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物体の自転や、建築物等を扱う時には、大きさを考える必要が有るので、

原子から宇宙まで第 5  回 (5/12)

3.  物体の自転や、建築物等を扱う時には、大きさを考える必要が有るので、

    質点として扱うことはできないが、質点の積み重ねとして積分を用いて    記述することができる。(剛体の力学、弾性体力学、流体力学) 

力について  

様々な力が存在する。 

物体が離れていても働く力(遠隔力) … 重力, 磁力, 静電気力,  

接触力 … 摩擦力、空気や水の抵抗、バネやゴムの力(弾性力)等 

現代物理学の観点では、次の 4 つの力が本質的である。 

・重力相互作用 (万有引力) 

・電磁気相互作用 … 電気的・磁気的な力 (ほぼ全ての力がこの力に由来) 

・弱い相互作用 … 原子核のβ崩壊などを引き起こす力 

・強い相互作用 … 原子核内の陽子や中性子を結合させている力 

電気的相互作用と弱い相互作用は統一的に記述可能なことが知られている。 

(Weinberg-Salam 理論 (1967年) 、1979 年 Glashow とともに Novel prize)。 

Weinberg-Salam 理論において、電子などの粒子が質量を持つために、 

ヒッグス粒子 (Higgs boson)が導入される  

(2012年に発見され、2013 年に確認。同年にHiggs 他一人がノーベル賞授賞)。

後ろの二つは  超近距離で登場

7

慣性の法則と運動方程式の関係 

ma = Fで、F = 0 とした時には、a = 0 となるので、 

一見すると、慣性の法則は不要なように見える。 

物体の位置の指定には座標系が必要である(第 3 回の講義スライド参照)。 

座標系自体が加速度運動している時には、慣性の法則は成り立たない 

(右の座標系では力を受けていない物体が加速度 -a の運動を行うので)。 

慣性の法則は物体の運動を記述する座標系を規定する   慣性の法則が成り立つ座標系を慣性系と呼ぶ。 

運動方程式は慣性系でのみ成り立つ。

O x y

x

y R(x,y)

xʼ軸方向の加速度a で運動する座標系  (非慣性系)

O xʼ

a

静止した座標系(慣性系)

8

厳密な意味で慣性系は存在しないが、 

地球表面は近似的な慣性系であると  多くの場合みなせる。 

非慣性系における運動は 

後の講義で取り扱う(予定)。

ガリレオの相対性原理 

「等速度運動する座標系で物理現象を見つめても、 

  物体の加速度は変わらないので、物理法則はまったく同じになる。」 

この主張をガリレオの相対性原理と呼ぶ。つまり、両者は区別ができない。 

xʼ軸とx軸は方向が等しいとする。 

O-xy 座標系で点の R(x,y) と、O-xʼyʼ 系で見た同じ点 R(xʼ,yʼ)の座標には  以下の変換式が成立する。 

ただし、V は定数。この変換式をガリレイ変換と呼ぶ。 

O x y

x

y R(x,y)

静止した座標系(慣性系)

O xʼ

V

xʼ軸方向に速度Vで運動す る座標系(慣性系)

9

t = t ! (

絶対時間

) , x = x ! + V t, y = y !

何故落ちる鳥は地球の運動に取り残されないのか? 

実は、鳥も地球とともに動いているから(近似的に慣性の法則が成立)。 

ガリレイの相対性原理によると、 

共に同じ速度で動いている系(観測者、地球、鳥)は、 

宇宙の中で静止している系と区別がつかないので、 

人間の目から地球の運動はこの方法では検出できない。 

速度の合成 

ガリレイ変換の式で xʼ=vtとすると、速度の合成の式が得られる。 

速度 V で動いている O-xʼyʼ系にいる観測者から見て、 

速度 v で動いている物体は、静止系 O-xy にいる観測者から、 

vʼ = V+v の速度を持っているように見える。 

ガリレイ変換について 

ガリレイ変換の式は、V や v が光速度よりも十分小さい時に成立。 

V や v が光速度に近い時は、変換式をローレンツ変換 (特殊相対論で出現)  まで拡張する必要がある。こうすると、電磁気学の法則まで含めて、 

全ての物理法則が静止系と運動系でまったく同様に書ける。

10

運動方程式の単位 

      

(一次元)         (二次元以上)

 

微分を用いて書くと、 

    

      (一次元)      (二次元以上) 

右辺は通常、時間 t、位置 x、速度 v の関数 F(t,v,x)  物体に作用している F を数え上げ、加速度 a を決定。 

運動方程式(微分方程式)をとくと、物体の運動が決定 (予言) できる。 

SI 単位: 力学で用いる主な SI 基本単位は 3 つ (全部で7つ)  m (メートル)、kg (キログラム)、 s (秒) 

力の単位 

慣性質量の SI単位 : [kg]   加速度の単位: (加速度)=(速度の変化)/(時間)  

            (速度) = (位置の変化)/ (時間) なので、 

        加速度の単位を SI 単位で表すと [m/s2 従って、力の単位は [kg・m/s2]  

この単位には、ニュートン [N] という別名が付いている。 

1 kg・m/s2 = 1 N  

(このようにSI 基本単位の組み合わせで書ける単位をSI 組立単位と呼ぶ。)

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ma = F m ! a = F !

m dx

2

dt

2

= F m d ! r

2

dt

2

= F !

ベクトル 

これまで、主に自由落下運動 (一次元) を考えてきたが、 

実際の運動は二次元だったり、三次元だったりする。 

その場合には、運動の大きさだけではなく、 

方向 (西に 2m 行って、北に 4m 進んだ)なども重要になる。 

そのような運動を表すのに、ベクトルを用いる。 

数学的には、幾つかの公理を満たすものは、すべてベクトルと呼ばれるが、 

物理的には大きさと方向を持った量として表される。 

具体的には矢印をイメージすれば良い。(ベクトルの幾何学的表示) 

代数学的には、次のページで示すように、 

数(通常の数をスカラーと呼ぶ)を拡張したものである。 

位置、速度、加速度、力などは一般にベクトル量として表される。

点P (始点)

点Q (終点)

ベクトルの表し方 − − →

P Q, ! a, a ( 太字 ) 等

12

ベクトルの成分 (代数学的) 表示 

ベクトルの実際の計算には、数を利用するのが便利。 

A地点を基準としたB地点の位置でベクトルを表す方法がある。 

つまり、        と書き、それぞれの数を、 

x (第1)成分、y (第2)成分と呼ぶ。

O x y

A(A

x

,A

y

)

B(B

x

,B

y

) B

y

­A

y

B

x

­A

x

− − →

AB = (B

x

− A

x

, B

y

− A

y

)

13

ベクトルの計算 

       とする。 

1. ベクトルの相等 

   と が等しいとは、各成分が等しい、 

つまり       のことである。 

2. ベクトル の大きさ a とは、 

       (スカラー量) 

  速さは、速度ベクトルの大きさ  3. ベクトル   の k 倍 k  は、 

      である。 

特に、      を  の逆ベクトルと呼ぶ。 

k   は k が 0 でなければ    に常に平行なベクトル。 

あと、ベクトルには足し算・引き算・2種類の 

かけ算があるが、ここでは足し算と引き算のみ扱う。

! a = (a

x

, a

y

), ! b = (b

x

, b

y

)

! a ! b

a

x

= b

x

, a

y

= b

y

14

平行移動して  ぴったり重なる  (大きさと向きが   等しい)

! a

a =

!

a

x2

+ a

y2

a

x

a

y

a =

!

a

x2

+ a

y2 三平方(ピタゴラス)  の定理

! a ! a k ! a = (ka

x

, ka

y

)

− ! a = ( − a

x

, − a

y

) ! a

! a ! a

! a

! a

­ 2 ! a

ベクトルの足し算と引き算 

      の時、 

       

      で足し算が定義される。 

足し算を図示するには、以下の 1, 2 のいずれかを行う。 

1. 足すベクトルの始点を足されるベクトル終点に移動し、 

    足されるベクトルの始点と足すベクトルの始点を結ぶか、 

2. 二つのベクトルの始点を同一の点に移動させた時、 

  作られる平行四辺形の対角線に沿って引く。 

  (平行四辺形の法則) 

引き算は逆ベクトルを足すことによって定義する。つまり、 

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! a = (a

x

, a

y

), ! b = (b

x

, b

y

)

! a + ! b = (a

x

+ b

x

, a

y

+ b

y

)

! a

! b

! a − ! b = ! a + ( − 1) ! b = (a

x

+ ( − 1)b

x

, a

y

+ ( − 1)b

y

)

= (a

x

− b

x

, a

y

− b

y

)

位置ベクトル 

座標系の原点から物体に向かって引いたベクトルを位置ベクトルと呼ぶ。 

成分は物体の座標そのものになる。 

位置ベクトルを表す記号としては、   ,     が最もよく使われる。

! r ! x

原子から宇宙まで第8回 (6/2) 

・ニュートンの運動方程式の例 (様々な力(2))  次回 第 9 回 (6/9) 

・万有引力 

・様々な運動 (1) 円運動と振動

1

前回の復習 (1) 

運動の法則 

第一法則 (慣性の法則) 

物体に力が働かないとき、その一定の速度 (加速度ゼロ) で  一直線上を動き続ける (あるいは静止し続ける)。 

慣性の法則が成り立つ系を慣性系と呼ぶ。第二法則は慣性系でのみ成立  第二法則 (ニュートンの運動方程式) 

質点の加速度     は物体にかかる力    に比例する。 

第三法則 (作用・反作用の法則) 

質点 A が質点 B に力を及ぼす時 (作用)、 

同時に質点 B は 質点 A に同じ大きさで逆向きの力を及ぼす(反作用)。 

これらの力は同一作用線上にある 

力の単位は N (Newton, ニュートン)  1 kg・m/s2 = 1 N

! a F ! m ! a = F !

2

前回の復習 (2) 

ベクトルの計算 

ベクトルとは、大きさと方向を持つ量 

       ベクトルの成分表示  1. ベクトルの相等 

    と が等しいとは、       のことである。 

2. ベクトル の大きさ a とは、      (スカラー量)      速さは、速度ベクトルの大きさ 

3. ベクトル   の k 倍    

4. ベクトルの足し算・引き算   

! a = (a

x

, a

y

), ! b = (b

x

, b

y

)

3

a x = b x , a y = b y

! a ! b

! a a = ! a

x2

+ a

y2

! a k ! a = (ka

x

, ka

y

)

! a + ! b = (a

x

+ b

x

, a

y

+ b

y

)

! a − ! b = (a

x

− b

x

, a

y

− b

y

)

力の三要素 

力はベクトル量として表される。 

力の三要素とは、 

1. 大きさ, 2. 力の向き,  

3. 作用点 (力が働いている場所) 

(着力点ともいう。)のことである。 

力の図示 

力の矢印の始点は、力の作用点である。 

力の合成・分解 

力はベクトルとして足し算できる。 

一つの質点に 2 つの力    と  がかかっているとする。 

       は2つの力と同等の働きをする。 

この力     を合力と呼び、 

 を求める操作を力の合成と呼ぶ。 

また、一方力    が質点にかかっている時は、それを  と   

に分けることができる。それぞれを求める操作を力の分解と呼び、 

それぞれを分力と呼ぶ。合成と異なり、分解の方法は無数にある。

地球表面 重力 -mg z

作用線

− → F

1

− → F

2

→ F = − →

F

1

+ − → F

2

→ F

→ F

→ F

− → F

1

− → F

2

− →

F

1

− →

F

2

4

→ F

重力 

重力は(電磁気を考えなければ)唯一の遠隔力である。 

方向は地球の中心の向き (鉛直下向き) 

正体は地球と我々の間の万有引力 (+地球の自転による遠心力) 

自由落下運動を引き起こす力であり、重力加速度は g = 約 9.8 m/s2   1kg の物体に対して g の加速度を引き起こす力を 

1 kg 重 (kgw, kgf などと書く)と呼ぶ。 

古い表記だが、工学などではよく使われる。 

1 kgw = 約 9.8 N  (問) 1N は何 kgw か? 

重力質量と慣性質量 

重さ…物体に働く重力 mg  (月では重さは 1/6 になるが、質量はそのまま)  同じ場所であれば、g は一定である。 

従って重さ mg を測ることによって物体の質量 mを定義することができる  (重力質量)。 

慣性質量と重力質量は概念的には異なるものであるが、 

両者は高い精度で一致することが実験的に知られている (弱い等価原理)。 

以下では、単に両者を同一視して質量と呼ぶ。

5

− →

W − →

N − →

W + − →

N = ! 0

! 0

! 0

6

! 0

− → W

→ N

垂直抗力  

床に物体を置いた時に、物体は静止しているとする。 

この時、物体に対して  1. 重力    と 

2. 床からの垂直な力    (垂直抗力) が打ち消しあって、 

    物体の合力は   となる。 

    (全ての成分が 0 であるベクトルをゼロベクトルと呼び、  で表す。  

物体の合力が  の時、これらの力はつり合っていると呼ぶ。 

(注意: 重力と垂直抗力は何の関係もない別個の力であり、 

 作用・反作用の関係ではない! 

重力の反作用は物体から地球にかかる力である。 

同一の物体にかかる力が作用・反作用の関係にある  ことはない。)

摩擦力 

物体が接触している時に、接触面に平行に働く力  静止摩擦力(物体が静止している時)と、 

動摩擦力(物体が運動している時、動きを止めようとする力)がある。 

ある力以上で引っ張ると、物体は動き出す。 

動き出す前のぎりぎりの所で働く摩擦力を最大静止摩擦力と呼ぶ。 

静止摩擦係数 μ 

最大静止摩擦力の大きさをF, 

垂直抗力の大きさを N として F=μN 

アモントン・クーロンの法則 (近似的な経験法則)  1. 摩擦力の大きさは垂直抗力に比例     

2. 摩擦力は、接触面積によらず、接触面の様子で決まる。 

3. 動摩擦力は物体の速度によらず一定   4. (最大静止摩擦力)>(動摩擦力) 

  F=μʼN < μN μʼ 動摩擦係数 

摩擦は現代に至るまで、あまりそのメカニズムが  解明されているとは言えない

− → W

→ N !

! v F

7

抵抗力 

流体(空気や水)等の流体中で運動する物体は抵抗力を受ける。 

抵抗力の向きは速度と逆向き 

粘性抵抗: 空気や水分子と物体との間の摩擦力による抵抗。 

      物体の速度に比例した大きさの抵抗力が働く。 

例. 小さい半径の雨粒の運動  

慣性抵抗: 物体が空気や水分子を押しのけることによる運動        物体の速度の 2 乗に比例した速度が働く。 

例. 大きな半径の雨粒の運動、スカイダイビング 

抵抗力が生じる運動では、物体は次第に速くなるが、 

終端速度 (それ以上絶対に速くなれない速度) が存在する。 

終端速度は加速度 a が a = 0 となる速度である。 

      の時、 

それぞれ、 

8

ma = mg − kv あるいは ma = mg − kv 2

v = mg

k , v =

! mg

k

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