第 3 章 無線設備の技術的条件
1. 概 要
本標準規格は、電波法施行規則第6条(改正 平成20年総務省令第65号)、関係告示・平成元 年第42号(改正 告示・平成23年第516号)に規定される特定小電力無線局の用途等のうち、テ レメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用であって、無線設備規則第49条の14第7号な らびに 8号に規定された915.9MHz以上929.7MHz以下の周波数の電波を使用する無線設備につ いて規定したものである。
1.2 適用範囲
テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用の無線局は、図1-1に示す無線設備、デー タ処理装置及び電源装置により構成される。本標準規格は、無線設備の技術的条件について規定し たものである。
図 1-1 テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線局の構成
1.3 準拠文書
本標準規格において、「法」とは電波法を、「施行」とは電波法施行規則を、「設備」とは無線設備 規則を、「技適」とは特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則を、「端末」とは端末設備等 規則を、「告示」とは平成12年以前は郵政省告示をいい、平成13年以降は総務省告示をいう。
データ処理装 置
電源装置
空中線 無線設備
受信装置 送信装置 制御装置
【余白】
第 2 章 標準システムの概要
2.1 標準システム
標準システムには、大きく分類して、「短距離無線通信システム」と、「アクティブタグシステム」
とがある。以下では、それぞれのシステムについて述べる。
2.1.1 標準システムの構成 (1) 短距離無線通信システム
短距離無線通信システムの標準システムは図2-1に示すとおり、複数の無線局により構成さ れる。
図 2-1 短距離無線通信システムの標準システム構成
本システムでは、それぞれの無線局が互いに接続し、ネットワークを構成し、任意の無線局 間での個別通信、ネットワーク全体への同報通信などを行う。また、無線局間の直接通信のみ でなく、他の無線局を介したマルチホップ通信も可能である。
無線局 無線局
無線局 無線局
無線局
(2) アクティブタグシステム
アクティブタグシステムの標準システムは図2-2に示すとおり、1つのリーダライタと複数 のアクティブタグで構成される。
図 2-2 アクティブタグシステムの標準システム構成
本システムでは、アクティブタグとリーダライタ間又はアクティブタグ同士で、単方向又は 双方向の情報のやり取りが任意のタイミングで行われる。
2.1.2 標準システムの運用形態 (1) 短距離無線通信システム
短距離無線通信システムは、米国で既に規格化されているIEEE802.15に代表される、低消 費電力、低コストの通信を目指した、短距離、低レートの無線PAN(Personal Area Network)
システムである。IEEE802.15をもちいた低レートの無線 PAN システムの例を挙げると、欧 州及び米国で既に規格化されているZigBee(ZigBeeは、ZigBee Allianceの商標である。)な どがある。
センサを搭載した無線ノードや、各種機器を制御するアクチュエータを搭載した無線局でネ ットワークを構成し、ホームセキュリティ、児童や高齢者の安全・安心、健康管理、ホーム/
ビルの施設制御、工場内制御・モニタリング、病院内管理、メータ自動検針、屋外モニタリン グなどに利用することが想定されている。
(2) アクティブタグシステム
アクティブタグシステムは、内蔵した電池等のエネルギーにより、自発的に電波を発射する ことが可能なタグシステムである。リーダ/ライタが、タグを駆動させるために大きな出力が 必要であるパッシブタグシステムに比べて、アクティブタグシステムは、リーダ/ライタの出 力を低減でき、広い範囲で通信が可能である。
リーダ/ライタ
アクティブタグ
アクティブタグ アクティブタグ
アクティブタグ
現在我が国に流通しているアクティブタグシステムの多くは、300MHz帯(特定小電力無線、
微弱無線)、400MHz帯(特定小電力無線)及び2.4GHz帯の周波数帯で使用されている。ま た、433MHz帯が国際輸送用に用途を限定して制度化され使用可能である。
現在のアクティブタグシステムは、タグがIDを送信するタイプが主流であるが、センサ搭 載タグ、位置検出機能、双方向通信機能、タグへの情報書込み機能等の高機能化が進められて いる。児童登下校サポート、商店街安全サポート、危険地区進入管理、固定資産管理、高額商 品管理、車両・車庫管理、工程管理などに利用することが想定されている。
なお、920MHz 帯には、応答器(タグ)が自発的に電波を発射することはできず、応答器
(タグ)の送信エネルギーに質問器からの搬送波の電力のみを利用するパッシブタグシステム があるが、本標準規格の対象外とする。パッシブタグシステムの標準規格としては、ARIB STD-T106及びSTD-T107で定義されている。
2.2 標準システムの主要諸元と機能
標準システムの主要諸元と機能は、表2-1に示すとおりである。
表 2-1 標準システムの主要諸元と機能 項 目 諸 元・機 能
周 波 数 帯
915.9MHz以上916.9MHz以下(注)
及び
920.5MHz以上929.7MHz以下(注)
送 信 出 力
20mW以下
た だ し 、 中 心 周 波 数 が 916.0MHz 以 上 916.8MHz 以 下 及 び 928.15MHz 以 上 929.65MHz 以下の単位チャネルを含む構成 の無線チャネルを使用する場合は1mW以下
以上にかかわらず、平成24年7月24日ま で は 、 中 心 周 波 数 が 928.15MHz 以 上 929.65MHz 以下の単位チャネルを含む構成 の無線チャネルを使用する場合は1mW以下
中心周波数が926.2MHz以上928.0MHz以 下の単位チャネルのみで構成される無線チ ャネルを使用する場合は20mW以下
伝 送 内 容 データ信号
伝 送 方 式
電 波 型 式 規定しない
空 中 線 利 得
3dBi以下(絶対利得)
ただし、等価等方輻射電力が、絶対利得3dBi の送信空中線に1mW又は20mWの空中線電 力を加えたときの値以下となる場合は、その 低下分を送信空中線の利得で補うことが出 来るものとする。
(注)ただし、平成24年7月24日までは、926.1MHz以上929.7MHz以下
第 3 章 無線設備の技術的条件
標準規格には「国の技術基準」(強制規格)と「民間の任意基準」を含むが、国の技術基準に基づ く規定にはその根拠法令及び条文を付記する。
3.1 一般条件 3.1.1 通信方式
単向通信方式、単信方式、複信方式、半複信方式又は同報通信方式。
3.1.2 伝送内容
主にテレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用のための信号。
3.1.3 電波型式 規定しない。
3.1.4 周波数 (施行・第6条第4項)
(平成23年総務省令第162号) 915.9MHz以上916.9MHz以下及び920.5MHz以上929.7MHz以下とする。
3.1.5 使用環境条件
規定しない。
3.2 送信装置
3.2.1 空中線電力 (施行・第6条関係 告示・平成元年第42号)
(改正 告示・平成23年第516号) 20mW以下とする。ただし、中心周波数が916.0MHz以上916.8MHz以下の単位チャネル、お よび928.15MHz 以上929.65MHz 以下の単位チャネルを含む構成の無線チャネルを使用する場合 は1mW以下とする。
以上にかかわらず、平成24年7月24日までは、中心周波数が928.15MHz以上929.65MHz以 下の単位チャネルを含む構成の無線チャネルを使用する場合は 1mW 以下とし、926.2MHz 以上 928.0MHz 以下の単位チャネルのみで構成される無線チャネルを使用する場合は 20mW 以下とす る。
3.2.2 空中線電力の許容偏差 (設備・第14条) (平成23年総務省令第162号)
+20%、-80%
3.2.3 無線チャネル (設備・第49条の14)
(平成23年総務省令第162号) 単位チャネル(中心周波数が、916.0MHz 以上916.8MHz以下及び 920.6MHz以上928.0MHz 以下の場合、916.0MHz及び916.0MHz に200kHzの自然数倍を加えたもの及び920.6MHz及び 920.6MHzに200kHzの自然数倍を加えたものであって、帯域幅が200kHzのチャネルをいう。ま た、中心周波数が、928.15MHz 以上 929.65MHz 以下の場合、928.15MHz 及び 928.15MHz に 100kHzの自然数倍を加えたものであって、帯域幅が100kHzのチャネルをいう。)を使用するもの
(同時使用可能な最大チャネル数は5とする。)であること。
ただし、パッシブシステム優先の共用チャネルである、中心周波数が920.6MHz以上922.2MHz 以下の単位チャネル(チャネル24から32)と、中心周波数が922.4MHz以上の単位チャネル(チ ャネル33以降)を同時に使用することは禁止する。
なお本規格においては中心周波数を表3-1から表3-15のようにする。
(1) 空中線電力が1mW以下の場合 A 単位チャネル
表 3-1 単位チャネルの中心周波数(空中線電力:1mW以下、帯域幅:200kHz)
単位チャネル番号 中心周波数(MHz) 単位チャネル番号 中心周波数(MHz)
1 916.0 41 924.0 2 916.2 42 924.2 3 916.4 43 924.4 4 916.6 44 924.6 5 916.8 45 924.8 24 920.6 46 925.0 25 920.8 47 925.2 26 921.0 48 925.4 27 921.2 49 925.6 28 921.4 50 925.8 29 921.6 51 926.0 30 921.8 52 926.2 31 922.0 53 926.4 32 922.2 54 926.6 33 922.4 55 926.8 34 922.6 56 927.0 35 922.8 57 927.2 36 923.0 58 927.4 37 923.2 59 927.6
38 923.4 60 927.8 39 923.6 61 928.0 40 923.8
表 3-2 単位チャネルの中心周波数(空中線電力:1mW以下、帯域幅:100kHz) 単位チャネル番号 中心周波数(MHz) 単位チャネル番号 中心周波数(MHz)
62 928.15 70 928.95 63 928.25 71 929.05 64 928.35 72 929.15 65 928.45 73 929.25 66 928.55 74 929.35 67 928.65 75 929.45 68 928.75 76 929.55 69 928.85 77 929.65
B 2単位チャネル同時使用時
表 3-3 2単位チャネル同時使用時の中心周波数(空中線電力:1mW以下、帯域幅:400kHz)
単位チャネル番号 中心周波数(MHz) 単位チャネル番号 中心周波数(MHz)
1,2 916.1 41,42 924.1
2,3 916.3 42,43 924.3
3,4 916.5 43,44 924.5
4,5 916.7 44,45 924.7
24,25 920.7 45,46 924.9 25,26 920.9 46,47 925.1 26,27 921.1 47,48 925.3 27,28 921.3 48,49 925.5 28,29 921.5 49,50 925.7 29,30 921.7 50,51 925.9 30,31 921.9 51,52 926.1 31,32 922.1 52,53 926.3 33,34 922.5 53,54 926.5 34,35 922.7 54,55 926.7 35,36 922.9 55,56 926.9 36,37 923.1 56,57 927.1 37,38 923.3 57,58 927.3 38,39 923.5 58,59 927.5 39,40 923.7 59,60 927.7 40,41 923.9 60,61 927.9
表 3-4 2単位チャネル同時使用時の中心周波数(空中線電力:1mW以下、帯域幅:200kHz)
単位チャネル番号 中心周波数(MHz) 単位チャネル番号 中心周波数(MHz)
62,63 928.2 70,71 929.0 63,64 928.3 71,72 929.1
64,65 928.4 72,73 929.2 65,66 928.5 73,74 929.3 66,67 928.6 74,75 929.4 67,68 928.7 75,76 929.5 68,69 928.8 76,77 929.6 69,70 928.9
C 3単位チャネル同時使用時
表 3-5 3単位チャネル同時使用時の中心周波数(空中線電力:1mW以下、帯域幅:600kHz)
単位チャネル番号 中心周波数(MHz) 単位チャネル番号 中心周波数(MHz)
1,2,3 916.2 42,43,44 924.4 2,3,4 916.4 43,44,45 924.6 3,4,5 916.6 44,45,46 924.8 24,25,26 920.8 45,46,47 925.0 25,26,27 921.0 46,47,48 925.2 26,27,28 921.2 47,48,49 925.4 27,28,29 921.4 48,49,50 925.6 28,29,30 921.6 49,50,51 925.8 29,30,31 921.8 50,51,52 926.0 30,31,32 922.0 51,52,53 926.2 33,34,35 922.6 52,53,54 926.4 34,35,36 922.8 53,54,55 926.6 35,36,37 923.0 54,55,56 926.8 36,37,38 923.2 55,56,57 927.0 37,38,39 923.4 56,57,58 927.2 38,39,40 923.6 57,58,59 927.4 39,40,41 923.8 58,59,60 927.6 40,41,42 924.0 59,60,61 927.8
41,42,43 924.2
表 3-6 3単位チャネル同時使用時の中心周波数(空中線電力:1mW以下、帯域幅:300kHz)
単位チャネル番号 中心周波数(MHz) 単位チャネル番号 中心周波数(MHz)
62,63,64 928.25 69,70,71 928.95 63,64,65 928.35 70,71,72 929.05 64,65,66 928.45 71,72,73 929.15 65,66,67 928.55 72,73,74 929.25 66,67,68 928.65 73,74,75 929.35 67,68,69 928.75 74,75,76 929.45 68,69,70 928.85 75,76,77 929.55
D 4単位チャネル同時使用時
表 3-7 4単位チャネル同時使用時の中心周波数(空中線電力:1mW以下、帯域幅:800kHz)
単位チャネル番号 中心周波数(MHz) 単位チャネル番号 中心周波数(MHz)
1,2,3,4 916.3 42,43,44,45 924.5 2,3,4,5 916.5 43,44,45,46 924.7 24,25,26,27 920.9 44,45,46,47 924.9 25,26,27,28 921.1 45,46,47,48 925.1 26,27,28,29 921.3 46,47,48,49 925.3 27,28,29,30 921.5 47,48,49,50 925.5 28,29,30,31 921.7 48,49,50,51 925.7 29,30,31,32 921.9 49,50,51,52 925.9 33,34,35,36 922.7 50,51,52,53 926.1 34,35,36,37 922.9 51,52,53,54 926.3 35,36,37,38 923.1 52,53,54,55 926.5 36,37,38,39 923.3 53,54,55,56 926.7 37,38,39,40 923.5 54,55,56,57 926.9 38,39,40,41 923.7 55,56,57,58 927.1 39,40,41,42 923.9 56,57,58,59 927.3 40,41,42,43 924.1 57,58,59,60 927.5 41,42,43,44 924.3 58,59,60,61 927.7
表 3-8 4単位チャネル同時使用時の中心周波数(空中線電力:1mW以下、帯域幅:400kHz)
単位チャネル番号 中心周波数(MHz) 単位チャネル番号 中心周波数(MHz)
62,63,64,65 928.3 69,70,71,72 929.0 63,64,65,66 928.4 70,71,72,73 929.1 64,65,66,67 928.5 71,72,73,74 929.2 65,66,67,68 928.6 72,73,74,75 929.3 66,67,68,69 928.7 73,74,75,76 929.4 67,68,69,70 928.8 74,75,76,77 929.5
68,69,70,71 928.9