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家庭や地域社会との連携

ドキュメント内 幼稚園教育要領解説 (ページ 130-133)

第1章 総説

第6節 幼稚園運営上の留意事項

2 家庭や地域社会との連携

2 幼児の生活は,家庭を基盤として地域社会を通じて次第に広がり をもつものであることに留意し,家庭との連携を十分に図るなど,

幼稚園における生活が家庭や地域社会と連続性を保ちつつ展開さ れるようにするものとする。その際,地域の自然,高齢者や異年 齢の子供などを含む人材,行事や公共施設などの地域の資源を積 極的に活用し,幼児が豊かな生活体験を得られるように工夫する ものとする。また,家庭との連携に当たっては,保護者との情報 交換の機会を設けたり,保護者と幼児との活動の機会を設けたり などすることを通じて,保護者の幼児期の教育に関する理解が深 まるよう配慮するものとする。

幼児の生活は,家庭,地域社会,そして,幼稚園と連続的に営まれて いる。幼児の家庭や地域社会での生活経験が幼稚園において教師や他の 幼児と生活する中で,更に豊かなものとなり,幼稚園生活で培われたも のが,家庭や地域社会での生活に生かされるという循環の中で幼児の望 ましい発達が図られていく。

したがって,指導計画を作成し,指導を行う際には,家庭や地域社会 を含め,幼児の生活全体を視野に入れ,幼児の興味や関心の方向や必要 な経験などを捉え,適切な環境を構成して,その生活が充実したものと なるようにすることが重要である。このためには,家庭との連携を十分 にとって,一人一人の幼児の生活についての理解を深め,幼稚園での生 活の様子などを家庭に伝えるなどして,幼稚園と家庭が互いに幼児の望 ましい発達を促すための生活を実現していく必要がある。また,幼児が 幼稚園において自己を発揮し,生き生きと生活するためには,幼稚園が 安心して過ごすことができる場になっていることが大切である。幼児は,

保護者の感情や生活態度に影響されることが大きく,保護者が幼稚園や 教師に信頼感をもっていれば,幼児も安心して過ごすことができるよう になってくる。

さらに,最近の幼児は,情報化が急激に進んだ社会の中で多くの間接 情報に囲まれて生活しており,自然と触れ合ったり,地域で異年齢の子 供たちと遊んだり,働く人と触れ合ったり,高齢者をはじめ幅広い世代 と交流したりするなどの直接的・具体的な体験が不足している。このた め,地域の資源を活用し,幼児の心を揺り動かすような豊かな体験が得 られる機会を積極的に設けていく必要がある。

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特に,自然の中で幼児が豊かな生活体験をすることが大切であり,家 庭との連携を図りながら,近隣の自然公園や自然の中にある宿泊施設の 活用なども考えていくことが必要である。このような園外の活動は,幼 児の発達を十分に考慮した計画の下に実施する必要があり,保護者の参 加なども考え,安全に配慮して実施することが必要である。豊かな自然 の中で,教師や友達と共に宿泊したり,様々な活動をしたりすることは,

自立心を育て,人と関わる力を養い,幼児の記憶の中に楽しい思い出と して残るであろう。

自然との触れ合いについては,保護者自身も自然と関わる体験が少な い人が増え,動植物に触れられなかったり,名前などを知識として伝え る関わり方になったりする保護者もいる。このため,幼稚園で幼児が自 然と関わる様子を保護者に伝えたり,幼稚園における親子での活動で自 然との関わり方を保護者に知らせたりして,幼稚園での生活が家庭でも 生かされるようにすることが大切である。

また,最近は祖父母と同居することが少なく,兄弟姉妹の数も少なく なってきており,高齢者や年齢の異なる子供と関わる経験の少ない幼児 もいる。高齢者や異年齢の子供との関わりは,幼児の人との関わりを豊 かにすることから,運動会などの園行事や季節の行事に祖父母を招待し たり,保育所等との交流で乳幼児に関わったり,地域の小中学生と交流 することなどを通して,豊かな生活体験を得られるようにすることが大 切である。

各地域には,それぞれ永年にわたって培われ,伝えられた文化や伝統 がある。これらに触れる中で,幼児が,日本やその地域が長い歴史の中 で育んできた伝統や文化の豊かさに気付いたりすることもあろう。また,

地域の祭りや行事に参加したりして,自分たちの住む地域に一層親しみ を感じたりすることもあろう。このように,幼児が行事などを通して地 域の文化や伝統に十分触れて,ときには豊かな体験をすることも大切で ある。

家庭との連携に当たっては,保護者が幼児期の教育に関する理解が深 まるようにすることも必要である。そのためには,日頃から教師は保護 者との関係を深め,幼児の様子や子育てに関する情報交換の機会や保育 参加などを通じた保護者と幼児との活動の機会を設けたりなどすること が考えられる。情報交換は保護者会などの場を活用するだけでなく,降 園時の機会や連絡帳を活用して日々の幼児の姿で気付いたことを伝えた り,園だよりや学級だよりなどを通して,家庭や地域社会での体験を取

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り入れた幼児の遊びを紹介したりして,幼児の様子や成長の姿を伝え合 うことが大切である。

また,保育参加などを通じて,保護者が幼稚園生活そのものを体験す ることは,幼稚園教育を具体的に理解することができるとともに,保護 者が幼児と体験や感動を共有することで,幼児の気持ちや言動の意味に 気付いたり,幼児の発達の姿を見通したりすることにつながる。子育て への不安や孤立感を感じている保護者が増える中,教師の幼児への関わ り方を間近で見ることで,幼児への関わりを学んだり,保護者同士の体 験の共有から同じ子育てをする仲間意識を感じたりもする。さらに,保 育参加終了後などに,教師との情報交換の機会を設け,保育参加中の幼 児の様子,そのときの幼児の気持ち,幼児の状況を踏まえた教師の関わ りなどについて,保護者と話し合うことにより,保護者は,幼稚園教育 や幼児への関わり方への理解を一層深めることができる。このような取 組を通じて,幼稚園と家庭との連携が深まり,幼児がより豊かな生活が 送れるようになることが大切である。

そのため,幼稚園は,様々な機会を通して家庭との連携を図るととも に,保護者が幼稚園教育や幼児の発達の道筋,幼児との関わり方への理 解が深まるように配慮することが大切である。

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