3. 砲弾にどの程度火薬を詰めれば良いか?
(当時、ヨーロッパでは17世紀の危機と呼ばれる戦争の時代であった)
画像は www.museumsinflorence/musei/
History̲of̲Science̲museum.html より引用
落体の物理
Galileo Galilei 以前の一般的な考え方
・Aristoteles (B.C. 384 ~ B.C. 322、Plato の弟子) による 博物学者 「万学の祖」と呼ばれる
論理学 (三段論法)、物理学、生物学、形而上学、倫理学、政治学、文学等 Plato が数学・幾何学を重視したのとは対照的に、経験・観察を重視。
・物事の本質的な姿とは何か?
Platoの考え
人間は idea を想起 (アナムネーシス)することにより、
事物を真に認識する (善の idea が人間の最重要徳目) Aristotelesの考え
1. その物事になる可能性があるもの(可能態)が、発展することで 現実世界の現象(現実態)となる。
2. 純粋可能態は(全ての始まりの形)「火・空気・水・土」からなる。
(四元素説、Empedocles (B.C. 490頃 ̶ B.C. 430頃に始まる)) 3. 物事は純粋可動態から純粋現実態(完全な最終形態)へと動く。
例. 1. 種子 (可能態) が花 (現実態) になる
2. 高い所の物質(可能態)は、本来あるべき固有の場所(現実態)
に移動する。重いものほど下に行く。
Aristoteles の力と運動に対する考え方
Aristoteles は、定性的 (性質的な) 観察から、物体は力を得ること
によって速度を得て、空気抵抗などの抵抗力によって速度が減ずるとし、
以下の式を提唱した。
(真ん中の記号は比例の意味)
1. 真空だと、物体の抵抗力が 0 になるので、
速度は無限大になる (真空の否定)
2. 物体の質量は運動を引き起こす力に比例するので、
重いものほど速く落ちる。
Galileo の先駆者達
1543年 Niccolo Fontana Tartaglia (1500頃 - 1557)による
ユークリッド原論のイタリア語訳 (弾道学や三次方程式の解法の研究でも有名) これ以降ギリシャ数学がヨーロッパ大陸に輸入
1585年 Giambattista Benedetti (1530-1590, イタリアの数学者・音響学者) 1586年 Simon Stevin (1548 - 1620, ベルギーの数学者・物理学者・工学者) の二人が重さの異なる物体でも同じ速度で落ちると主張
v ∝
運動を引き起こす力抵抗力
Aristoteles
(B.C.384 - B.C.322)
画像はWikipediaより引用
Benedetti による思考実験
1. 同じ重さの物体を同じ高さから自由落下させると、
同じ時間に地面に到達
2つの物体を長い糸で結んでも、運動には影響ないはず。
糸の長さを短くしていっても、運動には影響ないはず。
2. 糸の長さを 0 にすると、2つの物体はくっつく。
Aristoteles の考え方が正しければ、
物体をくっつければ、物体は速く地面に落ちる。
3. Aristoteles の考え方を推し進めると、同じ重さの物体を
3 個、4 個 … と積み重ねていくと、どんどん落下の速さは速くなる。
4. でも 1. の議論から思考すると、物体が落ちる速さは重さによらない
現実には何が起こっているか? → 4. の結論が正しいように思える
この議論から、Benedetti は Aristoteles の考え方には修正が必要で、
重さの異なる物体でも、落ちる速さは同じになると主張 ガリレオもこの議論を受け継ぐ
ガリレオの観察と実験による自由落下運動の記述
思考実験: 物体の落ち方は (空気抵抗を無視すれば) 重さによらず同じ 観察事実: 落下中の物体の速度は段々速くなっていくように見える。
どのような関数系で記述されるか ?
垂直に物体を落とすと速すぎて測定が困難。
そこで、ガリレオは斜面を使った実験を行った。
Pisaの斜塔
http://catalogue.museogalileo.it/object/InclinedPlane.html
画像はガリレオ博物館カタログから引用
画像はWikipediaより引用
ガリレオは、斜面の角度を色々と変え、
物体の落下速度を変えながら実験を行って、以下の結果を得た。
物体の落下する移動距離は、時間の 2 乗に比例する。
速度を計算すると、段々速度が一定に増えていく (加速度を実験で認識)。
加速度の単位 Gal に名前を残している。 1 Gal = 0.01 m/s2
t x Δx/Δt 1 1
2=1 1
2 2
2=4 3 3 3
2=9 5 4 4
2=16 7
ガリレオによる説明
(移動距離) = 1/2 (加速度 a) (時間)2
v
t O
v
t O
at
(1/2)at
(移動距離)=(青い三角形の面積)=(赤い長方形の面積)=(1/2)at2
ガリレオは斜面の角度が90度 (地面に垂直)の時にも同じ形の式が 成り立つと考え、事実成り立っている。
自由落下の場合の式 x=(1/2)gt2, v = gt
(v=dx/dt となっていることに注意) g は重力加速度と呼ばれる定数で、
約 9.8 m/s2 (遠心力のため、場所により微妙に異なる)。