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独占市場

ドキュメント内 第2回 需要と供給 (ページ 99-114)

か?

1. 独占市場

• 独占( Monopoly )

「ある財について、それを供給する企業が1つ しかない市場の状態」

– 何故起きる?

① 生産要素を独占している。

② 規模の経済性

③ 公的な規制

• 市場支配力( Market Power )のある独占企

業は、自分で価格を決めることが出来る(プラ

イス・メイカー( Price Maker ))。

1.独占市場

例:石油の独占

石油を1バレル掘るためには、30ドルかかる。

限界費用は一定で30ドル。平均費用も同じく30ドル。

価格(P)、限界費用(MC)、限界収 入(MR)

供給量 30

需要曲線(D)

限界収入曲線(MR)

1.独占市場

需要曲線上で価格が決定する。

完全競争の時は、価格は市場が決め、個々の企業が生産量を変えても 価格は変わらなかったが、独占市場では、企業が生産量を変えれば、需 要曲線を通じて価格が変更される。

PMCMR

MC=AC

D

MR

1.独占市場

生産量がX1の場合

価格と平均費用が等しくなるため、利潤がゼロになる。

利潤(π)=価格(p)×供給量(X) – 平均費用(AC)×供給量(X)

= (p - AC)*X

PMCMR

X MC=AC

D

MR

1.独占市場

生産量がX1の場合

価格と平均費用が等しくなるため、利潤がゼロになる。

利潤(π)=価格(p)×供給量(X) – 平均費用(AC)×供給量(X)

= (p - AC)*X

PMCMR

MC=AC

D

MR

1. 独占市場

• 限界収入( Marginal Revenue )

「財を1単位追加したときに、それによってど れだけの収入の増加があるかを示したもの」

– 独占市場の場合、財を1単位増やすと、① 1単位 増やした分、収入が増加する。同時に、② 1単位 千三両が増えたため、需要曲線の影響を通じて 価格が低下し、収入が下がる。

– 独占市場では、限界収入は②の影響を通じて価 格よりも小さくなる。

– 完全競争の場合は、②が存在しない(個々の企

業は市場に影響を与えない)ので価格=限界収入。

1.独占市場

生産量がX2の場合

■が企業にとっての利潤になる。

1単位生産を増やすと、収入は、生産量が増えたので利潤が増加+原油の価格は低下する。

限界収入(MR)>限界費用(MC)なので、利潤が増える。

PMCMR

MC=AC

D

MR

1.独占市場

• MR=MCとなるまで、生産量を増やすことになる

1単位増やすと、MR>MCなら、利潤が増える。

1単位増やすと、MR<MCなら、利潤が減る(1単位減らすと利潤が増える)。

– MC=MRの時に、利潤■は最大になる。価格はP*で、供給量はX*

PMCMR

X MC=AC

D

MR P*

1.独占市場

独占市場の余剰

最も余剰が大きくなるのは供給量がX1の時。この時、総余剰=消費者余剰で、企業の利益(=生 産者余剰)は0。

独占価格の時は、消費者余剰は▲に低下し、生産者余剰が■で決まる。しかし、総余剰は低下 している。

PMCMR

MC=AC

D

MR P*

2.完全競争市場

短期のケース

短期のケースでは、新しい企業の参入はなく、長期のケースでは参入がある場合を考える。

価格は市場が決めており、個々の企業の供給量には影響を受けない。

– P=MCとなる供給量を供給する。この時、利潤■は(P-AC)×Xであり、利潤を得ることになる。

PMCAC

X P1

AC MC

AC1

2.完全競争市場

長期のケース

長期のケースでは、より低い価格で提供する企業の参入が進み、市場価格が下がる。

価格は市場が決めており、個々の企業の供給量には影響を受けない。

価格は、企業が利潤を得られなくなるAC=Pが成立するまで下がることになる。

PMCAC

P1

AC MC

P2=AC2

3 . 独占的競争市場

• 独占的競争( Monopolistic Competition )

「個々の企業が価格支配力を持つが、自由な 参入が起こって、過大な利益が得られない状 況」

– ブランド力の例

• iPhone

各コンビニ、オリジン、町の弁当屋のおにぎり。

– 地域独占の例

ガソリンスタンド

短期の独占的競争(独占市場と同じ)

① 限界収入(MR)=限界費用(MC)で生産量X1が決まる。

② 価格は需要曲線上にある(P1)。

③ 平均費用はAC1であり、④利潤■(π=(p-AC)×X)が得られる

3 . 独占的競争市場

PMCAC

P1

AC MC

AC1 D

MR

長期の独占的競争

① 企業が参入すると、需要を奪われることになる(需要曲線が左にシフトする)。

② 全ての企業が同じ条件(同じ原価費用曲線、平均費用曲線)だとすると、

AC=P、利潤がゼロになるまで参入が進む。新しい均衡では、P=AC、MR=MCが成立する。

3 . 独占的競争市場

PMCAC

X AC2=P

AC MC

経済原論

第9回 市場の失敗

ドキュメント内 第2回 需要と供給 (ページ 99-114)

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