第 6 章 浮きまくらぎ検出手法の汎用性の向上
6.3 実務用浮きまくらぎ検出プログラムの作成
6.3.3 プログラムの計算精度の確認
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つまり,変位は y0m+1 となり,浮き量は ε0−y0m+1 となる.
(5)計算区間全体の変位および浮き量算出
浮き量を算出する区間全体を対象に上記(2)~(4)の処理を繰り返す.計算結果の出力は(4)で 述べたとおり中央の支持点1箇所のみとなるため,浮き量を算出する区間全体を計算するために は支持点を1箇所分ずつずらしてモデル計算区間を設定することになる.図6-8にイメージを示 す.計算区間全体の支持点数をSとおくと,上記処理を行う回数はS-2nとなる.各処理で1箇 所の浮きまくらぎが計算されるので,浮きまくらぎが得られる支持点数はS-2nとなる.
100 M = P
4βe−βx (cosβx−sinβx) ここに,Pは載荷荷重の大きさ, β= √k4 ⁄4EIである.
式(6-15)のうち,載荷点からの距離に依存する関数である φ(𝛽x) = e−βx (cosβx−sinβx) は,図 6-9に示すように,周期2πで正負に振幅しながら急速に減衰する特性を持つ.プログラムの前提で
は,式(6-5)で示したとおり計算モデル端部の曲げモーメントM を0としているが,式(6-15)より
M = 0となるβxはπ⁄4,5π⁄4,・・・のときである.既検討区間に対し連続弾性床上のはり理論を用い てβxを算出し,これと既検討区間の軌道諸元よりM=0に相当する次数を求めると,βx= 5π⁄4のと き4次,9π⁄4のとき7次,13π⁄ 4のとき10次となる.
そこで,既検討区間を対象に,次数を4,7,10,それに十分大きな値として23とし,それぞれ に対し𝑒を10-1,10-3,10-5,10-7 (mm)とした場合の計算結果について確認した.図6-10 に結果を 示す.ここで,反復回数とは,既検討区間全体を計算するのに要した繰り返し計算回数の合計を 示し,RMS値とは,eを10-7 mmとしたときの計算結果に対し,各支持点のRMS値を算出したも のである.凡例の数値は次数を示している.計算値がmmオーダーであることを考慮すれば,eを 10-3 mm程度としRMS値が10-3~10-2 mmとなれば十分である.そのときの反復回数は10-7 mmと した場合の半分程度となり,計算負荷の面からも望ましい.
また,図6-11および表6-1に既検討区間に対する浮きまくらぎ検出手法による浮き量の計算結 果とプログラムによる計算結果の関係を示す.ここで,浮きまくらぎ検出手法において,支持点 の位置はプログラムと同じ支持点となるよう調整したものとしている.またプログラムにおいて eを10-3 mmとした.結果,両者はよく一致していることがわかる.計算値のオーダーを考慮する と,今回の場合では誤差が0.1 mm以下となる10次以上とするのが望ましく,これを一般化して βxを13π⁄ 4以上となるような次数を設定するのが望ましいと考えられる.
(6-15)
図6-9 φ(βx) の特性 -0.25
0 0.25 0.5 0.75 1
0 2 4 6 8 10
φ ( βx )
βx
101
1.E-05 1.E-04 1.E-03 1.E-02 1.E-01 1.E+00
0 5000 10000 15000 20000 25000 30000
1.E-07 1.E-05
1.E-03 1.E-01
R MS 値 (m m )
反復回数(回)
収束判定値e(mm)
4:回数 7:回数 10:回数 23:回数
4:RMS 7:RMS 10:RMS 23:RMS
図6-10 次数別プログラムの計算結果
図6-11 浮きまくらぎ検出手法とプログラムによる浮き量計算結果の比較
-2 0 2 4 6 8 10
0 2 4 6 8 10
プ ロ グラ ムによ る 浮き 量( mm )
浮きまくらぎ検出手法による浮き量( mm )
4次 7次 10次 23次
表6-1 浮きまくらぎ検出手法とプログラムによる相関係数とRMS値の比較
次数 4次 7次 10次 23次 相関係数 0.9778 0.9930 0.9998 1.0000 RMS値(mm) 0.4341 0.2528 0.0422 0.0043
102