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公共財

ドキュメント内 第2回 需要と供給 (ページ 121-141)

か?

2. 公共財

2. 公共財

公共財(公園)の市場全体の評価

需要曲線は需要量ではなく、限界的評価の積み重ねになる。

これは、山田さんが公園を使用しても、山中さんも使用可能だからである。

公園の規模

P1

P2

P1 + P2

~~

MC

D1+D2 D2

D1

X* X* X*

2. 公共財

• フリーライダー問題

– 通常の財は、「その財を購入する」と宣言して、対価 を支払うことでしか、その財の消費をすることができ ない。

– 公共財の場合は「その財を購入しない」といって対

価を支払わなくても、排除不可能性が存在するため、

消費をすることが可能である。

– このような行為を、経済学の言葉でフリーライダーと 呼ぶ(例.NHKの受信料)。

– フリーライダー問題を解決するため、税等で対価を

徴収できる公的機関が公共財を提供することになる。

2. 公共財

• 費用逓減産業

「生産量が増加するほど、平均費用が下がって行くような産業」

例:鉄道、ガス、電力などの産業

– 特徴

固定費用が非常に大きく、通常は採算がとれない。

価格は限界費用に等しくなることが望ましいが、費用逓 減産業では、それで決まる価格水準ではだれも参入でき ない可能性がある。

– 政府の援助や価格の付け方への工夫が必要。

2. 公共財

需要・供給曲線による説明

1. 最適な資源配分は、限界費用曲 線(MC)と需要曲線(D)の交わる Eで決まる。X*よりも需給量が低い と、限界的評価が限界費用よりも 高くなり、過小供給となる。

2. 費用逓減産業は固定費用が大き いため、平均費用曲線が通常より も高い位置にある。その為、価格

<平均費用となってしまい、企業 は採算がとれない。赤字額は BFEP*で与えられる。

3. しかし、企業の赤字BFEP*が消費 者余剰(AEP*)よりも低ければ、社 会的には、企業がX*で生産するこ

MC

D

E

価格、費用

P*

F J

AC

A

B P1

2. 公共財

• 費用逓減産業における2つの市場の失敗

– 独占市場による失敗

固定費用が高く、多量に供給した方が費用が低くなるた め、少数の企業はこの財を供給することになる。

– 採算が合わないという失敗

企業が最適な資源配分となる生産を行おうとしても、均 衡価格が平均費用よりも低ければ、採算があわない。

その背景には、全ての消費者に同一の価格で販売を

行っていることと、それによる消費者余剰の存在がある。

一部の消費者は、自分の評価額よりも低い価格で財を 購入をすることができる。その部分が企業の収入に入ら ないため、社会的に必要でも企業に利潤が入らないとい う問題が生じることになる。

2. 公共財

• 採算が合わないという失敗への対策

– 高い価格をつける

14ページの図にあるP1の価格付けを行えば、企業は赤 字を解消できる。しかし、供給量が低下するという問題が 生じる。

– 政府による補助金

経営努力が足りなくなる問題が起きることもある。

– 二部料金制

固定額を請求した上で、限界費用分を徴収する。

固定額が消費者余剰よりも低ければ、消費者はその財 を消費することになる。

例:電話料金、電気料金、水道料金。遊園地やゴルフ会員権

経済原論

第 10 回 不確実性・不完全情報の世界

1.不確実性

本来は・・・。

• 不確実性( Uncertainity )

「これから起こる事が確実でないこと」

(確率すら計算できない場合を指すこともある)

• リスク( Risk )

「これから起こる事が確実でないこと」

(確率が計算する事が可能である場合をいうこ ともある)

• この講義では、リスクを危険を伴う不確実性と

1.不確実性

• リスクの例

– 株式市場

– 企業の輸出と為替レート – 就職先の選択

– 新しいプロジェクトへの参入

• リスクへの対処

– ポートフォリオ – 先物取引

– 失業保険 – 多角経営

1.不確実性

• 危険分散

– 「卵は1つのバスケットに入れて運ぶよりも、分けて 運んだ方がよい」

– その代表例が、「保険」。

• 保険

– 我々は、火事に遭うというリスクに直面している。

– 火事に遭った時の補償を保険加入者で出し合うこと で、リスクを保険加入者に分散することができる。

– また、保険加入者が多ければ大数の法則が成り立 ち、火災の発生確率や被害額を予測できる。

1.不確実性

• 保険の限界

– 企業の利潤を補償する保険はない。

– サッカー選手は足に保険をかけるが、我々はその 保険に入れない。その原因は、モラルハザードにあ る。

• モラルハザード( Moral Hazard )

「ある人が利己的な行動をするために、その人 を含めて多くの人が被害を被ること」

– 企業の経営努力の喪失 – 当り屋

– 少し具合が悪いだけで病院に行く

1.不確実性

• 保険の限界

– 企業の利潤を補償する保険はない。

– サッカー選手は足に保険をかけるが、我々はその 保険に入れない。その原因は、モラルハザードにあ る。

• モラルハザード( Moral Hazard )

「ある人が利己的な行動をするために、その人 を含めて多くの人が被害を被ること」

– 企業の経営努力の喪失 – 当り屋

1.不確実性

• 契約形態によるリスク分散

– 企業の収益の変動を引き受けるのは誰か?

株主への配当

内部留保の取り崩し

労働者の賃金(ボーナスによる変動)

– コンビニエンス・ストア

賃金契約(本部の直営店のケース)

利益分割方式(店の収益の一定割合をフランチャイズ料 として本部に支払うシステム)

定額フランチャイズ方式(店の収益とは関係なく、毎月一 定の金額がフランチャイズに支払われるシステム)

2.不完全情報

• 情報の経済学

– これまでは、誰もが情報を共有しているという前 提で議論をしてきたが、ここでは、情報が完全に 行き渡っていない状態(不完全情報の状態)を前 提に議論をする。

– 労働市場の例

1. 採用をした後、まじめに働いてくれるか、定年まで辞 めずに働いてくれるかはわからない。

2. 採用をする側は、誰が優秀な学生か、情報を持って いない。

2.不完全情報

• 逆選択( Adverse Selection )

「質の良いものの中に、質の悪いものが含まれてい る為に質の良い商品の取引が阻害されること」

• そのような財のことをレモンという

– 中古車市場 – 保険

– 銀行と企業の取引

• 新卒市場の採用もこの例に含まれる

2.不完全情報

• 逆選択の解消法

– 第3者の目を入れる

中古車のディーラー

格付け会社(ムーディーズ)

– 標準化

フランチャイズ・チェーン化

– シグナリング

多大な広告

2.不完全情報

• シグナリングとしての教育の役割

– ベッカーの人的資本理論

大学は人的資本を高めるもの

– スペンスのシグナリング理論

大学は先天的に決まっている能力を採用企業に伝え るためのもの。

2.不完全情報

• 教育のシグナリング効果

1. 企業は雇った労働者の能力の見分けがつかない。

2. 仕事量に応じて賃金を払うと、20*1/2+10*1/2=15の賃金 を全員に支払う事になる。

この状況は能力の高い人からみると不公平

3. 能力の高い人が負担2で大学に入り、そうでない人は15 負担で大学に入るとする。

4. この時、大卒には20、高卒には10の賃金を支払うことで、

能力の高い人は大学に行き、そうでない人は高卒で就職 をし、両者を区別できる。

割合 仕事量 教育の負担

能力の高い人 2分の1 20 2

そうでない人 2分の1 10 15

2.不完全情報

• モラル・ハザード

プリンシパル・エージェント問題

エージェントの行動によって、プリンシパルの利益に変化が 生じる。エージェントの行動や、プリンシパルの疑いによって 利益が減じる事を、モラル・ハザードという。

モラル・ハザード、エージェントの行動に関する情報をプリン

プリンシパル エージェント

依頼人 弁護人

経営者 労働者

株主 経営者

銀行 融資先

保険会社 被保険者

タクシー会社 タクシー運転手

ドキュメント内 第2回 需要と供給 (ページ 121-141)

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