pi仰が(りか,n
さらに,各企業の配当金はないものとすれば, A 3については A 3
・
毎期の(期末=期首)観測価格が (2.7)式を満たす。ということになる。
企業 iについての,観測時点tとt+1の株価ρ削と丸山について,仮定A 3' により
(6.23)ρf,t
十
Ti'‑A,cov( p
"iん)]
(6.24) 恥+1
= 士 恥
lーん1C叫が成立する。仮定A 2'と
P M = 2 : . P i
を利用すれば (6.2おω却ω5引2) ρ恥t十
(仔川川F刊ト山)トAけ一→やl
M
ρ恥恥t川1叫
E航肘(げf;)叫 …ρかμ M恥υI山川川t川J岬 ベ イ 品
1イ
σ仇
0"., ]
となる。ここで,の=cov(九九)である。
すべての iについて, (3.3)式および (3.4)式が成立するためには ,A'+1 =kA, と記せば,n次元連立方程式
(6. 27) (p1,t ‑kpl.t+ 1)σ11 + (P2.,‑kP2.,叶)σ12+…+(P.., ‑kp.., + 1)σ1.= 0 (P1,t‑kP1什1)σ21+ (P2., ‑kp,川 )σ22+…+(P..,‑kP.,tH)σ2.= 0
72 平均=分散平面と資産評価理論の検証
(Pl.l一砂川¥)σ.¥+ρ(.2,‑kP2.,+¥)σ同+…+(か.,‑kp州 叶)σ..=0 を満足せねばならない。
収益率の分散共分散行列のランクはnであるから. (6.27)式が成立するため の必要十分条件は,自明な解,すなわち
(6.28) 色,+¥色,+¥…=色1こ"=b PI.I P2.
,
ρである。
このとき,われわれは以下の命題を得る。
[命題]
いま,毎期配当金は支払われないものとする。このとき,われわれが観測する 株式収議率について,その収益率分布の定常性と CAPMが毎期成立するという 条件が満足されるためには,事後的収益率がすべての企業において同一であらね ばならない。
例示により,以上の結果を確認しておこう。
<例4>
例1の企業を考える。期末の予想、の分布等については
[ ? ; : l = l : 1 0 = [ ; ; l p l
であった。このとき .t期首での均衡価格は
(6.29) .‑10=0.5
(6.30)
であり,収益率タームでの期待値および分散共分散行列は (6.31)
寸1111111111﹂a生 06
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となる。
この2つの企業の生産活動により .t期の期末実現価格(=t+1期首均衡価格) 治宝
( 6 3 2 ) k l =
よ
と評価されたとしよう。仮定A3・にあるようにCAPMが成立していることを 想定しているのであるから,当然これは ,t + 1期末予想値に基づく均衡価格で もある。 仮定A 2'より t + 1期末予想価値の期待値と分散・共分散行列は
1 P,川 11. 6 x 7 1 0.16 x 7' 0.04 x 7 x 16 1 (6.33) 1 y w
P ,
.t+l , 1 1 1. 5 x 16 1l' , Q = ~~ 1 1 ^ 0.04 x 7 x 16 0.08 ^ ^^,"~? ~~ x 16' 1 となり,これに対する均衡価格は(6.34) 1 I P
l . t + <
1 = 11:',2 1 ‑,1 1::.~:
1/J2.t+ l' I I 24 I .. I 24. 96 I と計算される。
ところが,いかなる Aをしても, (6.34)式で計算される均衡価格が (6.32) 式で与えられる実現価格に一致しないことは容易に確かめられる.いっぽう,期 末実現価格が (6.28)式の条件を満足する,たとえば
(6紛
[ : ; : : l = [ 2 1
であるならば
I O U + l * I I 12.8 I . I 15.36 I (6.36) I~"'.'.I = 1 ~:'.~ 1‑,11 ::.:~ 1
I /J2.t+ l' I I 24 I . I . 25. 60 I
となり ,,1 = 1/3.2とすれば,実現価格は均衡価格であることが確かめられる。
実際の株価を観測すれば,各株式毎に事後的平均収益率が異なっている。それ は,各株式毎にリスクが異なり,そのリスクに応じた形で平均収益率が実現され ているからであろう。そうした考えを実証するべく登場したのが, CAPMの検 証であった。ところが,本節の命題によれば,その検証モデルが成立する状況 は,収益率がすべての株式において同一になるということである。各株式のリタ ーンの相違を観測できないモデルが,リターンとリスクの検証モデルとはなり得 ないことは自明である。
次節では,収益率の定常性と CAPMが両立するモデルについて考えることに しよう。企業の財務意思決定に関する各期毎の観測とそれに対応した収益率の補 正が必要となる。
74 平均=分散平面と資産評価理論の検証
N CAPM
検証モデル何故,事後的実現価格と均衡価格が一致しないのであろうか。ここで議論して いるモデルが,もともと 1期間の静学モデルであることを確認すれば,解答は容 易に得られる。ある一組の所与の経済環境に対して一組の均衡価格が得られるの であり,異なった経済環境のもとでは,異なった世界が提示されても不思議では ない。すなわち,期末と期首では通常異なった経済環境を有しているものと解釈 される。
例4について考えてみようo 100%自己資本からなる企業であると想定され,
これら二つの企業の企業価値はそれぞれ(5, 10)と評価されている。生産設備,
経済状況がt期首と変わらないものとすれば,t期末の実現価格が(7, 16)で表 されるということは,これらの企業のその期間内の利益はそれぞれ(2,6)とい うことになるO 言い換えれば,t期間内に減耗した生産設備等を補填し ,t期首 と同じ状況にすれば,二つの企業価値は(5, 10)と評価される。残余の(2, 6) がそれらの企業の利益ということになる。
この利益部分が,期首と期末の経済環境の違いであるO 第2節での三つの例に おいてみてきたように,株式収益率タームで表現されたCAPMでは,財務構造 の相違がそれぞれ異なった世界を具現している訳であり,厳密には,仮定A 2 が最早成立していないのである。しかし,そこで確認されたことは,株式予想収 益率の分布は異なるが,底流にある(それらの企業活動により生成される)リスク
とリターンの構造は同ーということであった。
t期末の実現価格(7, 16)が均衡価格であるとき,その解釈の一つに ,t + 1期 末の予想価格の分布が変わったのだとする解釈も成立するO たとえば, (2.7)式 の表現において,無危険利子率η =1であるとき
f71 f91 ̲̲f3+11 (6.36) I ̲ '̲I = I :̲ I ‑0.5 I ~ . : I
l 16 J l 20 J ‑‑‑l 1 + 7 J
との想定も可能で、ある。しかし t期末の実現価格(7, 16)を均衡価格たらしめ るこのような想定には無限の組み合わせが存在するO なにより,何故リスクとリ ターンの構造が斯様に変化するかについての説得力あるシナリオを作成すること
は困難でAある。
残余利益(2, 6)に関する企業の意思決定の相違により ,t + 1期末の予想価 格の分布が異なってくるであろう。そのうち,底流にあるリスクとリターンの構 造を変化させる意思決定については,それは最早動学の範騰に属するものであ
り,本稿における静学モデルCAPMの議論を超えるものであると判断される。
以下においては,静学の範囲内での,すなわち,底流にあるリスクとリターン の構造は変化しないとの想定で,期末もしくは期首の観測価格が均衡価格となる 検証モデルについて考える。実は,こうした静学モデルと整合的な企業の意思決 定はかなり限定されることになり,その基本タイプはつぎの三つに分けられるこ とになる。
A.配当モデル
期末の残余利益(2, 6)を株主に配当することにすれば,t + 1期首では ,t期 の期首と全く同じ状況で評価がされることになる。リスクとリターンの構造その 他の経済環境に変化がないものとすれば,毎期の期首における均衡価格は同ーに なる。期末価格=期首価格+配当金となるので,株式収益率は期末価格を期首価 格で割ることによって計算されるo
現実には,月次データを想定するとき,毎月配当金が支払われるという状況に はないので,つぎの検証モデルの方がより現実的想定と考えられる。
B .
タイプB
モデル企業は,毎期同じ生産能力と経営政策で、活動を行っていくものと考える。した がって,例4のように残余利益が生じたときは,その内部留保分,無危険資産を 購入する。逆に,損失が生じたときは,無危険資産の空売りにより,生産能力の 損失補填を行うものと考えるO このような企業のモデルをタイプBモデルと呼 ぶことにしようヘ
ここでも,例示により, CAPM式 (2.7)の確認と,収益率の計算法について 9 )モデルの呼称は飯原[10J第5章から借用した。このモデルの経済的想定等については同書を
参照されたい。