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 23刷。

第5章ズレからの創造(巫)

    学校・家庭・地域の教育的関係の構築

 家庭や地域は学校教育の基盤であり、三者の連携と相互補完の重要性が 年々高くなっている。それは生徒指導の推進にとって重要であるばかりで なく、生徒の望ましい人格形成の基盤を強固にするものであるからである。

しかし、今なおその有効な実践的教育関係を構築するに至ってはいないよ

うに思われる。

 その根本的原因は、学校の軽機性と教職員の忙しさにある。この問題の 背景には専門職としての教職のもつ自律性と、マスコミかちの過度の批判

と追求とがあり、これらが重なり合って率直な意見交換を阻んでいる。そ れが忙しさと相侯って、外部との交流を避けようとする傾向となって表れ

ている。

 今日の子どもの問題に対処するためにはそのような閉鎖性から脱却して、

父母と地域の学校参加を促進し、いわば、地域教育的関係を構築しなけれ ばならない。その方略の検討が本章の基底的関心であり、ねらいである。

第1節学校適応に寄与する家庭と地域の対人関係

今日、社会環境や住民の意識構造の変化は激しく、教育の場は多様に広が っている。それにもかかわらず、学校と家庭と地域は子どもの人格形成基 盤であることに変わりなく、子どもは学校や家庭や地域社会の環境との相 互関係において成長し発達するのである。

 その視点からの生徒指導は、学校の枠を超えた地域的広がりの中で捉え ることが必要であり、そこに「地域教育」の構想と実践上の連携が求めら れるのである。そこで、子どもの生活の場とそこでの対人関係が、学校生 活への適応にどのような影響を持つのか、その関連を見るため 93年7月、

筆者は中学生を対象として生活意識調査を実施した。それは生活場面とし ての学校・家庭・地域での充実感や対人関係に関する56項目の問いについ て、「はい、いいえ、どちらでもない」のいずれかを選ぶ3元法によって 答えるものである。調査は阪神地区中学校2校333名から回答を得た。

 ここではその結果の分析により、子どもの対人関係と学校適応との相関 関係を把握し、さらに因子分析を試みることによって、その関連要因を考 察するものである。そこから三者連携の必要性とその具体的方略の検討が 可能になるものと考えちれるかちである。なお、調査項目は巻末に資料と

して掲げている。

 1.学校生活に対する満足感と充実感

 筆者の実施した中学生の意識調査によれば、次頁の図・5−1に示すとおり、

全体の67.9%が「学校は楽しく充実している」(問1)と答えている。決 して多い数ではないが過半数である。昭和57年の総理府青少年対策本部の 調査の62.8%を上まわっている。男女別に見ると女子の70.9%は男子の65。

1%を超えている。学年別では2年において落差があり、61.2%とやや落ち 込んでいる。この原因の追究は本稿の目的ではないが、2年生においては 家族関係の項目においても、また教師との関係の項目においても同様に落 差の大きいことが注目される。

 この2年生の問題については、全国教育研究所連盟の授業不適応に関す る調査においても「学習用具を持たない」とか、「教師の説明や級友の発 言をひやかす」などの行為においてその増加率が高い。また学業成績が急 に下がる傾向にあるなどの特徴がある。(1)この2年生の四三は生徒指導に とって注目すべきことであり、また授業の改善の重要性を物語るものとし て確認しておかなければならない。

 学校生活に充実感を与える要因はいくつかあるが、まず「友人関係がう まくいっている」(問3)ことである。「はい」と答えた者は全体の78.7

%であり、男子にあっては84.0%と高く、また学年進行にしたがって次第 に高くなるという傾向がある。反面、「友人関係の不調和」(問3)を訴 える者が全体の5.4%、3年生では7.0%あり、また「仲の良い友達がない」

(問40)者が9.0%ある。このことは、生徒指導における人間関係づくりと その調整の重要性を示すものである。

 次に、「先生との関係はうまくいっている」(問5)については全体の 51.6%と約半数が「はい」と答えている。2年生では45.4%にとどまって いる。また女子は48.7%であり、男子の54.3%に比べて低くなっているe  また、学業に関するものとして「学校での勉強がわかる」(問56)を設 定したが、「はい」は全体の49.2%と低く、学年進行に従ってその割合は 高くなってい:る。(学年順に66.0/41.3/40.0)教師との関係がよく、学習 内容がよく理解できることは、学校適応の基本的条件であると考えられる が、それを満たしている者が約半数である。しかし、学校生活に楽しさと 充実感を感じるということは友人関係にのみ支えられていることを示して

いる。

 そのことは、学校が「社交的サロンの場」と化しているという批判の内

実であるかも知れず、学習指導と生活指導の一体化を図る必要性を物語っ ている。学習や生活の目標の設定と達成に自我を関与させて、自己指導の できるための生徒指導本来の指導と援助の重要性を改めて認識することで ある。また教師と生徒のコミュニケーションの円滑化と深化を図ることも 同様である。「学校で打ち込むものがある」(問11)は50.5%でその内容 はクラブ活動や行事である。なお、調査領域としての家族関係と校外生活 の結果は図・5−2、5−3のとおりである。

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