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p ∈ C /Λ

に対して

,

接空間の間の射

d

p

Φ

が消えないことが簡単に示せるので

Φ

は双正 則である

.

注意

5.3

命題

5.2

の逆写像は

E −→ C /Λ : P 7→

Z

P OE

dx

y

で与えられる

.

ただし

, O

E

= (0 : 1 : 0).

5-2. 加法公式

定理

5.4 α, β, α ± β 6∈ Λ

とする

.

このとき

,

℘(α) + ℘(β) + ℘(α + β) = 1 4

0

(α) − ℘

0

(β)

℘(α) − ℘(β)

2

, 2℘(α) + ℘(2α) = 1 4

12℘(α)

2

− g

2

0

(α)

2

(

証明

) f (z) = ℘

0

(z) − a℘(z) − b

α, β

を零点を持つように定める

.

すなわち

, a = ℘

0

(α) − ℘

0

(β)

℘(α) − ℘(β) , b = ℘

0

(β)℘(α) − ℘

0

(α)℘(β)

℘(α) − ℘(β) . f (z) = − 2

z

3

+ · · ·

3

位の楕円関数だから

, α, β

以外にもう一つ零点

γ

をもつ7

.

命題

3.1-(3)

より

, α + β + γ ∈ Λ.

よって

,

連立方程式

( ℘

0

(z) − a℘(z) − b = 0

0

(z)

2

− (4℘(z)

3

− g

2

℘(z) − g

3

) = 0

において

, ℘

0

(z)

を消去し

,

解と係数の関係から

℘(α) + ℘(β) + ℘(γ) = 1 4 a

2 を得る

. ℘(γ ) = ℘( − α − β) = ℘(α + β)

より

,

求める式を得る

.

二つ目の公式は前の式の極限

β −→ α

をとり

,

命題

2.9-(2)

を代入すればよい

.

命題

5.5

命題

5.2

の双正則写像

Φ

は群演算を保つ

.

すなわち

,

Φ(α + β) = Φ(α) ⊕

E

Φ(β)

が成り立つ

.

ここで

, ⊕

E はアーベル多様体としての

E

の群演算

.

(

証明

)

代数曲線として楕円曲線の代数的な演算

,

および

,

定理

5.4

から従う

.

注意

5.6

楕円曲線

E

の群演算を完備化することで自然に形式群が定義される

. P = (X, X

0

), Q = (Y, Y

0

)

とし

, P ⊕

E

Q

x-

座標を

G(X, Y )

とする

. G(X, Y )

(X, Y ) = (0, 0)

の周りで形式的に展開したものを

G(X, Y b )

とかく

. G(X, Y b )

Z [g

2

, g

3

,

12

][[X, Y ]]

の元とな る

.

このとき

,

F (X, Y ) = − G(X, Y b ) = X + Y + · · ·

E

の形式群となる

(cf.

西来路氏の講演

).

7α, β, γは同一の基本領域に入っていると仮定してよい.

参考文献

[1] L.V. Ahlfors,

複素解析

(

笠原乾吉 訳

),

現代数学社

[2]

軍司 圭一

, Abel-Jacobi

の定理

I,

本報告集

[3] R. Hartshone, Algebraic Geometry, GTM.

[4] F. Klein,

クライン

19

世紀の数学

,

彌永昌吉 監修

,

共立出版株式会社

[5]

大西 良博

,

超楕円函数論

,

本報告集

[6]

上野健爾 他

,

数学史

II,

岩波書店

[7]

梅村 浩

,

楕円関数論

,

楕円曲線の解析学

,

東京大学出版会

[8]

吉富賢太郎

, Riemann

,

代数曲線

,

函数体の対応

,

本報告集

超 楕 円 函 数 論

大西 良博

序 文

今日では楕円曲線を扱つた書物が数多く出版されてゐて

,

そのほとんどが楕円函数にも 触れてゐるので

,

楕円函数を学ぶのに不自由はないと思はれる

.

一方

,

種数の高い代数曲線に付随する

Abel

函数については

,

抽象論

(Abel

函数といふ言 葉さへ登場しない

)

を展開した書物や論文はあるものの

,

この方面の具体的な記述に触れ るのは困難に感じられる

.

筆者は

,

永らく

,

例へば 竹内端三著

,

「楕圓凾數論」

(

岩波全書

)

の様に

,

実際の計算に耐へる様な記述をしたものが見当たらないことに不満を抱いてゐた

.

その希望に最も近いものは

D.Mumford: Tata lectures on theta II, Birkh¨auser ([Mu2])

で あつた

.

しかしその後

, Cambridge

大学の

H.F.Baker

がおよそ

1

世紀前にこの方面に多 大な貢献をしてゐること

,

中でも

,

一般の

Abel

函数を極めて具体的に扱つた大著

Abelian Functions (1897, Cambridge Univ. Press)

と種数

2

の場合を詳述した

Introduction to Multiply Periodic Functions (1907, Cambridge Univ. Press)

が書かれてゐたことを知つて からは

,

この方面の研究に没頭してきた

.

本稿は超楕円函数の基礎理論を

H.F.Baker

らによる優れた定式化にしたがつて解説した ものである

.

この記事では

,

主として超楕円函数の一般論を展開する

.

必要な基礎事項については

,

随 時

,

本報告集収録の解説

[Y], [Og], [Gu], [OU]

を引用することが望ましいが

,

その様に稿 をまとめるため

(

記号等の整理

)

の時間的な制約から

,

必要な事項はすべてこの記事の内部 でも述べることとにした

.

時間の許す範囲で

,

本報告集の解説の参照すべき箇所を記した が

,

完全さからは程遠い

.

しかし

,

ほとんどのことがらに実際にこの報告集に述べられてゐ るはずであるので

,

証明については必要に応じてこれらの解説をご参照いただきたい

.

本稿で述べる

Abel

函数論は

,

超楕円曲線以外の代数曲線に対しても

,

無限遠点が

1

点だ

((n, s)-curves)

であれば

,

同様に一般化される

.

その基本的な定式化は本稿に述べたもの

と同様であるが

,

それは現在

,

進展中のことがらでもあり

,

ここに取り入れない

.

文献をい くつかあげておくので

,

それを辿つて最新の成果に踏み込んでいただけたることを望む

.

岩手大学 人文社会科学部

131

1 Riemann 面の一般論から 1.1 Riemann 面と Abel 微分

以下では

Riemann

面について必要な事柄を整理することから始める

.

1

種微分形式

,

周期行列

種数

g

の境界のない

Riemann

X

を考える

. 1

I

を固定し

,

1.2

の様に交点数が

α

i

· α

j

= δ

ij

, α

i

· β

j

= 0, β

i

· β

j

= δ

ij

,

そのどれもが

I

を始点にして再び

I

に戻る様な路

(1.1) α

1

, · · · , α

g

, β

1

, · · · , β

g

をとり

,

これらに沿って

X

を切り開いてできる

多角形

” X

をとする

.

1