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実用化に向けての提案

ドキュメント内 学位授与機関 関西大学 (ページ 134-137)

第 6 章 サイバーパトロールシステムの実環境への適用

6.5 実用化に向けての提案

表 6.3 を参照すると,初心者の判定結果と熟練者の判定結果で,大きく結果が異なるこ とが分かる.これは,ガイドラインに掲載されている金銭の授受規定が十分に考慮されて おらず,「売春目的等の誘引」の要件を満たしていない情報に対しても有害と判定したため であると考えられる.このように,一般的な判断基準とガイドライン判定要件の間のズレ が,初心者と熟練者の判定結果の違いに大きく関与していることが想定される.

表 6.4 を参照すると,初心者,熟練者共に違法・有害情報と判定されたが,初心者の分 類では,ガイドラインには合致していないことが分かる.これは,ガイドラインに掲載さ れている年齢規定が十分には考慮されておらず,単純な「売春目的等の誘引」に関する違 法・有害情報と判定されたためであると考えられる.この違いは,違法・有害情報を通報 や削除申請する際に大いに影響するため,実際のサイバーパトロールにおいては明確な区 別が必要になる.

以上の考察結果より,実用的なサイバーパトロールシステムを実現するためには,一般 ユーザに対して,ガイドラインの判定基準を明確に提示することが望ましいことが分かる.

そこで,本開発システムの発展計画として,適用するガイドラインに併せて,記述のどの 部分が抵触するかをひと目で分かるようにするなどの対策が必要と考えられる.

表 6.5 改善が必要な項目

作業項目

提案システムを利 用したサイバーパ

トロール

サイバーパトロールシス テムの実用化に際し改善

が必要な項目

機能要件

チ ェ ッ ク リ ス トの作成

あらかじめ用意し たチェックリスト を用いる.

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チ ェ ッ ク 対 象 の有害性判定

サーバ側で有害度 の 情 報 を 付 加 す る.

ガイドラインの評価要件 を明確化し,対応関係の 情報を付加する.

ガイドラインの条項を 分析し,評価要件を抽出 する.そして,解析記事 中における評価要件を 確認する.

Webページの 確認

本システムの Web ブラウジング画面 を利用して有害度 に 応 じ て 必 要 な URLのみ目視で確 認する.

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記事の抽出

記事分割機能によ り個々の記事を抽 出する.

抽出した記事中から,ガ イドラインの評価要件と 合 致 す る 項 目 を 明 確 化 し,視覚化する.

評価要件ごとに,記事内 容との一致不一致を判 定し,その結果を画面に 反映することで,ユーザ に分かり易く提示する.

削 除 申 請 の 作 成

本システムの削除 申請作成画面を用 いて,記事分割結 果の投稿記事から 削 除 申 請 を 作 成 し,コンピュータ 上に保存する.記 事分割に失敗した 場合は,手作業に よるサイバーパト ロールと同様の方 法で行う.

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表6.5より,サイバーパトロールシステムの実用化に際し,改善が必要な項目は,「ガイ ドラインの評価要件を明確化し,対応関係の情報を付加する」作業項目と「抽出した記事 中から,ガイドラインの評価要件と合致する項目を明確化し,視覚化する」作業項目であ る.また,これらの作業項目に対して追加する機能要件としては,「ガイドラインの条項を 分析し,評価要件を抽出する.そして,解析記事中における評価要件を確認する」機能と

「評価要件ごとに,記事内容との一致不一致を判定し,その結果を画面に反映することで,

ユーザに分かり易く提示する.」機能とが必要になる.

そのためには,ガイドラインの評価要件をシステム化する必要がある.記事部分の文字 数が少なすぎるため,柔軟な評価要件と記述内容の対応関係を分析することは,それ単体 で大きな研究課題となる.このため,喫緊の対策として,評価要件の中で単純なものを対

象にIF-THENルール化し,記述内容との対応関係を解析する方法が考えられる.たとえば,

第 6.4.1 項の実験で扱った「売春目的等の誘引行為」であれば,『売春を意味する表現(金

額の提示)』や『連絡先(電話番号等)』などが,評価要件として挙げられている.これら の評価要件は,形態素解析による数値単位や定形表現の抽出などの過程で得られるものと 考えられる.これらの対応可能な項目から評価要件をルール化し,ブラウザでユーザに視 覚的に提示するシステムなどを備えることで,初心者でも熟練者と同様の判断基準に則っ た違法・有害情報の判定が行えることが期待される.

実用化に際しては,これらの項目を優先的に実装し,より一層のネットパトロールの普 及促進に努める.

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