2.5 臨床に関する概括評価(臨床概括評価)
2.5.5 安全性の概括評価
2.5.5.4 比較的よく見られる重篤でない有害事象
(1) 国内2試験及び海外47試験でのBLM-240の有害事象/副作用
国内2試験及び海外47試験での主な有害事象(国内試験では発現率が3%以上又は海外試験で は発現率が1%以上の有害事象)を表 2.5.5.4-1に示す.
国内2試験では169例中166例(98.2%)に890件,海外47試験では2,240例中952例(42.5%)
に2,139件の有害事象が発現した.
国内2試験における主な有害事象は,「創合併症」63.3%,「白血球数増加」34.9%,「悪心」
33.1%,「尿中血陽性」31.4%,「発熱」26.6%,「嘔吐」16.6%,「血中ビリルビン増加」17.2%,
「疼痛」15.4%,「γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加」13.6%,「血中トリグリセリド増加」
及び「頭痛」が各10.7%並びに「便秘」,「尿中ブドウ糖陽性」,「尿中蛋白陽性」及び「血圧 低下」が各10.1%であった.これら有害事象の多くが,原疾患,尿道へのカテーテル挿入,輸液,
手術に伴う失血・ストレス及び手術の侵襲等に起因する事象であった.
一方,海外47試験において,主な有害事象は,「悪心」21.3%,「嘔吐」13.5%,「疼痛」5.3%,
「喉頭痙攣」2.7%,「低血圧」2.5%,「頻脈」1.7%,「徐脈」,「結膜炎」及び「頭痛」が各1.4%,
「高血圧」1.3%並びに「咽頭炎」1.0%であった.
国内外で発現した有害事象のほとんどが軽度又は中等度の事象であったが,国内2試験では「創 合併症」,「発熱」,「便秘」及び「疼痛」に加え,「白血球数増加」,「尿中血陽性」,「血 中ビリルビン増加」及び「γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加」等の臨床検査値に関連する有 害事象の発現率が海外47試験と比較し高かった.これは,国内及び海外試験での有害事象報告基 準及び適応された治験実施計画書における有害事象の取扱いが異なっていたことによると考えら れた.すなわち,海外試験では,手術後の合併症として一般的にみられる「創合併症」,「発熱」
等の事象は有害事象として報告されず,また,投与前値と比較し,BLM-240投与後,一定の幅以 上の変動を示した臨床検査値は,国内試験では臨床的意義に関係なく有害事象としたため,国内 外の試験において有害事象発現率に違いが認められたと考えられた.
2.5 臨床に関する概括評価 ページ
BLM-240 41
表 2.5.5.4-1 国内2試験と海外47試験における有害事象の比較
(BLM-240群において国内試験では発現率が3%以上又は海外試験では発現率が1%以上の有害事象)
有害事象 (MedDRA Ver 11.1)
安全性解析対象例 SOC注) PT
国内2試験 海外47試験 169例 2,240例 件,例(%) 件,例(%) 全有害事象 890,166(98.2) 2139,952(42.5)
心臓障害 14,12(7.1) 225,141(6.3)
徐脈 0,0(0.0) 34,32(1.4)
頻脈 1,1(0.6) 105,38(1.7)
眼障害 1,1(0.6) 50,45(2.0)
結膜炎 - 32,32(1.4)
胃腸障害 127,93(55.0) 1209,574(25.6)
便秘 17,17(10.1) 1,1(<0.1)
悪心 56,56(33.1) 711,476(21.3)
嘔吐 29,28(16.6) 468,302(13.5)
全身障害および投与局所様態 89,72(42.6) 177,138(6.2)
悪寒 5,5(3.0) 8,6(0.3)
疼痛 27,26(15.4) 140,119(5.3)
発熱 45,45(26.6) 12,11(0.5)
腫脹 6,6(3.6)
-感染症および寄生虫症 4,4(2.4) 24,24(1.1)
咽頭炎 - 22,22(1.0)
傷害,中毒および処置合併症 116,110(65.1) 20,20(0.9)
創合併症 109,107(63.3)
-臨床検査 403,136(80.5) 41,35(1.6)
アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加 14,14(8.3)
-アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加 15,15(8.9)
-血中ビリルビン増加 29,29(17.2)
-血中乳酸脱水素酵素増加 12,12(7.1)
-血中カリウム減少 7,7(4.1)
-血中カリウム増加 5,5(3.0)
-血圧低下 20,17(10.1)
-血中トリグリセリド増加 18,18(10.7)
-γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加 23,23(13.6)
-尿中ブドウ糖陽性 17,17(10.1)
-ヘマトクリット減少 11,11(6.5) 1,1(<0.1)
尿中血陽性 53,53(31.4)
-ヘモグロビン減少 11,11(6.5) 1,1(<0.1)
心拍数減少 15,15(8.9)
-赤血球数減少 12,12(7.1)
-白血球数増加 59,59(34.9)
-血小板数増加 15,15(8.9)
-尿中蛋白陽性 17,17(10.1)
-血中アルカリホスファターゼ増加 7,7(4.1)
-筋骨格系および結合組織障害 13,12(7.1) 9,8(0.4)
背部痛 7,7(4.1)
-神経系障害 28,27(16.0) 61,56(2.5)
頭痛 18,18(10.7) 32,32(1.4)
感覚鈍麻 6,6(3.6) 1,1(<0.1)
精神障害 16,15(8.9) 33,29(1.3)
不眠症 15,15(8.9)
-呼吸器,胸郭および縦隔障害 36,32(18.9) 132,103(4.6)
喉頭痙攣 - 60,60(2.7)
発声障害 7,7(4.1)
-口腔咽頭痛 12,12(7.1)
-皮膚および皮下組織障害 27,21(12.4) 11,11(0.5)
接触性皮膚炎 5,5(3.0)
-紅斑 5,5(3.0)
-血管障害 6,6(3.6) 122,88(3.9)
高血圧 2,2(1.2) 34,30(1.3)
低血圧 0,0(0.0) 71,55(2.5)
注) 国内試験では発現率が3%以上又は海外試験では発現率が1%以上の有害事象(PT)に対応するSOCのみ表記
2.5 臨床に関する概括評価 ページ
BLM-240 42
次に,BLM-240の主な副作用(BLM-240との関連性が否定できない)を表 2.5.5.4-2(国内試験
又は海外試験において発現率が1%以上の副作用)に示す.
発現率が高かった副作用は,国内外の試験いずれも「悪心」及び「嘔吐」であり,その発現率 は国内外の試験において大きな違いはなかった(国内2試験における副作用発現率:「悪心」27.2%,
「嘔吐」14.2%,海外47試験における副作用発現率:「悪心」20.0%,「嘔吐」12.1%).
表 2.5.5.4-2国内2試験と海外47試験における副作用の比較
(BLM-240群において国内試験又は海外試験において発現率が1%以上の副作用)
副作用 (MedDRA Ver 11.1)
安全性解析対象例 SOC注) PT
国内2試験 海外47試験 169例 2,240例 件,例(%) 件,例(%)
全副作用 200,106(62.7) 1630,760(33.9)
心臓障害 10,8(4.7) 186,108(4.8)
徐脈 - 29,27(1.2)
結節性調律 2,2(1.2) 5,3(0.1)
頻脈 1,1(0.6) 94,29(1.3)
眼障害 - 34,34(1.5)
結膜炎 - 31,31(1.4)
胃腸障害 72,61(36.1) 1100,529(23.6)
悪心 46,46(27.2) 660,448(20.0)
嘔吐 24,24(14.2) 420,272(12.1)
全身障害および投与局所様態 5,5(3.0) 24,20(0.9)
悪寒 3,3(1.8) 8,6(0.3)
臨床検査 95,60(35.5) 25,20(0.9)
アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加 6,6(3.6)
-アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加 8,8(4.7)
-血中ビリルビン増加 21,21(12.4)
-血中乳酸脱水素酵素増加 4,4(2.4)
-血圧低下 18,16(9.5)
-γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加 10,10(5.9)
-尿中ブドウ糖陽性 2,2(1.2)
-心拍数減少 8,8(4.7)
-心拍数増加 4,4(2.4) 3,3(0.1)
尿中蛋白陽性 2,2(1.2)
-血中アルカリホスファターゼ増加 3,3(1.8)
-神経系障害 10,10(5.9) 31,30(1.3)
頭痛 8,8(4.7) 21,21(0.9)
呼吸器,胸郭および縦隔障害 3,3(1.8) 104,78(3.5)
喉頭痙攣 - 58,58(2.6)
血管障害 - 86,66(2.9)
低血圧 - 65,51(2.3)
注)国内試験又は海外試験において発現率が1%以上の副作用(PT)に対応するSOCのみ表記
(2) BLM-240とセボフルランにおける副作用の比較
国内試験003でのBLM-240及びセボフルラン群の主な副作用(BLM-240群において発現率が
1%以上)を表 2.5.5.4-3に示す.
副作用は,BLM-240群では166例中103例(62.0%)に195件,セボフルラン群では50例中24
例(48.0%)に44件であった.
BLM-240群での主な副作用は,「悪心」27.7%(46例),「嘔吐」14.5%(24例),「血中ビ
リルビン増加」11.4%(19例),「血圧低下」9.6%(16例),「γ-グルタミルトランスフェラー
2.5 臨床に関する概括評価 ページ
BLM-240 43
ゼ増加」6.0%(10例)並びに「アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加」,「心拍数減少」
及び「頭痛」が各4.8%(8例)であった.これら副作用のうち,「血中ビリルビン増加」はBLM-240 群のみに認められた.
これら血中ビリルビン値の推移において,AST,ALT又はγ-GTP等の肝・胆道系酵素上昇を伴 う変動が,19例中3例に認められたが,ビリルビン値を含め,AST,ALT及びγ-GTPの臨床検査 値は,処置を施すことなく後観察時(手術7日後)には,ほとんどが投与前値又は基準値内に復 した.また,「黄疸」,「肝炎」等の肝機能異常に関連する臨床症状も認められなかった.
その他の副作用については,「悪心(BLM-240 群:27.7%,セボフルラン群:16.0%)」,「γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加(BLM-240群:6.0%,セボフルラン群:2.0%)」及び「頭痛
(BLM-240群:4.8%,セボフルラン群:2.0%)」の発現率が,BLM-240群でやや高かったが,全 般的な副作用発現状況はBLM-240群とセボフルラン群に大きな違いはなかった.
表 2.5.5.4-3 BLM-240とセボフルランの副作用の比較(国内試験003)
(BLM-240群において発現率が1%以上)
副作用
(MedDRA Ver 11.1)
安全性解析対象 例数 SOC注) PT
BLM-240群
セボフルラン群 全体 BLM-240 N2O群 BLM-240 O2群
166 111 55 N=50 件,例(%) 件,例(%) 件,例(%) 件,例(%)
全副作用 195,103(62.0) 134,69(62.2) 61,34(61.8) 44,24(48.0) 心臓障害 10,8(4.8) 7,6(5.4) 3,2(3.6) 0,0(0.0)
結節性調律 2,2(1.2) 2,2(1.8) 0,0(0.0) 0,0(0.0)
胃腸障害 72,61(36.7) 49,43(38.7) 23,18(32.7) 13,12(24.0) 悪心 46,46(27.7) 31,31(27.9) 15,15(27.3) 8,8(16.0)
嘔吐 24,24(14.5) 17,17(15.3) 7,7(12.7) 4,4(8.0) 全身障害および投与局所様態 5,5(3.0) 2,2(1.8) 3,3(5.5) 1,1(2.0)
悪寒 3,3(1.8) 2,2(1.8) 1,1(1.8) 1,1(2.0)
臨床検査 90,57(34.3) 61,37(33.3) 29,20(36.4) 26,16(32.0) アラニン・アミノトランスフェ
ラーゼ増加 6,6(3.6) 3,3(2.7) 3,3(5.5) 2,2(4.0) アスパラギン酸アミノトランス
フェラーゼ増加 8,8(4.8) 7,7(6.3) 1,1(1.8) 2,2(4.0) 血中ビリルビン増加 19,19(11.4) 11,11(9.9) 8,8(14.5) 0,0(0.0) 血中乳酸脱水素酵素増加 4,4(2.4) 2,2(1.8) 2,2(3.6) 1,1(2.0)
血圧低下 18,16(9.6) 14,12(10.8) 4,4(7.3) 11,10(20.0) γ-グルタミルトランスフェラ
ーゼ増加 10,10(6.0) 7,7(6.3) 3,3(5.5) 1,1(2.0) 尿中ブドウ糖陽性 2,2(1.2) 2,2(1.8) 0,0(0.0) 1,1(2.0) 心拍数減少 8,8(4.8) 8,8(7.2) 0,0(0.0) 6,6(12.0) 尿中蛋白陽性 2,2(1.2) 1,1(0.9) 1,1(1.8) 0,0(0.0) 血中アルカリホスファターゼ増
加 3,3(1.8) 2,2(1.8) 1,1(1.8) 0,0(0.0)
神経系障害 10,10(6.0) 7,7(6.3) 3,3(5.5) 1,1(2.0) 頭痛 8,8(4.8) 5,5(4.5) 3,3(5.5) 1,1(2.0) 注) BLM-240群で2例以上発現している有害事象(PT)に対応するSOCのみ表記