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プレリュード1型   3

  2

81

佃匠

惚。

蝋.1

羽田

 一2

 −3

0 50 100      150       200

   順序時間(t)

250 300

プレリュードII型

  5

8:

揮・

   5

k=1   2.S

   O

 −2.5

  −5     0    5 k=2   2.5

   0

 −2,5

  −5    5 k=3   2.5

   0

 −2.5

  −5    5 k冨4   2.5

   0

 −2.5

  −5

30    60    90   120   150   180   210   240   270   300

m=1 m=2

1

m識1 m=2      m=3

m=1 m=2 m=3 m=4

図4.2 プレリュード 粗視化グラフ比較 1型

       k=1〜4

   6 k=1    4

   2

   0

  −2

   6

k=2

   4

   2

   0

  −2

   6

k=3

   4

   2

   0

  −2

   6

k=4

   4

   2

   0

  −2

0 30 60 90 120    150    180 210 240 270 300

m=1 m=2

m=1 m=2 m=3

m=1       m=2 m=3 m=4

図4.3プレリュード 粗視化グラフ H型

      k=1〜4

4.1.2 時系列フラクタル解析

 次に、フラクタル解析の結果を示す。プレリュードはデータ数がN=289と多い ため、た=1〜30の範囲でフラクタル解析を行った。その結果を(3.6)式の粗視化 長さ〈L㈹〉と聴視化スケールたの関係を両対数グラフ化したものが図4.4でああ

(p,47参照)。1型については対数グラフ上の全ての点を、2本の直線で当ては めることができ、相関係数も高い数値を示した。フラクタル次元はそれぞれ D=2.02,1.58となり、非常に複雑な挙動であることを示している。

 そこで、ふたつの直線にみられる構造を比較するために、D=2.02の直線に当て はまったた=7と、D=!.58の直線に当てはまつ献=8について回視化グラフを作成し たものが図4.5である(p.48参照)。た=7のグラフは、その挙動が作1と類似したも のになっているが、k=8については、彫=1〜8全てにおいて平均化された挙動が見 受けられた。これは、譜例4.6に示す分散和音音型が繰り返されるためである。

譜例4。6

        ヨ    ヨ   フ き  ユ   ヨ   ヨ   フ  

つまりた=8の場合、上記譜例の1−1,2−2,…,8−8についてXの変化量を求めたため、

粗黒化グラフの示す挙動が小さくなるのである。プレリュードの場合、音階の違 いはあるが、19小節中1!小節に上記の分散和音による音型が用いられているた め、このような結果が見受けられた。同様に、た=16,24においても、この音型の倍 数によって構成されているので、た=8,16,24は同じ直線上に当てはまることが分 かった。上記の内容から、D=1.58に当てはまる点は、粗視化スケールた=8,16,24

といった具合に規則的に8の倍数によって構成されており、D=2102の直線とは見 受けられる挙動が明確に異なっていることが分かった。

 上記のように、時系列データ内の挙動が翌旦化スケールによって幾つかに特徴 づけられる場合、その構造は「粗視化時間構造」と呼ばれ、ある時系列の示す挙 動が、大きく異なるフラクタル次元を持った粗視化時間構造の重ね合わせ状態と

なる場合がある。この事実は、西村らが1次元セルオートマトンの時系列フラク タル解析によって明らかにしたものである。滋

 先述のたニ4,駕=2についても、グラフの示す挙動が小さくなる例をあげたが、こ の場合、複雑な挙動を示したた;4,膨=1や、他のk=4,駕=3,4とともに(3.6)式に

よって平均した粗視化長さを求めているので、D=2.02の直線に当てはまることが 分かった。

 H型については、た=1〜7について直線を当てはめた結果、部分スケールフラク タル次元D=1.90が得られ、た=8,16,24について直線を当てはめた結果D=1.44が得 られた(p.47、図4.4参照)。これは1型よりも多少低い値だが、複雑な挙動であ ることを示している。

 このふたつの直線が意味する差異を比較するために、D=1.90に当てはまった k=7と、D=1.44の直線に当てはまつ献二8について粗直裁グラフを作成したものが 図4.6である(p.49参照)。H型についても、た=8のグラフは、 m=1〜8全てについ て平均化された挙動が見受けられた。これは、工型と同様に譜例4.6に示した分散 和音音型が繰り返されるためである。

 フラクタル解析の結果を1・H型について比較すると、聴取の立場の音信と考 えられる1型が、作曲者の意図と考えられるH型よりも高いフラクタル次元を示

した。このことは、作曲者が意図した構造よりも、聴取の場合には複雑に聴こえ ることを示しているように思われる。また、1型については、2本の直線を全て のデータ点に当てはめることができ、プレリュードから得られた時系列は、ふた つの粗面化時間構造を持った複雑な時系列と捉えることができた。

注37 シ村治彦他:1995:「1次元セルオートマトンの時系列フラクタル解析」 『情報処理学会論文 誌』第36巻 第4号,PP.787−796

103

プレリュード1型

102 、、

@、、\

@、@、

@\ D=2.02

Aとこゴ101

u

\、    ∠∩r1!r=、O.9993  \  、  、   \   、    \    、     \

(k猛1〜7,9〜15,

P7〜23,25〜30)

100

        、

@       十1

@  /\・+D=1.58      \r=0.991(k=8,16,24)

、、

潤A  、  、   \   、    、    \     、

1σ1

100      101 10z

k

103 プレリュードll型

10z

\    +      D=1.90

Aとゴ1σ @ \    十        (k=1〜7)   、    、    、     、     \

V 、、

100

     /+\\、D=1.44       、

r=0.993      

(k=8,16,24)       ・.

10四1

10。         101         102

@      k

図4.4プレリュード フラクタル解析

   5 k=1   2.5

   0

  −2.5

  −5     0    5k』7   2.5

   0

  −2.5

  −5    5 k霜8   2.5

   0

  −2.5

  −5

30 60 90   120   150   180   210   240   270   300

m=1 m零2 m躍3 m=4 m=5 m=6 m=7

m=1 m=2 m=3 m=4 mニ5 m=6 m=7 m=8 図4.5プレリュード 粗視化グラフ比較 1型

        k=1,7,8

  6

k=1

  4   2   0

  −2

   0   6

k=7

  4   2   0

  −2

  6

k=8

  4   2   0

  −2

30    60    90   120   150   180   210   240   270   300

m=1 m=2 m=3 m=4 m=5 m=6 m=7

m=1 m=2 mニ3 m=4 m=5 m=6 m=7 m=8 図4.6 プレリュード 粗視化グラフ比較 H型

       k;1,7,8

4.1、3 音楽的内容との対応

 この作品は、冒頭の2拍で示された16分音符8個による分散和音音型を主題と し、音型模倣を中心に構成されている。つまり、全体を主題によって明確に統一 した構造を持っている。また、全ての音符は16分音符で構成されている。旋律グ ラフの乱視化比較において全般的に自己相似性が見受けられたこと、また1型の フラクタル解析において全ての点が2本の直線に当てはめることができたのは、

これらに起因するものと思われる。

 また、譜例4.7の○で示した音符については、チェロの特徴である5度調弦を生 かし、開放弦で演奏できるように考慮されており、分散和音二型はG,D,Aの3弦を 用いることで演奏が可能となる。このことからも類推されるように、全体を通じ て激しい跳躍によって構成された作品であり、フラクタル解析においてフラクタ ル次元Dが高い数値を示す結果に通じていると思われる。

譜例4.7

       り      む      ヨむ

 さらに、奇数拍頭のG音はト長調であることを意図的に示すために低音として       2

機能するものであり、単旋律の作品であるにも関わらず、複旋律としての要素を 持っている。このことは、フラクタル解析によって示された複数の粗視化時間構 造と一致するものと思われる。上記の内容は、フラクタル解析の結果とこの作品 の持つ特徴が一致した事項である。作曲者の意図は、旋律グラフの粗油化比較や フラクタル解析にも結果として現れていると言える。

 一般的には、主題が変化を伴わず単純な繰り返しにより構成された作品を考え た場合、時系列データとして示される挙動の複雑さは単調になることが予測され る。しかし、ここで解析したプレリュードは、繰り返しによる構造を持っていな

がら、フラクタル次元は非常に複雑であることを示している。このことは、フラ クタル次元が繰り返しではなく、他の要素に左右されることを示唆しているよう に思われる。

4.2 メヌエット

4.2.1旋律グラフの粗面化比較

 この作品は、原題では menuettoH となっているが、本小論では1・H型.

それぞれの音高との混同を避けるため、単に「メヌエット」とする。メヌエット は、8分音符を最短とし4分音符、2分音符、付点2分音符の4種の音長を持 つ。そのため、室長と音量の積Xは、音差の変化だけではなく、双方の影響を受 けたものになり、旋律グラフに表れている。

 図4.7の旋律グラフ(p.54参照)からは、1・H型共に挙動が大きく特徴的なピ ークが5か所見受けられた。この挙動を順を追って説明したい。

譜例4.8

譜例4,8は、1〜2小節目と5〜6小節目に共通した音型である。[で示した4分 音符は、長10度上行・完全5度下行(F、→A,→D、)の音高変化を示している。

譜例4.9

7

譜例4.9は、7〜9小節目を示したものである。[で示した部分は、完全11度上 行・短2度下行・長3度下行(D、→G、→F#,→D,)の音高変化を示している。このう ち、後部2つの音符については、その間に長3度の音高変化があるだけだが、2 分音符は8分音符の4倍の山斗を持っているため、グラフには大きな挙動として 表れたと思われる。

譜例4.10

譜例4.10は、17〜21小節目を示したものである。前部の[は減12度下行(Eb、→

A、)、後部の[は短13度下行(D、→F#、)を示している。以上5か所に大きな挙動 が見受けられた。

 これらの部分に共通した事項は、長10度以上の音高変化と比較的長い音長を 持っているということである。

 これら特徴的なグラフの挙動のピークは、1・H型ともに図4.8、4.9に示した 粗視化グラフの作2〜4についても見受けられた(p.55−56参照)。粗視化グラフに

○で示した部分は、その形状が元の旋律グラフに見受けられたピークと酷似して いた。このことは、元のグラフの示す挙動と粗視化グラフの示す挙動が部分的に

自己相似の関係にあることを表している。

メヌエット1型 20

  10

8

10匠 0

望眼

帯皿.10

一20

0   10  20  30  40  50  60   70  80

       順序時間(t)

90  100  110  120  130

メヌエットli型

30

  20

8

10匠10

量田

圃皿 o

一10

0   10  20  30  40  50  60  70  80  90  100 110 120 130

       順序時間(t)

図4.7 メヌエット 旋律グラフ

   20 k=1    10

    0

  −10

  −20      0    20

k=2

   10

    0

  −10

  −20    20

k=3

   10

    0

  −10

  −20    20

k=4

   10

    0

  −10

  −20

10 20 30 40   50   60   70   80 90  100  110  120  130

m=1 m=2

m需1 m=2 m=3

m=1

@m=2

m=3 m=4

図4.8メヌエット粗視化グラフ比較 1型

      k=1〜4

   3Q k=1    20

   10

   0

  −10      0    30

k議2

   20

   10

   0

  −10    30

k=3

   20

   10

   0

  −10

  30 k=4

   20

   10

   0

  −10

10 20  30  40 50   60   70   80 90  100  110  120  130

m瓢1 m需2

m=1 m=2 m=3

m=1 m=2 m=3 m=4

図4.9 メヌエット 粗視化グラフ比較 豆型

      k=1〜4

4.2.2 時系列フラクタル解析

 次に、フラクタル解析の結果を示す。1・H型それぞれにk=1〜20の範囲

でフラクタル解析を行い、その結果を(3.6)式の粗視化長さ〈L㈹〉と粗視化スケ ールたの関係を両対数グラフ化したものが図4.10である(p.59参照)。

 1型については、丸=1〜7、炉11〜13について直線に当てはめ、これによって 得られた部分スケールフラクタル次元は、それぞれD;2.02,0.36となり複雑な変 動を持っていることがわかった。ここで、ふたつの直線の意味する構造を比較す るために、D=2.02の直線に当てはまった炉7と、 D=0.36の直線に当てはまった 炉11について粗酒化グラフを作成したものが図4.11である(p.60参照)。

 D=2、02の直線に当てはまったk=7のグラフは、その挙動にた=1でも見受けられる 特徴的なピークが見受けられた。これに対し、た=11のグラフについては特徴的な

ピークの存在が認められたものの、それ以外については、全般的に平均化された 挙動が見受けられた。また、特徴的なピークについても、解8では隣り合って存 在しており、ん=11においては(3.6)式によって得られた粗転化長さ〈L㈹〉が短く

なっていることが分かった。これらのことから、D=0.36の直線に当てはまった k=11〜13については、プレリュード同様に何らかの繰り返し構i造が存在すること が予想される。

 H型については、た=1〜8、た=11〜13について2本の直線を当てはめ、これに よって得られた部分スケールフラクタル次元は、それぞれD=1.81,0.66となっ た。メヌエットにおいても、プレリュード同様にH型の方が工型よりも低い次元

が得られた。

 ここで、ふたつの直線が意味する構造を比較するために、D=1.81の直線に当て はまったk=7と、D=0.66の直線に当てはまったた=11について粗視化グラフを作成

したものが図4.12である(p.61参照)。た=11の短軸化グラフは、1型に比べ明確 に平均化された挙動はみられなかったが、解=8においてピークが隣り合って存在 していた。また、1型に比べふたつの直線が示す部分スケールフラクタル次元の 違いが小さいということは、粗視化時間構造が1型ほど明確に異ならないことを 示しており、旋律グラフを粗視化してもその差異を認めることが難しくなってい

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