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袋網により採捕したアユの全長組成 (6 月 2 日 ~6 月 4 日)

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したアユのモードは 75m mと 100m mで等しく、 2 群に分かれたことも同じ結果であった。魚道下に蛸集

したアユと魚道を通過したアユの平均全長は

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検定において、有意(

0.000000036 

0.01)  に差があることを示し、魚道下にたどり着いたアユ群 の内、魚道を通過で、きた個体は大型個体に偏っている ことを示した。

小河内魚道の 6月 4日の流速は魚道入水口は右岸 側

1 4 8 . 0c m / s e c

中央

8 0 . 5c m / s e c

左岸側

1 0 0 . 5cml 

sec、魚道斜路中央付近は右岸側

28 1 . 4c m / s e c

中央

2 9 . 7  c m / s e c

左岸側

2 2 0 . 6c m / s e c

、魚道出水口右岸側

2 0 6 . 2  c m / s e c

中央

7 1 . 5c m / s e c

左岸側

1 6 2 . 8c m / s e c  

であり、前報2)の小わざ魚道、組石魚道と比較すると 右岸・左岸側の魚道側壁に非常に速い流れが形成され ていることが分かつた。

その他魚類採捕調査小わざ、魚道、粗石魚道、小河内 魚道の袋網で採捕された魚類(アユ除く)、及び十脚

甲殻類の種名と採捕数を表

2

に示した。

小河内魚道について、魚道通過したアユと魚道下に 蝿集したアユの全長組成を図 4に示した。 6月 2日の 小河内魚道を通過したアユの平均全長は 102.2m mで あった。魚道下に蛸集していたアユの平均全長は 77.7 m mであった。魚道下に蝿集したアユの全長範囲は

55~120mm、モードは 100mm で、あったのに対し、

魚道を通過したアユの全長範囲は 90~ 120 m m、モー ドは 75m mで、モードに 25m mの差がある 2群に 分かれた。また、魚道下には大量のアユが帽集してい たが、魚道通過数は 15尾と少なかった。

6月 4日の小河内魚道を通過したアユの平均全長は 95.6 m mであった。魚道下に蛸集していたアユの平 均全長は 72.4m mであった。図 4の全長分布は、魚 道下に蛸集したアユの全長範囲は 65~ 110 m m、モー ドは 75m mであったのに対し、魚道を通過したアユ の全長範囲は 65~ 140 m m、モ←ドは 100m mとな り、モード差 25m mの 2つの群に分かれた。 6

2 日の全長分布と比べて、魚道下に暗集したアユと通過

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小河内魚道を通過したアユと魚道下に晴集したアユの全長組成

( 6

2

日、

6

4

日)

4

小わき東道 2 

134  10 

56  17 

6  5  2 

238 

20  7  標準和名/魚道

ウナギ オイヵワ ヵワムツ イトモロコ

ヤマトシマドジョウ ヌマチチプ

スミウキゴリ シマヨシノポリ ヵワヨシノポリ ギギ

星塾註

ミナミテナガヱピ ヒラテテナガヱピ スジエピ

ヌマヱピ(南部群) ミゾレヌマヱピ ミナミヌマエピ モクズガニ

星重量

魚道を通過した魚類(アユ除く)と十脚甲殻類の種類別採捕数

魚類

祖 石 魚 道 小 河 内 魚 道

26  2  11 

438 

55 

36  表

2

39 

4  5  1 

29  2 

‑ m

一 刊

‑ 162‑

十脚甲殻類

魚類の種数は小わざ魚道

10

種、粗石魚道

7

種、小 河内魚道

4

種で、あった。各魚道の最多採捕種は小わざ 魚道オイカワ

134

尾、粗石魚道はヌマチチブ

438

尾、 小河内魚道はオイカワ 26尾で、あった。特徴としては、

小わざ、魚道は遊泳種の採捕種数と尾数が多く、組石魚 道はヌマチチブ、等のハゼ、科の底生魚の採捕数が小技魚 道の

6 . 3

倍多かった。小河内魚道は他の

2

魚道に比べ て、遊泳・底生種とも採捕種・数が少なく、ハゼ科魚 類にいたってはスミウキゴリ

1

尾のみであった。

十脚甲殻類は小わざ魚道

5

種、粗石魚道

6

種、小河 内魚道

2

種であった。各魚道の最多採捕種は小技、組 石魚道でミナミテナガエピ

20

尾および

1 3

尾、小河 内魚道でモクズガニ

4

尾であった。小わざ、魚道と粗石 魚道は類似した採捕種の構成比を示したが、小河内魚 道で採捕されたエピ類はヌマエピ(南部群) 1種類し かなかった。

考 察

3

つの魚道のアユの採捕量を見ると前報2)の定量 調査同様に小わざ魚道の採捕量が多い結果を示してお り、小迫堰は小わざ、魚道の機能によってアユの遡上量 を維持している。一方、小河内堰は、多量のアユが堰 直下及び魚道直下に蛸集していた状況から、アユのス ムーズな遡上に貢献できておらず、小河内堰下まで、遡 上してきたアユを上流に通過させる機能を十分に発揮 していないと推察された。また、小河内魚道を通過し たアユの全長組成分布は小迫堰の小わざ魚道、粗石魚 道よりも大きかった。小迫堰において、粗石魚道は小 わざ魚道に比べてアユの通過が困難なため、組石魚道 のアユ通過数が少なく、全長が大きいと考えている2)

ので、小河内魚道は、小迫堰の粗石魚道よりもさらに アユが遡上することが困難な構造及び設置状況にある と言える。その大きな要因の一つが、魚道の流速分布 にある。小河内魚道は魚道両側の流速が

220 c m / s e c  

以上と小わざ魚道の

1 6 c m / s e c

、粗石魚道の

174 cm/ 

s e c

と比べて極めて速く、中央部がやや遅い流速分布 をしている。小わざ魚道でも粗石魚道でもアユの多く は右岸、左岸の魚道側壁側から遡上を試みようとする 個体が多い。また小河内魚道は、魚道左右側壁沿いの 流速が

200 c m / s e c

以上もあり、アユの突進速度は体 長の

10

倍である 4)ことを考慮すると遡上アユの体長 は調査時では最大でもlO

cm

程度であり、ほとんどの アユは物理的に側壁沿いを遡上することは困難であろ う。今回の調査で袋網に入網した魚道を通過したアユ は、運良く魚道中央部の緩やかな流速分布帯に取り付 くことができた個体が通過できたと考えられる。機能

不全のもう一つの要因は魚道流出部の角落としを行っ ていないため、剥離流が発生し、魚道下には跳躍に必 要な水深を有するプールも存在しないため有効に機能

しないと考えられる。

今回の調査から小河内堰が遡上及び流下したアユの 復帰遡上の大きな阻害要因である可能性が高いことが 明らかとなった。小河内堰より上流の生態系区分を「ア ユ型

L C J

の生態系区分2. 3)に変えるためには、この 小河内堰の魚道を今後、改修しなければならない。こ れは、今後の粟野川におけるアユ資源増大のために解 決しなければならない大きな問題であろう。

採捕された魚種組成は各魚道が形成している魚道内 の環境を非常に良く表現していた。小わざ、魚道で、はオ イカワ、カワムツ、イトモロコ、ヤマトシマドジョウ、

ギ、ギと言った遊泳魚が種数、採捕数ともに多かった。

これは小わざ、魚道が粗石による小プールの連続で、構成 されていることから、緩やかで一定の水深のある環境 を創造しているためと推察される。粗石魚道ではヌマ チチブが圧倒的多数を占め、次にスミウキゴリ、シマ ヨシノボリといった底生魚が主体であった。これらの ハゼ科魚類は吸盤状の腹ピレを利用して急流や垂直に 近い堰も遡上することから、粗石魚道は魚道基盤が平 滑で、速い流速分布を形成していることを裏付けてい る。小河内魚道ではアユ同様になんとか跳躍できるオ イカワ、カワムツと吸盤状の胸ピレを持ったハゼ科魚 類もスミウキゴリが僅かに採捕されたのみであったこ

とから、魚道としての機能は著しく低いと言わざるを 得ない。これらハゼ、科魚類は粟野川の中・上涜域にも 多く生息しているのが確認されているので1)、これら ハゼ、科魚類は小河内堰の越涜部分を利用して遡上して いると考えられるし、また越流を遡上する実態を視認 している。十脚甲殻類について、小迫堰の小わざ、魚道 と粗石魚道では種数に大きな差はないが、小河内堰の 魚道はほとんど利用されていない。小河内堰より上涜 には多数のミナミテナガエピ、ヒラテテナガエピが生 息しているのを確認しており 1)、これらの十脚甲殻類 は魚道を利用せず、に小河内堰越流部脇の飛沫帯を通っ て、上流部に遡上していると思われた。しかし、渇水 時には魚道しか通水部分はないことを考慮すれば、現 在の小河内堰より上流は「モクズガニ型jの生態系区 分4)に非常近い状態にあることが、アユ以外の魚類、

十脚甲殻類の魚道遡上実態から判った。粟野川の健全 な河川生態系の連続性を取り戻す最重要場所が小河内 堰であることが今回の調査結果からあきらかとなっ た。

‑ 163‑

要 約

‑小わざ、魚道が設置されていない小河内堰は、小わざ 魚道が設置されている小迫堰に比べアユの遡上量が 非常に少なく、小河内堰の魚道が有効に機能せず、遡 上匝害していた実態が明らかとなった0

・小河内魚道を通過したアユの全長組成は、小河内魚 道>粗石魚道>小わざ、魚道の1)頃で、大きく、小河内魚 道は小型のアユにとって遡上困難な構造にあること が判った。

‑十脚甲殻類の利用度は小わざ魚道>粗石魚道>小河 内魚道の順であった。小わざ魚道は遊泳魚、粗石魚 道はハゼ科魚類が選択する傾向が確認された。小河 内魚道は魚類、十脚甲殻類ともにほとんど利用でき ない状態にあった。

‑小河内魚道が有効に機能していない大きな理由は、

魚道両端の流速が非常に速いこと、魚道流出部に剥 離涜が発生していること、跳躍に必要な水深のある プールが魚道直下にないこと等、魚道構造にあるこ とが推察された。

謝 辞

本研究についてご助言やご協力をいただいた山口県 水産研究センター内海研究部の木村博部長以下職 員のみなさん、徳島大学大学院総合科学教育部の米津 孝弘氏にお礼を申し上げる。また,調査手法やとりま とめ等について貴重な指導・助言をいただいた徳島大 学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部 の浜野龍夫教授および同大学院総合科学教育部の粛藤 稔氏に深謝する。本研究の一部は(財)河川環境管 理財団による平成

2 2

年度河川整備基金の研究助成に よった。ここに記して謝意を表す。

参考文献

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( 2 0 0 9 )

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畑間俊弘

( 2 0 1 1 )

:扇型簡易粗石付き斜路式魚道 ( 水辺の小わざ"魚道)の設置効果について (1)ア ユの遡上量について.山口県水産研究センター研究 報告第

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号,

p p . 1 3 7 ‑ 1 4 8 .  

3 )

畑間俊弘

( 2 0 1

1):扇型簡易組石付き斜路式魚道 ( 水辺の小わざ"魚道)の設置効果について(2)遡 上魚類と甲殻類の種類および遡上量について.山口 県水産研究センター研究報告第

9

号,

p p . 1 4 9 ‑ 1 5 8 .  

‑ 164 

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5 )

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:平成

1 0

年度魚道調査アンケート結果.山口県内水面漁場官 理委員会、

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6 )

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( 2 0 0 0 )

:徳島県に おける淡水産十脚甲殻類の分布と保全.徳島県立博 物館研究報告、第

1 0

号、

p p . 1 ‑ 4 7 .

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