第 3 章 バラスト軌道の支持状態の把握手法
3.4 浮きまくらぎ検出手法の精度に与える各種影響の確認
3.4.1 継目形状の把握
区間Bの継目部を対象に,継目落ちの形状を実測した.レール頭頂面の凹凸測定に一般的に使 用される 2m ストレッチの中央をレール継目中央部に合致するように設置して,レール頭頂面の 高さを測定した.測定状況を図 3-9に示す.図 3-10に区間 Bの左レール中央の継目部の凹凸測 定結果を一例として示す.測定結果は記録紙上にペンで線を描画することにより記録されるが,
記録が薄く視認しづらいため,ここでは線上をトレースしたものを示した.図中の数値は,測定 の始終端を基準として,まくらぎ中央位置における凹凸(落ち込み)量を示している.この箇所 は,図3-9のとおりまくらぎ上に継目が配置されるささえ継ぎ構造となっており,継目部におい
て最大3.8mmの落ち込みが存在している.図3-7(b)で示した当該箇所の浮き量は実測値1.0 mm
に対し計算値が8.6 mmと7.6 mmの乖離が生じており,予めこの継目落ち形状を考慮することに より,乖離が小さくなり推定精度の向上が期待できる.しかし,なお大きな乖離が残存すること や,個々の継目により継目落ち形状が異なることから,継目部については実用に向けさらなる検 討が必要である.
図3-9 2mストレッチによる継目部凹凸の測定状況
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3.4.2 復元波長帯域の違いによる影響
良好な推定結果が得られた区間Aの左レールを対象に,偏心矢変位より復元波長帯域を6~50m として設定した道床面をもとに,3.3節と同様の数値計算を行った.結果を図3-11および図3-12 に示す.比較のため,図3-7および図3-8に示した復元波長帯域3~50mのものも再掲した.図 3-11より,復元波長帯域を6~50mとすることにより,道床面の短波長成分が除去されているこ とがわかる.それに伴い,レール変形と道床面との差が小さくなり,復元波長帯域3~50mのもの より浮きまくらぎ計算値の精度が低下している.この傾向は図3-12にも見られ,静的変位の計算 値においても精度が若干低下していることが確認できる.つまり,本研究で提案した手法では,
復元波長帯域が浮きまくらぎ検出の精度に大きく影響することを示している.このことより,部 分 PC まくらぎ区間など,単独で短い波長での浮きまくらぎが発生し,浮きまくらぎの推定精度 が低い区間においても,高低変位の取得方法の見直し等により[3-2]復元波長帯域をさらに短波長 側に拡張することができれば,推定精度向上を図ることができる可能性があると考えられる.
図3-10 測定結果の一例(区間B左レール中央の継目部)
2m
30
0 1 2 3 4 0
5 10 15 20
浮き量( mm)
距離 (mm)
線路方向座標
道床面
無負荷形状
〇浮き量実測値 浮き量計算値
0 1 2 3 4 0
5 10 15 20
浮き量( mm)
距離 (mm)
線路方向座標
(a) 復元波長帯域3~50m(再掲)
10m
(b) 復元波長帯域6~50m
図3-11 復元波長帯域の違いによる実測値と解析結果との比較(区間A,左レール)
31 -20
-10 0 10 20
静的変位 (mm)
線路方向座標
-20 -10 0 10 20
静的変位 (mm)
線路方向座標
(a) 復元波長帯域3~50m(再掲)
(b) 復元波長帯域6~50m
図3-12 復元波長帯域の違いによる静的変位の計算値の影響(区間A,左レール)
静的変位実測値 静的変位計算値
10m
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