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の合計がEi として記録される。本来は二つの信号であるが一つの信号として測定され るため、信号の数を数え落としていることになる。

こ こ で t0t1t2 は ユ ー ザ ー の 設 定 に よ っ て 異 な る 値 で あ る 。本 実 験 に お い て は そ れ ぞ れ t0 = 3.17µst1 = 2.47µst2 = 0.42µsであった。また、パターン2及びパターン3のよう に波高情報が0として記録されたイベントをパイルアップイベントと定義し、パターン4によ うに複数のイベントを一つのイベントと見なしてしまう時間を不感時間(デッドタイム)と呼 ぶことにする。デッドタイム及びパイルアップイベントの起きる条件は入力信号の波高に依存 しないことを確認している*5

3.13 不感時間及びパイルアップイベントが起きる条件 [27]

3.3 測定データ

本実験は20175月に行った。標的原子核には天然存在比の同位体で構成されるスズ(Sn) を用いた。これは株式会社ニラコから購入したものであり、スズの純度は99.9%である。図 3.14は実験で使用したスズの試料である。試料の大きさは40×40×4 mm3であり、中性子

ビームは40×40 mm2 の面に照射される。表3.2に主なスズの同位体とその天然存在比及び

(n, γ)反応の断面積、エネルギー準位の数((n, γ)反応によって放出されるガンマ線のエネル

ギーの数)を示す。スズには表3.2に示した同位体以外にも他の同位体が多数存在しており、

それらが合計で約1%含まれている。また、実験に用いたスズには製造過程で他の元素が不 純物とし て約 0.1%含ま れて いる 可能性 はあ るが 、その 詳細は 分か って いな い。表 3.2から

117Snは標的原子核中に7.68%含まれていることが分かる。

*5データ収集系の振る舞いの波高依存性については付録Cを参照。

3.14 実験で標的原子核として用いたSnの写真:40×40 mm2の面に中性子ビームが 照射され、ビーム方向の厚さは4 mmである。

3.2 主なスズの同位体とその(n, γ)反応の断面積、エネルギー準位の数[28]

質量数 天然存在比 [%] 断面積[barn] エネルギー準位数

115 0.34±0.1 30±7 395

116 14.54±0.09 0.14±0.03 9

117 7.68±0.07 1.32±0.18 19

118 24.22±0.09 0.23±0.05 9

119 8.59±0.04 2.2±0.5 9

120 32.58±0.09 0.14±0.03 10

122 4.63±0.03 0.139±0.015 9 124 5.79±0.05 0.134±0.005 25

本実験における各種装置に関する設定値について説明する。ガンマフラッシュを遮蔽するた めに鉛製の中性子フィルターを挿入した。フレームオーバーラップを防ぐためにパルス周期

(40 ms)のうち、約27 ms秒以降に標的原子核に到達する低速中性子を遮蔽するようにダブル

ディスクチョッパーの位相を調整し、回転周期を25 Hzにすることで全てのパルスについて低 速中性子を遮蔽した。今回の測定では中性子ビーム強度を最大限に活用したかったため、上流 のコリメータは使用せず、ロータリーコリメータは直径22 mmに設定した。本実験ではd17 検出器とd21検出器は使用していない。

本実験のデータ収集系は一度データ取得を開始すると、ユーザーがデータ取得を停止させる まで一つのファイルにデータを書き込んでいく仕様になっている。本測定は数日かけてデータ 取得を行ったが、複数回に分けてデータ取得を行っている。その理由は大きく二つある。一つ 目は全ての測定データを一つのファイルに書き込むと、その一つのファイルが破損した場合は 全ての測定データを失うことになる。したがって、複数のファイルに分割することで全ての データを失うような事故を防ぐことができる。二つ目は測定中の環境変化の影響を受けにくく するためである。例えば、測定中の温度の変化によってアンプの信号増幅率が変化することが

3.3 測定データ 35 考えられる。測定中に顕著な増幅率の変化が起きた場合、同じエネルギーを持ったガンマ線に 対して異なる波高情報を記録してしまうことになり、データの取り扱いが難しくなる。また、

文献値には存在しないエネルギーのガンマ線が観測されたように見えてしまうこともある。こ のような事象を極力防ぐために、複数回に分けてデータ取得を行った。一つ一つの測定をRun と呼び、各々のRunに対して番号をつけている。

本実験はスズ以外にもデータを補正するためにホウ素(B)やメラミン(C3H6N6)の測定も 行った。補正については第4章で述べる。スズは約65.6時間、ホウ素は 2.6時間、メラミン は25.3時間測定した。図 3.15及び図 3.16は測定データあり、それぞれガンマ線の波高スペ クトル、TOFスペクトルである。波高スペクトルについてはエネルギー較正を行って、横軸 をガンマ線のエネルギーに変換する。図3.16において約27000 µsでイベント数が急激に減少 している様子が確認出来る。これは上で述べたように、ダブルディスクチョッパーによって低 速中性子が標的原子核に到達するのを防いだためである。

ADC

0 2000 4000 6000 8000 10000 12000

Counts

1 10 102

103

104

105

106

3.15 ガンマ線の波高スペクトル:横軸はADC値、縦軸はカウント数である。

µs]

TOF [ 0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000 40000

Counts

102

103

104

3.16 TOFスペクトル:横軸は[µs]、縦軸はカウント数である。

第 4

データ解析

この章では実験によって得られたデータを解析して、p波共鳴の非対称度の角度依存性を導 出する。

ドキュメント内 学位論文 Experimental Particle Physicsyushu University (ページ 33-36)

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