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検証結果と考察

ドキュメント内 学位授与機関 関西大学 (ページ 121-125)

第 5 章 サイバーパトロールシステムの開発

5.4 サイバーパトロールシステムの予備検証

5.4.4 検証結果と考察

違法・有害情報を含むチェックリストを対象として,手作業によるサイバーパトロール と本システムを利用したサイバーパトロールとを行い,作業時間について比較検証した結 果を表 5.6,対象データの件数を表 5.7に示す.

表 5.6 作業時間の比較の検証結果

作業項目 手作業による サイバーパトロール

提案システムを利用した サイバーパトロール

削減時間

(時間効率)

チェックリストから

Webページ選択 1:01:25 0:18:43 0:42:42 (69.53%)

(1件あたりの平均) 0:00:07 0:00:03 0:00:04 (60.93%) 目視での

Webページの確認 3:55:46 2:02:34

1:53:12 (48.01%)

(1件あたりの平均) 0:00:28 0:00:19 0:00:09 (33.35%) 記事の抽出と

削除申請の作成 1:04:17 0:25:23

0:38:54 (60.51%)

(1件あたりの平均) 0:00:29 0:00:16

0:00:13 (45.29%) 全作業時間 6:01:28 2:46:40

3:14:48 (53.89%)

表 5.7 対象データの件数

項目 手作業による

サイバーパトロール

提案システムを利用した サイバーパトロール 目視で確認したWebページ数 500 390

記事の抽出と削除申請の作成数 133 96

記事分割処理を行ったページ数 - 13

表 5.6 は,各作業項目の作業を手作業と本システムを利用し,その作業に要した時間で ある.なお,表 5.6 の時間計測の集計項目は,表 5.5 のサイバーパトロールにおける作業 項目を参考に決定した.まず,表 5.6の「チェックリストからWebページの選択」の作業 時間は,チェックリストを表示している時間の合計を集計した.次に,「Webページの確認」

の作業時間は,チェック対象のWebページを表示して,Webページの内容を確認する時間 の合計を集計した.最後に「記事の抽出と削除申請の作成」の作業時間は,記事を選択お よび削除申請書の作成に要した時間の合計を集計した.

表 5.6,及び表 5.7 を確認すると,手作業によるサイバーパトロールと比較して本シス テムを利用した場合,全ての項目において作業の時間効率が向上していることが分かる.

また,「チェックリストからWebページの選択」を手作業で行う場合,チェックリストの対 象URL を上から順に確認し,どのURL まで確認したかを作業者が常に把握しておく必要 がある.これに対し,本システムを利用した場合では,チェックリストに含まれる次のURL に即時遷移できる仕組みにより作業者の負担を軽減し,効率が向上したと考えられる.

一方で,表 5.7の削除申請書の作成件数を確認すると,手作業での作業で133件の記事 を抽出したのに対して,本システムを利用した場合は,96 件の抽出に留まっていることが 分かる.この原因は,本システムを利用してWebページを確認する場合は,一定の有害度 を持つURLのみ確認対象としていたため,削除申請を行うべき記事を含むWebページがチ ェック対象から漏れていたためである.本検証では,有害判定確率辞書に含まれる語句と の一致がなく,0.5として判定されたWebページを含む0.5以上のWebページを対象に目視 でのチェックを行っている.そのため,有害度毎の確認対象のWeb ページの分布を調査し た.調査結果を表 5.8に示す.

表 5.8 有害度ごとのWebページの分布

有害度 全Web ページ

違法・有害情報 を含む Webページ数

有害度 全Web ページ

違法・有害情報 を含む Webページ数

0.00 111 1 0.55 0 0

0.05 5 0 0.60 0 0

0.10 2 1 0.65 0 0

0.15 0 0 0.70 0 0

0.20 1 1 0.75 1 1

0.25 0 0 0.80 1 1

0.30 0 0 0.85 0 0

0.35 0 0 0.90 2 2

0.40 0 0 0.95 7 7

0.45 1 1 1.00 2 2

0.50 367 3 - - -

表 5.8を確認すると,有害度が0.5未満のWebページは120件あり,その中で約90%の Webページが有害度 0 の分布となっている.このことから,確認するページ数と閾値はト レードオフの関係にあるが,幅広い有害情報を収集するためにチェック対象を決定する有 害度の閾値を低く設定しても問題ないことが明らかとなった.

本研究では,サイバーパトロールの業務内容を整理し,サイバーパトロールに求められ る要件について検討した.検討した要件に基づくサイバーパトロールを構築し,本システ ムを用いたサイバーパトロールの実施例について述べた.そして,開発したシステムを実 環境に模した環境に適用することで,本システムがサイバーパトロールの効率化に寄与可 能であるかを検証し,本システムを用いることにより作業時間を手作業と比較して約4割 削減できることが分かった.本章で構築したサイバーパトロールシステムを実際のインタ ーネット環境に適用した場合の利便性の評価と,その結果得られた実データを基に今度の 発展計画について考究することを目的として6章にて実証実験を行う.

6 章 サイバーパトロールシステムの実環境への

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