1. 北京市
1.16 環境保護部:現地排出が北京の今回の重度スモッグの主因である
11
月30
日、北京市は今年最初のスモッグオレンジ警報を発令し、全市のPM
2.5濃度は
12
時間のうちに10
倍近く上昇した。北京だけでなく、全北京・天津・河北および周辺地区で
11
月26
日の夜から広範囲に重汚染天気が出現し、汚染 範囲は拡大し続けている。今回のスモッグの原因は何か?これまでとどう違うのか?地方政府と関係部 局が採った緊急対応措置は有効だったのか?
12
月2
日、環境保護部はこれらの 問題についてメディアに説明した。初歩的なオンライン発生源解析によると、全 華北地域では、原炭燃焼と工業排出が今回の重汚染プロセスの最大の原因であ った。また北京では、今回の重汚染プロセスは主に現地排出の寄与がメインで、中でも自動車排出の寄与度が大きかった。
今回の重汚染期間中、化石燃料もしくはバイオマス燃焼によって排出された 一次粒子状物質が顕著に増加し、原炭の分散燃焼が地面付近の汚染に最も影響 し、低い面源汚染が
PM
2.5濃度に最も貢献した。「冬になって、北京および周辺 地区の石炭燃焼および都市と村落の境界域、農村の分散燃焼の監督が行き届か ず、それに加えて暖房用ボイラーなどの排出量が増大した。それらすべてが重汚 染天気の原因である」と中国環境科学研究院副院長の柴発合は説明した。観測データによると、石炭燃焼排出に直接関係する有機物、硫酸塩、ブラック カーボンなどの物質は、
PM
2.5の主要組成であり、石炭汚染が今回の華北地区の 広範囲な大気重汚染を引き起こした主な原因であることを証明している。同時 に、自動車汚染の影響も無視できない。柴発合によると、特に北京などの都市地 区では、自動車の密度や活動強度が高く、汚染物質の低空排出量が多いことが、現地の
PM
2.5濃度に大きく貢献した。今回の重汚染天気に対応するために、北京・天津・河北および周辺地区ではす でに多くの都市で対応する等級の警報を発令し、緊急対応計画を発動した。環境 保護部も
11
月27
日に10
組の監察チームを北京、天津、河北、山東、河南の5
省市重点都市の重汚染天気緊急対応状況と大気汚染源排出状況の監察のために 派遣した。環境保護部の監察結果によると、自動車走行制限措置が徹底されておらず、北 京市豊台区の一部の残土輸送車の走行が止められていなかった。石家荘市の中
公表日:
2015
年12
月2
日 情報公表組織:テンセント財経 分類:ニュースキーワード: スモッグ、汚染警報、自動車排排出、低品質炭
73
心市街地では大型、中型トラックの走行禁止措置が実行されず、取締官は違反車 両を追い返さなかった。施工と道路の発じん問題はまだ存在し、北京市房山区竇 店ハイエンド産業パーク紫嗎路沿線ではコンクリートミキサー車の往来が頻繁 で、発じん汚染が深刻であった。発見された問題について、監察チームは現場で 是正意見を述べ、地方に対し厳しく取り締まり、是正措置を確実に行うよう要求 した。
このほかに、一部の区県の低品質炭分散燃焼汚染も今回の監察で発見された 問題のひとつである。例えば、北京市豊台区南苑路三営門バスターミナル付近の 一軒の未登録の公衆浴場の小型石炭ボイラーは黒煙を上げていた。新発地馬家 楼橋出口東の住民は低品質炭を暖房に使用し、大量の煙が上がっていた。
「実情を見ると、各級政府は緊急対応措置の発動、協議、実施に多くの対応を 行ったが、郷鎮、街道での実施状況は大幅に割り引かれた。」劉長根は、末端の 政府と関係部局が合力を形成できなかったことと、管理の粗さや欠如により大 気緊急対応計画の効果を目標通り達成できなかった、と述べた。
「予定していた措置を確実に実行して初めて、緊急対応計画はあるべき作用を 発揮できる。」中国環境科学研究院環境と健康イノベーション基地の首席科学者 の張金良は、現在の状況から、生活由来発生源の規制をさらに強化する必要があ ると考えている。
「これらの重汚染天気の際のみならず平時にも地下鉄出入口付近のバーベキ ュー屋台を取り締まるべきだ。北京市の大気汚染と重汚染天気防止の緊急対応 業務には、まだ改善すべき点が多い」と張金良は述べた。
「したがって、根本的に産業構造を調整し、生産能力過剰を解消してはじめて 北京・天津・河北および周辺地区の大気汚染防止問題を解決できる」と柴発合は 考える。「対症療法」の臨時規制措置に対し、産業構造転換、過剰生産能力の解 消は、北京・天津・河北および周辺地区の大気汚染対策にとって「根治治療」の 意味を持つ。
出典:テンセント財経
URL
:http://finance.qq.com/a/20151202/051939.htm
1.17
「京六」は国五より40
%厳格に(
*
「京六」基準の関連情報については、「二.市の政策動向―1.11
北京市:「京6
」基準2017
年実施に努力:自動車排ガスと石油製品に関連する草案の策定ほ ぼ完了」をご参照ください。)74
最近、北京第六段階自動車排ガス地方基準(京六)意見募集稿が正式に公表さ れた。それには小型車、大型車、大型エンジンの
3
つの基準が含まれ、公衆は環 境保護局に書面で意見を提出できる。京六基準は2017
年12
月1
日に正式に実 施されると、世界で最も厳しい自動車排出基準になる見込みである。今回公表されたのは、「小型車の汚染物質排出規制値と測定方法(北京第Ⅵ段 階)」(意見募集稿)、「大型車用圧縮点火式、気体燃料火花点火式エンジンの排出 汚染物質排出規制値と測定方法(北京第Ⅵ段階)」(意見募集稿)、「圧縮点火式、
気体燃料火花点火式大型車排ガス汚染物質排出規制値と測定方法(北京第Ⅵ段 階)」(意見募集稿)の三つの基準の意見募集稿である。
この内、小型車については、欧州
6
号小型ガソリン車排出基準が規制値の点 で北京が現在実施している国五基準(欧州5
号基準に相当)と完全に一致し、排 出削減ポテンシャルがないことを考慮し、世界で最も厳しい自動車排出基準体 系である米国カリフォルニア州の基準を参考に、京六小型車排出基準を制定し た。市環境保護局の責任者によると、京六基準は成熟した基準体系を採用し、現在 米国市場ですでに基準達成技術があるため、自動車企業は一定期間内に基準達 成車種を生産供給することが可能であり、しかも大規模生産後は車両コストの 著しい増加はない。
また、京六中の大型車排出基準は新たに追加された世界初の基準である。調査 した結果、エンジン排出基準で定められた走行モードと完成車の実際の路面走 行のミスマッチがあり、しかも完成車は燃料消費を下げるために改めて排出制 御システムを定めたため、大型車の実際の使用中の窒素酸化物排出が高くなっ てしまった。環境保護取締検査の時に、エンジンを取り外して測定する必要があ り、取締に不利である。中国を含めて、現在世界各国が新車の排出については大 型エンジン基準だけを制定しており、大型車の新車排出基準はまだない。
京六基準は現在実施している国五基準より
40
%厳しくなり、小型ガソリン車、大型ディーゼル車の
1
台あたりの排出は40
%~50
%低下するであろう。京六基 準を手続に従って制定公布し、2017
年12
月1
日から実施する計画である。出典:経済参考報
URL
:http://www.jjckb.cn/2015-12/02/c_134875055.htm
公表日:2015
年12
月2
日情報公表組織:経済参考報 分類:政策動向
キーワード:自動車排出、窒素酸化物
75
1.18
北京市環境保護局「揮発性有機化合物汚染排出費徴収細則」配布に関する通知
(
*
中央政府の関連政策については、中央政府の政策動向「7.
環境保護部など3
部・委員会:「揮発性有機化合物汚染排出費徴収パイロット事業規則」公布」を ご参照ください。)揮発性有機化合物汚染防止を強化するため、「揮発性有機化合物汚染排出費徴 収パイロット事業実施規則」(財税〔
2015
〕71
号)
、「北京市2013
年~2017
年 クリーンエア行動計画」(
京政発〔2013
〕27
号)
、「揮発性有機化合物汚染排出費 徴収基準に関する通知」(
京発改〔2015
〕2003
号)
などの規定に従い、北京市環 境保護局は「揮発性有機化合物汚染排出費徴収細則」を制定した。この細則は北京市内で石油化学工業、自動車製造、電子、印刷、家具製造の
5
つの業種に従事する汚染排出者からVOCs
排出費を徴収するものである。上述 の業種の汚染排出者が全ての排出口から排出するVOCs
全てについて汚染排出 費を徴収し、「汚染当量数上位三項目の汚染物質について汚染排出費を徴収する」という制限を受けず、同時に大気汚染物質中の単項目有機物に対する汚染排出 費徴収も今後行わない。
VOCs
汚染排出費徴収額は費用徴収時期の汚染排出者のVOCs
排出量と当期 に執行する費用徴収基準の乗数とする。費用徴収時期は現行汚染排出費徴収規 則により月ごともしくは四半期ごととする。計算方法は「汚染排出費=排出量×
費用徴収基準」である。VOCs
排出の基本費用徴収基準は20
元/kg
である。汚染排出者が積極的にVOCs
汚染高度処理を行うことを奨励するために、汚染排出者のVOCs
汚染抑 制措置状況に応じ、段階的な差別化費用徴収を実施する。1
.環境保護「トップランナー」は半額とする。VOCs
汚染防止を重点として クリーナープロダクション審査を実施し、排出濃度が本市の排出規制値の50
% 以下と評価され、かつ当月環境汚染により環境保護局から処罰されていない時 は、費用徴収基準は10
元/kg
とする。2
.環境法違反者は倍加する。廃ガス処理設備を設置せず、廃ガス処理設備を 正常稼働させず、VOCs
排出が本市の基準を超過するなどの環境汚染行為があ った時は、費用徴収基準は40
元/kg
とする。3
.その他の状況では基本費用徴収基準20
元/kg
を執行する。公表日:
2015
年12
月4
日情報公表組織:北京市環境保護局、中国品質ニュースネット 分類:政策動向
キーワード:汚染排出費徴収、揮発性有機化合物、細則