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生物の分類と多様性

ドキュメント内 幡豆の海と人びと (ページ 70-73)

生態学的分類

生物を分類(グループ分け)する方法としては、その外部形態(姿・形)に基づいた、生物学的な階級分類(門・綱・目・科・属・種)が基本となる。第

多毛類、十脚目甲殻類など)。 の特徴や生態などについて、主に門や綱レベルの高次分類群ごとに紹介している(魚類、貝類、

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部では、幡豆の海で見られる生物

第 2 部 幡豆の海と生き物 1 幡豆の沿岸環境

にも、その変化に適応して生存するための遺伝子を持つ個体が存在する確率が高い。逆に、「遺伝的多様性」が低い集団では、環境の変化に適応できる個体が存在せず、種の絶滅を招く可能性が高くなってしまう。最後の「生態系の多様性」は、「種」や「生物群集」よりさらに高次のレベルである「生態系」の多様性である。「生態系」とは、「ある区域の生物や生物群集のみならず、それらの生物が生育する環境を含めた系(システム)」である。先述したように、幡豆の沿岸域は、干潟、砂浜、藻場等といったさまざまな環境要素が入り組んで構成されており、「生態系の多様性」は高いと考えられる。第

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部を一通り読み終えると、そのことを実感していただけるのではないかと思う。

希少種や絶滅危惧種の保護

希少種(生息数が少なく、簡単に見られない種)や絶滅危惧種を保全するために作成された、絶滅のおそれがある種のリストを、「レッドリスト」と呼ぶ。「レッドリスト」を基に、分布や生息状況、保全対策などの情報をさらに盛り込んで作成されたものが、「レッドデータブック」である。世界全体では、国際自然保護連合(IUCN)が作成したリストがある(IUCN2014,IUCN日本委員会ウェブサイト)。日本では環境省や水産庁が作成している(環境省自然環境局生物多様性センターウェブサイト、水産庁1998 )。また、地域レベルでも、日本の

47都道府県全てで、

レッドリストが作成されている(野生生物調査協会・Envision環境保全事務所ウェブサイト、愛知県環境部2015)。 生物多様性

「生物多様性」は、最近ニュース等を通して一般にも知られるようになってきた語句であり、簡単には「数多くの種類の生き物がいること」といった意味である。しかし、実は幅広い概念・内容を含んだ専門用語であり、文脈や場面によって少しずつ異なる意味で用いられることがある。ここでは、

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92年にリオデジャネイロで開催された地球サミットにおいて締結された生物多

様性条約(ConventiononBiologicalDiversity)で定義され、現時点で最も一般的と思われる「生物多様性」の三つの定義、「遺伝的多様性(種内の多様性)」、「種多様性(種間の多様性)」、「生態系の多様性」に即して、説明しておく(環境省ウェブサイトなど)。まず、多くの人が「生物多様性」と聞いてイメージする内容は、ある区域にどれだけ多くの種類の生物が生息するか、であろう。この「種の豊富さ(speciesrichness)」に概ね該当するのが、「種多様性(種間の多様性)」である。ただし、種多様性は、単に種数が多いかどうかだけでなく、種間で個体数の偏りがないかといった「均等度(evenness)」も含む概念である。これら二つの要素を考慮した種多様性(種間の多様性)の指標としては、Shannon-Wienerの多様度指数(

H')

等がある(

6

「遺伝的多様性」は、その種の存続や環境変化への適応において重要な意味を持つ( 二番目の「遺伝的多様性(種内の多様性)」は、ある一つの種の中での遺伝子の多様性である。

2

)。

6

伝的多様性」が高い集団の場合、種として持っている遺伝子の種類が多く、環境が変化した場合

5

)。「遺

IUCN編(2014鑑:IUCNト。男・訳、版、京、

41

6頁。

IUCN IUCN動。http://www.iucn.jp/

jp/protection-15/species.html(参照日 http://www.iucn.護。

20

16年

2月 18日)

 ぶ、性。http://www.biodic.go.jp/biodiversity/index.html(参照日

20

16年

2月 18日)

  グ。http://ikilog.biodic.go.jp/

20

16年

2月 18 日)野生生物調査協会Envision環境保全事務所  日本のレッドデータ検索システムhttp://www.jpnrdb.com/(参照日

20

16年

2月 18日)

西条八束監修、三河湾研究会編(1997)とりもどそう豊かな海

三河湾――「環境保全型開発」批判。八千代

出版、東京、全

31

2頁。

水産庁編1998)日本の希少な野生水生生物に関するデータブック。日本水産資源保護協会、東京、

43

7頁。

拓殖朝太郎・大橋昭彦・山田

智・岩田靖宏・石田基雄(

2012)三河湾東部、渥美湾における赤潮および貧酸素水塊形成に及ぼす降雨に伴う河川水流入の影響。愛知県水試研報、

17号、

9 24頁。

山室真澄石飛

 2013中田喜三郎中村由行()貧酸素水塊現状と対策。生物研究社、東京、全

22

7頁。

レッドリストでは、絶滅のおそれの程度をいくつかの段階に分けている。環境省版レッドリストでは、

19

97年版以降

20

13年版に至るまで、次の七つのカテゴリーに分けている

; 絶滅

E

X)、野生絶滅(

E

W)、CR+EN絶滅危惧Ⅰ類()、絶滅危惧Ⅱ類(

V

U)、準絶滅危惧(

N

T)、

情報不足(

D

D)、絶滅のおそれのある地域個体群(

L

P)。絶滅と野生絶滅はすでに絶滅したと

判断される種に対して適用される。絶滅の危険性から高い順に並べると、絶滅危惧Ⅰ類、絶滅危惧Ⅱ類、準絶滅危惧となる。正確で詳細なレッドリストの作成は、希少種や絶滅危惧種の保護を進める上での第一歩である。地域ごとにレッドリストを作成する試みは、同じ種であっても地域により遺伝子集団(個体群)や生息環境の状況等が異なる可能性を考えると、非常に大切である。しかし、「レッドリスト」の作成・更新には、予算や担当できる人材の確保が必要であり、全国レベルでは比較的調査がなされている生物群(貝類、甲殻類など)においても、都道府県レベルでは情報が不十分なことが多いのが現状である(

6

6

7

)。(吉川

尚)

参考・引用文献

編(2015

三次 

20

15新

説。県、

14

6頁。

http://www.pref.aichi.jp/kankyo/sizen-ka/shizen/yasei/redlist/index.html青木伸一間瀬友記蒲原

聡(

2014)風による底層貧酸素水塊の浅海域遡上について。土木学会論文集

B2(海

岸工学)

70巻 2号、

I_1141

2000青山裕晃()三河湾における海岸線の変遷と漁場環境。愛知水試研報、 I_1145頁。

7号、

7 12頁。

第 2 部 幡豆の海と生き物

味する用語なのである(

1

章 体の大きさは関係ない。もっともマンボウは本気になると驚くほど速く遊泳することができるし、 ウはゆっくり漂いながら海流にのって回遊する魚なので、プランクトンとする学者もいるくらい、 大型でもぷかぷかと浮遊していて、ゆっくりと泳いでいればプランクトンである。魚類のマンボ 反対に、体が大きくても浮遊生活をしていればプランクトンになる。例えば、クラゲのように 活ではなく、底生生活をしているのでベントスに区分される。 ある。例えば、海底の泥中に生息するバクテリア、海藻の葉上に生息する小動物などは、浮遊生 界の小さな生物=プランクトン」という認識は的外れではないが、例外も多いので注意が必要で りの水と共に流されてしまうため、プランクトンの定義に当てはまるものが多い。そのため「水 ウリムシなど)や小型の生物たち(ミジンコなど)は、どれだけ頑張って速く泳いでいても、周 とだろう、といった認識が一般的と思われる。確かに、水界の微生物(バクテリア〔細菌〕やゾ かといわれると、海の中にいる小さな「虫」、あるいは顕微鏡でようやく見える「微生物」のこ ところで、プランクトンという言葉を知っている方は多いと思うが、具体的にどのような生物 である。 流れに逆らって移動できる生物である。しかし、実際にはプランクトンとネクトンの境界は曖昧 浮遊したままで自分の周りの水と一緒に移動してしまうが、ネクトンは海流や潮汐流などの水の 物)と定義される。プランクトンは遊泳力が乏しいために周辺の水の流れに逆らうことはできず、 それに対して、魚類などの体がある程度大きくて、遊泳力をもつ生物たちはネクトン(遊泳生

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)。

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